孤独だった僕ら
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まただ。前を歩く銀時と晋助が言い争いをしていて、小太郎と私は呆れ顔でその後ろを着いて歩く。
ふと後ろを振り返ると、笑顔の先生がこちらを見ていた。
私はそれが気になり、三人から離れて先生の元へと走ろうとした。
「行くんじゃねえ!」
振り返るとそこには……
「晋助…?」
「なんだ」
目を覚ますと目の前には私を見つめる晋助がいた。私の顔の横に置かれた彼の掌は私の手をぎゅっと握っていた。
「そっか…晋助だったんだね、止めてくれてたの」
「何の話だ」
私の手を握っていた晋助の手を両手で握り返す。私達は自然と向き合う体勢になり、晋助は空いた腕で私を抱き寄せ、額にキスを落とした。
「私、もしかして死後の世界に呼ばれてたのかも」
「なぜそう思う」
「夢でね、先生が迎えに来たんだけど、毎回止めてくれる人がいて。それが晋助だったっていうの今知ったの」
「…そうか」
晋助は唇にキスを落とすと、さらに強く私を抱きしめた。
「…お前は死ぬなよ、これから先も…」
「うん、死なないよ。遺される苦しみを知ってるから」
あの夢の中で先生が私に伝えようとしてくれたことは、きっと昔私に言ってくれたことだと思う。
「晋助、貴方は一人じゃない。私が貴方の帰る場所になるから」
晋助はそれを聞くとフッと笑みを零した。しばらく晋助の腕の中でじっとしていると、頭上から寝息が聞こえ始めた。
私はその寝息を子守唄に眠りについた。
夜明けまであと少し、このままで。
(END)
→あとがき