一章
夢小説設定
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『ふぅ、さすがに買いすぎたな…』
両手にはパンパンの買い物袋。学校やバイト以外は極力外に出たくない為、買い物は一度に大量購入するのだが、流石に今日は買いすぎたなと少し後悔した。家までもう少しの辛抱__________
『……っ』
途中、電柱の片隅に置かれた花を見つめる少女が目に入ったが、声をかけることなくその場を通りすぎた。そのときに見た少女の額からは大量の血が流れていた。
あの花は少女に贈られた花で、少女はあの場から離れることができない幽霊。
元から少し霊感はあったけれどモヤのようなものが見えたり、少し悪寒を感じる程度…それがこの町に来てから普通の人間と見分けがつかないくらいはっきりと見えるようになった。
平凡な生活を求める私は何事もなかったように振る舞うが、ここまではっきり見えるようになると、人間と幽霊の区別が難しい。綺麗に亡くなった人がいれば、わたしの目には普通の人と変わらない。先程間違えて幽霊に話しかけてしまい、まわりから怪訝そうな目で見られたのを思い出す。
どうにかならないかと考えていると。
ドンッ!
『わっ!!ごめんなさい!!』
誰かとぶつかってしまった。買い物袋の重みで倒れそうになるところ腕を引かれなんとか持ち堪えた。
石田「す、すまない!……き、君は…すまなかった。今は先を急いでいるから、お詫びはまた…では失礼する」
『石田君…?』
ぶつかった相手は同じ学校の石田雨竜だった。
何があったのだろうか……普段の彼からは想像もできない慌てぶりに、後ろ髪引かれる気持ちで彼の向かった方角にある自宅へと足を進めた。