手向けの華
暗い階段を降りていく。
どれだけ咎められるかわからない。それでも貴方を置いて行くなんて出来なかった。
二日前、訪れた場所は鍵が開いていた。あの時は頑丈に閉まっていたのに。
私はそっと中に入る。
蒙恬くんは二日前と変わらず、眠っているようだった。だから今度も声をかければ起きてくると思った。
「蒙恬くん」
蒙恬くんが起きる気配はない。
「…ねぇ、蒙恬くん、私だよ」
やはり返事はなかった。
蒙恬くんの手元にあったそれを取れば、中身はもうなかった。
「…っ」
音が出る事も気にせず、私は地面にその小瓶を叩きつけた。硝子が割れて破片が溢れた。
「…こんなもの…」
物持ちが良いと言われた私がこんな事をしたのは初めてだった。だって、貴方の命を奪ったそれに怒りを覚えたから。
「…待っててね、蒙恬くん」
私は地下牢から出て、近くの花畑を訪れた。
まだわずかに咲いている白詰草で花冠を作った。秋にもなれば、花は枯れてくる。それと薔薇の花を数輪に、赤い彼岸花を1輪積んだ。
そして私は地下牢へと戻った。
「…ただいま、蒙恬くん」
そっと花冠を被せた。周りには薔薇を添えた。そして手に赤い彼岸花を持たせてあげた。
最後に私は、蒙恬くんの頰に口付けを落とした。
「…綺麗だよ、蒙恬くん」
咲く時から散る時まで、花は美しく。
どれだけ咎められるかわからない。それでも貴方を置いて行くなんて出来なかった。
二日前、訪れた場所は鍵が開いていた。あの時は頑丈に閉まっていたのに。
私はそっと中に入る。
蒙恬くんは二日前と変わらず、眠っているようだった。だから今度も声をかければ起きてくると思った。
「蒙恬くん」
蒙恬くんが起きる気配はない。
「…ねぇ、蒙恬くん、私だよ」
やはり返事はなかった。
蒙恬くんの手元にあったそれを取れば、中身はもうなかった。
「…っ」
音が出る事も気にせず、私は地面にその小瓶を叩きつけた。硝子が割れて破片が溢れた。
「…こんなもの…」
物持ちが良いと言われた私がこんな事をしたのは初めてだった。だって、貴方の命を奪ったそれに怒りを覚えたから。
「…待っててね、蒙恬くん」
私は地下牢から出て、近くの花畑を訪れた。
まだわずかに咲いている白詰草で花冠を作った。秋にもなれば、花は枯れてくる。それと薔薇の花を数輪に、赤い彼岸花を1輪積んだ。
そして私は地下牢へと戻った。
「…ただいま、蒙恬くん」
そっと花冠を被せた。周りには薔薇を添えた。そして手に赤い彼岸花を持たせてあげた。
最後に私は、蒙恬くんの頰に口付けを落とした。
「…綺麗だよ、蒙恬くん」
咲く時から散る時まで、花は美しく。