一章
夢小説設定
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『……君!今度は何して遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?それともーーーだるまさんがころんだ?』
「もう帰る時間だろ、お前の母さんも心配するからまた今度な…そんな悲しそうな顔するなって!!また来週も会えるんだから、次な?」
『……ほんと?』
「おう!約束だ!!来週もまたここで会おう」
『うん、約束ね。……君大好き!!!』
「お、おう……!!」
あなたはだれ?
「君は僕のものだ、必ず僕のものにしてみせるよ」
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』
こないで!!!!
暖かい記憶と冷たい記憶
これはわたしの奥底に眠る
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ガバッ!!!
「ハッ……ハッ…ハッ………」
ピピ、ピピ、ピピピピピ、カチッ
息を整えながら6時にセットされた目覚まし時計を数秒見つめ、私は手を伸ばした。両手を見ると微かに震えていて身体も冷や汗でびっしょりだった。
最悪な目覚め…
何か悪い夢をみたのだろうが、起きた時にはどんな夢だったのか全く覚えていなかった。小さなため息をつくとベットから身体を無理やり起こし、洗面所へと向かった。
今日から再スタートだというのに幸先が悪い。私はまたため息をついた。
『藍白(あいじろ) 名前です。家の都合で引っ越してきました。…………よろしくお願いします』
担任が黒板に書いた簡単な自己紹介内容を見ながら答える。他にも趣味や好きな食べ物、好きな教科などの内容が書いてあったが、最後に書かれたクラスへの一言まで飛ばし自己紹介を終える。
緊張というより全て答えるのが面倒だった。シーンと静まる教室に担任のため息だけが聞こえた。
今日は転校初日。
家の都合というのは、半年前に私を育ててくれた祖母が亡くなり、遺産目当ての親戚から逃げるため遠い空座町に越してきた。大好きだった祖母と住んでいた場所を離れるのは嫌だったけど、彼らに付き纏われるよりはましだ。
これで、やっと平凡で静かな毎日が過ごせる。
担任に案内された席へ向かおうとした時……ガタッ!と椅子が倒れる音がして、私もクラスメイトの視線も自然と音のした方へ向く。
「お前…俺と会ったことあるか?」
『ありません』
私の顔を見て動揺したような様子の派手髪の生徒。
一瞬驚いたけど、思い返しても彼と会った記憶などない。それにあの派手髪なら、どこかですれ違っていてたら記憶の片隅にあるだろう。
つまり彼の人違い。
静かだった教室はドッ!と生徒たちの笑い声で賑やかになり、私の待ち望んでいた静かな学校生活が今日で終わった。
派手なオレンジ色の頭、初対面相手にお前呼び、失礼極まりない。そしてわたしの平凡を壊した男。最低な男。それが彼の第一印象だった。
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