一章
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『知らない』
まだ名前を呼んだだけなのに彼女は早足で俺の横を通り過ぎる。一緒にいた井上は無視された俺に気を使ったのか「おはよう」と言って彼女の後を追った。
相変わらず俺には塩対応…それも1ヶ月続けば慣れるものだ。
浅野「お前嫌われてんなー!!!!あんな対応お前だけだぞ、まだ転校初日の件誤ってなかったのかよ」
隣にいた浅野がゲラゲラと笑う。
一護「うるせー、とっくに誤ったつーの」
小島「けど、一護のおかげで藍白さんと話せるよね。ほら、藍白さん普通に美人じゃん?それで初日の淡白な自己紹介…近寄り難い雰囲気だっだけど、一護が墓穴掘って場を和ませてくれたから今があるよね。僕らのために犠牲になってくれてありがとう感謝してるよ」
満面の笑みで握手する小島の手を振り払った。
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『藍白(あいじろ) 名前です。家の都合で引っ越してきました。…………よろしくお願いします』
転校生にたいして興味もなかった俺は遅刻する生徒が必死に駆け込む姿を教室から眺めていた。けれど、めんどくさいのが伝わる自己紹介には似合わない澄んだ声に、どんな奴が転向してきたのだろうと前を見た。
ガタッ!!
一護「お前…俺と会ったことあるか?」
違和感________
なぜそう思ったのかわからないが、彼女を見た瞬間に心がざわついた。
大きな黒い瞳が見開かれ、俺の方を見てぴたりと固まった事で灰色がかった黒髪が揺れる。さっきまで無表情だった顔がほんの一瞬崩れた。
「ありません」
すぐに元の表情に戻ったけど、その一瞬が場の雰囲気を変えるには十分な材料だった。さまざまな声が投げかけられ、クラスが明るくなる。彼女は戸惑いながら席の方へと早足に歩く。その姿を見ているとバシッと顔を叩かれた。
一護「いってぇぇえ!」
担任「勇気は褒める。だが時と場所を考えろ」
それから授業が始まり、美人転校生にこっぴどく振られた男がいるという噂は当日中に広まった。
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あの違和感はなんだったのだろうか。
少しでも違和感の正体を探ろうと彼女に話しかけるが、初日以降、彼女はあの塩対応でろくに話せていない。まさかあの出来事がここまで尾を引くとは。
一護「…俺の気のせい………か」
________この出会いが偶然ではなく必然だったことを、この時俺が知るはずもなかった_______