第3話 出会い
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(銀時side)
※菫を送り届けた後
「たでーまー」
「銀さんおかえりなさい。また今日も楓さんのところですか?」
出迎えたのは新八だった。どうやら神楽は定春の散歩に出かけているらしい。新八のやつ、チェリーのくせに目敏く楓ちゃんとのことを聞いてきやがる。
「べっつに〜?今日は出先で依頼が入ったから、寄ってねえも同然よ」
「そうなんですか?それは残念でしたね。依頼どうだったんですか?」
「まあ成功だな。後日お礼に来るってよ」
今日出会った女は変わったやつだった。生まれも育ちも江戸だってのに、江戸のことをほとんど知らなかった。
どんな世間知らずの箱入り娘かと思ったが、意外とこれが面白い女で、案外悪くねえ一日だった。
新八に依頼内容を話すと、楓さんからシフトチェンジですか?と聞かれたが、俺はあくまで楓ちゃん一筋だ。
「ん?そういや…あの屋敷の表札に"土方"って書いてあったような…?…気の所為か」
俺は"土方"という名から連想される奴を思い出すと、急に気分が悪くなった。
「新八ィ!なんか気分悪ィからいちご牛乳もってこい!」
「なんなんですか急に。自分で持ってきてください!僕は今から洗濯物取り込むので」
新八はそう言うと、居間に俺を残して洗濯物を取りに行った。
俺はしぶしぶ寝転がっていたソファから立ち上がり、台所へ向かい冷蔵庫を開けた。
"銀さんの!"と書かれた最後のいちご牛乳の封を切り、飲み干す頃には、表札のことなどすっかり忘れていた。
続
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