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恋はきらめき、繋がるは 恋慕

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百足の奴らが蔵馬の髪を撫でて…首筋に近づいていたのを、
見たのは飛影だった。

燃えさかる飛影の視線でやつらは散っていったけれど。

だからあんな激しい抱き方をしたのかもしれないけど。

…結局自分は飛影を焦がれている。

好きなのだ。


あれが最後に会ったときで。

いつの間にか、今年初めての雪が降っていた。

毛先まで、毎日手櫛を確かめていたんだよと、
頬を膨らませるしかない。


「ばか」

「だれが、馬鹿だって? 」
不意に、ミルクティーを取り上げる声がした。

振り向いた蔵馬の瞳が、輝いた。


「すぐに冷めるだろ、これだけじゃ」
マフラーの上から重なる温もり。

飛影の息が、冷たかった。それから……。

「飛影も、寒いの?」
魔界に生きる飛影でも、そんなことを考えることが、
あるのだろうか。

「俺だって、そう言うのを感じることくらいある、
冷たいのは嫌いだ」


言って重なる手のひらが、本当に氷のようだった。
人間界の寒さに慣れていて、魔界の寒さなんて忘れていた、
蔵馬は。そのことに、口を噤んだ。


「俺だって、暖めてほしいときくらいある」
…それに。

「雪が降った。あっちにも」
「魔界にも……」
「お前が、行きたがっていたのを思い出した」


あっと、蔵馬が声を出すと、それは白く溶けた。


「行ってくれるの?」
「行くつもりで、来たんだが」


ありがとう、ありがとう。
蔵馬は、飛影の指を抱いた。
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