第1話 仮初
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あの土方様と…
仮初
「結婚…」
兼ねてより憧れていた真選組副長の土方十四郎様。私には手の届かないお方と思っていた。
いつもご活躍を遠くで眺めるだけ。
大捕物があれば、次の日はテレビに張り付いて拝見していた土方様との突然の結婚。
聞くところによると父上の計らいらしいが、詳しいことはよく知らないまま。
結納も済ませ、あれよあれよという間に婚姻の議が始まった。
白無垢を着た私の隣には既に、紋付袴を着た土方様がいらっしゃった。
初めてお会いするけれど、やはり素敵なお方。
近くで話すお年寄りたちの会話を耳に挟みながら、私は土方様をチラリと見た。土方様は外を見つめていた。
「…今日は雨でございますね」
土方様は少し間を置いて、ああと一言答えた。
婚姻の議も済み、ついに夫婦での初めての夜。
わたしは既に湯浴みを終え、寝所に来ていた。
もちろんわたしに男性の経験はなかったが、土方様と共に夜を過ごせることを心待ちにしていたのだ。
そこへ湯浴みを終えた土方様がいらっしゃり、寝床へ着く前に部屋の電気を消し、傍にある灯篭に火を灯した。
そしておもむろに寝床に座ると、アンタに話しておきてえことがある、と言い出し、次の瞬間とんでもないことを口にした。
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