希望のしるべ
〜暑い夜は〜
「夜なのに暑いね…。なかなか眠れないと大変だし、私が蒙恬くんにうちわをあおいであげる」
小夜はパタパタとうちわをあおぎ始めた。
「手、疲れない?それに、小夜ちゃんも汗かいてるよ」
蒙恬は気遣うように小夜を覗き込む。
「あ、バレちゃったか。私汗っかきなんだよね」
「…嘘つき。昼間は今よりもっと暑かったのに汗なんてかいてなかったよ」
「あはっ、やっぱり蒙恬くんには隠せないか」
少し気恥ずかしそうな小夜。
「汗かいてるのは僕に向けてうちわあおいでるからでしょ?自分には全く風が届いてないんだろうに…」
「…そうだよ。ほんと、蒙恬くんにはかなわないね」
「無理しないでよ。そういう献身的なところ、その…好きだけどね」
「っ!?」
唐突に好きと言われて小夜の顔が真っ赤になる。
「ふふ、照れちゃってる。かわいいんだから…」
そう言って蒙恬はそっと小夜を抱きしめた。
「もうっ、その急に抱きしめるの恥ずかしいってば!…満更でもないんだけどね」
〜桜の季節〜
「日本の桜…。いつ見てもとっても綺麗だね」
「あっ、花びらついてるよ蒙恬くん。自然の髪飾り、とてもよく似合ってるね」
「えっ、ついてる?でも小夜ちゃんが褒めてくれたから、そのままにしておくね」
「ふふ。…ねぇ、蒙恬くんの今世は私が絶対幸せにしてみせるからね」
二人がこうして再会するまでの時は実に2000年以上。
だからこそあの時のような別れはしたくないと、小夜は切に願っていた。
「…そんな顔しないでよ。今僕たちは確かにここに一緒にいる。それに小夜ちゃんは僕が隣にいなくてもずっと想ってくれてた。だから僕は今も昔も幸せだよ」
「…そっか。私はいつも、ずっと…そばに居るから。これからもよろしくね」
二人はそっと手を繋いだ。
〜これって…〜
「ねぇ見て、タピオカのお店!」
「あ、本当だ」
「私ミルクティー飲みたい〜」
「小夜ちゃんが欲しがりさんだなんて珍しいね。せっかくなんだし奢ってあげるよ」
「良いの?ありがとう〜」
そうして蒙恬は小夜の代わりにタピオカミルクティーを購入した。小夜はとても嬉しそうだ。
「ミルクティー美味しい〜!タピオカもモチモチしてる〜」
「僕タピオカって飲んだ事ないな…」
「勿体ないなぁ。美味しいよ?ほらっ、奢ってくれたんだし自分も少しは飲みなよ」
いつになく積極的な小夜。
「そ、そう?じゃあ…」
ストローに口をつけてタピオカごと吸い込む。
「あ、美味しいかも」
「でしょ〜?」
と、そこで蒙恬は少し考えて気づいた。
(…これって間接キスでは!?いくら恋人とはいえ、いきなりは無法なんじゃ…)
しかし小夜は一切動じていない。
(もしかして気づいてない…?)
まぁそんな天然なところも魅力なのだからと、蒙恬はなんとか割り切ったのであった。
〜アメジストとシトリン〜
蒙恬と小夜の誕生日は近い。なので二人は何かお揃いの誕生日プレゼントをお互いにあげようということになった。それで今二人は、アクセサリーショップの天然石コーナーを見ている。
「ねぇ、私ずっと貴方にぴったりだと思ってた石があるの」
そう言って小夜は紫色の石のブレスレットを手に取った。
「…アメジストだよ。癒しのパワーがあるんだって。一番良いなって思ったのは…血を浄化して、解毒してくれるんだって」
「…小夜ちゃん…そんなにあの事引きずってるの…?」
「そりゃあ引きずるよ。私今世でも来世になっても一生忘れないと思う」
「…なんかごめんね」
「謝らないでよ。蒙恬くんは何も悪くないのに…。私は蒙恬くんを悪いものから守ってほしいって思ってる。だから、この石はぴったりでしょう?」
「自分に合うものより先に僕に合うものを見つけるって…ほんと、難儀な性格してるよね小夜ちゃんって」
そう言うと蒙恬はアメジストのアクセサリーの隣に置かれていた黄色い石のブレスレットを手に取る。
「まぁ、僕も先に小夜ちゃんに似合う石を見つけたんだけどね」
「これは…?」
「シトリンだよ。アメジストは熱されると黄色くなるんだ。小夜ちゃんの好きな色だし、どうかな?」
「…ふふ、ありがとう。元はアメジストだって…私たちが考えている事は同じだね」
二人はそのアクセサリーをお互いへのプレゼントとして買うと、それぞれ腕に付けた。
「…あとね、アメジストの石言葉ってね…『真実の愛』なんだよ」
「…!」
「そしてシトリンの石言葉は『幸福』『希望』」
「…素敵だね」
それはまるで、これまでとこれからの二人を表すかのように。
「夜なのに暑いね…。なかなか眠れないと大変だし、私が蒙恬くんにうちわをあおいであげる」
小夜はパタパタとうちわをあおぎ始めた。
「手、疲れない?それに、小夜ちゃんも汗かいてるよ」
蒙恬は気遣うように小夜を覗き込む。
「あ、バレちゃったか。私汗っかきなんだよね」
「…嘘つき。昼間は今よりもっと暑かったのに汗なんてかいてなかったよ」
「あはっ、やっぱり蒙恬くんには隠せないか」
少し気恥ずかしそうな小夜。
「汗かいてるのは僕に向けてうちわあおいでるからでしょ?自分には全く風が届いてないんだろうに…」
「…そうだよ。ほんと、蒙恬くんにはかなわないね」
「無理しないでよ。そういう献身的なところ、その…好きだけどね」
「っ!?」
唐突に好きと言われて小夜の顔が真っ赤になる。
「ふふ、照れちゃってる。かわいいんだから…」
そう言って蒙恬はそっと小夜を抱きしめた。
「もうっ、その急に抱きしめるの恥ずかしいってば!…満更でもないんだけどね」
〜桜の季節〜
「日本の桜…。いつ見てもとっても綺麗だね」
「あっ、花びらついてるよ蒙恬くん。自然の髪飾り、とてもよく似合ってるね」
「えっ、ついてる?でも小夜ちゃんが褒めてくれたから、そのままにしておくね」
「ふふ。…ねぇ、蒙恬くんの今世は私が絶対幸せにしてみせるからね」
二人がこうして再会するまでの時は実に2000年以上。
だからこそあの時のような別れはしたくないと、小夜は切に願っていた。
「…そんな顔しないでよ。今僕たちは確かにここに一緒にいる。それに小夜ちゃんは僕が隣にいなくてもずっと想ってくれてた。だから僕は今も昔も幸せだよ」
「…そっか。私はいつも、ずっと…そばに居るから。これからもよろしくね」
二人はそっと手を繋いだ。
〜これって…〜
「ねぇ見て、タピオカのお店!」
「あ、本当だ」
「私ミルクティー飲みたい〜」
「小夜ちゃんが欲しがりさんだなんて珍しいね。せっかくなんだし奢ってあげるよ」
「良いの?ありがとう〜」
そうして蒙恬は小夜の代わりにタピオカミルクティーを購入した。小夜はとても嬉しそうだ。
「ミルクティー美味しい〜!タピオカもモチモチしてる〜」
「僕タピオカって飲んだ事ないな…」
「勿体ないなぁ。美味しいよ?ほらっ、奢ってくれたんだし自分も少しは飲みなよ」
いつになく積極的な小夜。
「そ、そう?じゃあ…」
ストローに口をつけてタピオカごと吸い込む。
「あ、美味しいかも」
「でしょ〜?」
と、そこで蒙恬は少し考えて気づいた。
(…これって間接キスでは!?いくら恋人とはいえ、いきなりは無法なんじゃ…)
しかし小夜は一切動じていない。
(もしかして気づいてない…?)
まぁそんな天然なところも魅力なのだからと、蒙恬はなんとか割り切ったのであった。
〜アメジストとシトリン〜
蒙恬と小夜の誕生日は近い。なので二人は何かお揃いの誕生日プレゼントをお互いにあげようということになった。それで今二人は、アクセサリーショップの天然石コーナーを見ている。
「ねぇ、私ずっと貴方にぴったりだと思ってた石があるの」
そう言って小夜は紫色の石のブレスレットを手に取った。
「…アメジストだよ。癒しのパワーがあるんだって。一番良いなって思ったのは…血を浄化して、解毒してくれるんだって」
「…小夜ちゃん…そんなにあの事引きずってるの…?」
「そりゃあ引きずるよ。私今世でも来世になっても一生忘れないと思う」
「…なんかごめんね」
「謝らないでよ。蒙恬くんは何も悪くないのに…。私は蒙恬くんを悪いものから守ってほしいって思ってる。だから、この石はぴったりでしょう?」
「自分に合うものより先に僕に合うものを見つけるって…ほんと、難儀な性格してるよね小夜ちゃんって」
そう言うと蒙恬はアメジストのアクセサリーの隣に置かれていた黄色い石のブレスレットを手に取る。
「まぁ、僕も先に小夜ちゃんに似合う石を見つけたんだけどね」
「これは…?」
「シトリンだよ。アメジストは熱されると黄色くなるんだ。小夜ちゃんの好きな色だし、どうかな?」
「…ふふ、ありがとう。元はアメジストだって…私たちが考えている事は同じだね」
二人はそのアクセサリーをお互いへのプレゼントとして買うと、それぞれ腕に付けた。
「…あとね、アメジストの石言葉ってね…『真実の愛』なんだよ」
「…!」
「そしてシトリンの石言葉は『幸福』『希望』」
「…素敵だね」
それはまるで、これまでとこれからの二人を表すかのように。