夢幻 震える夜を溶かしてよ
と、びくっと蔵馬の体が跳ねた。
中心が、感じている。
感じているのは、飛影も同じだった。
すっと下に手をやり、指でそれをつついてみる。
「はっ-!」
驚いたような声が上がる。
湯で指を濡らして、そうっと中に入れる。
「あ、あんっ」
蔵馬は、はっとして、口を手で塞ぐ。
飛影は、濡れたまま腰でたくなっているシャツを、
ゆっくりと全部取り去って
床に投げた。
「あ、んぅ…」
シャツで気づかなかったが、腰の辺りはしっかりと
火照っていて、甘い熱を帯びていた。
「正直になれよ」
言うと、一気に指を増やす。
「ああ--っ!」
上を向いて喘ぐ様子に、クラクラする。
そのまま、中心に口づけをする。
「やっ、あの…」
「消してやると、言っただろう」
壁に蔵馬の背を押し付けると、蔵馬の中心を手にとって、きつく吸い上げてみる。
「んうっ!」
どこを吸われたらいいか、知られている。
飛影だけが、知っている。
強弱をつけ、わざと音を立ててみる。
「はっ…あ、あんっ…」
一気に梳くと、熱い液が零れ落ちた。
激しい脈を打って、蔵馬の瞳から涙が溢れた。
ごくんと、飛影の喉が鳴った。
飛び散ったのは、一体何の雫だろう。
蔵馬の羞恥に、隙が生まれた。
「やっ!」
高い声が上がった。さらに足を開かれて、もがこうとする。
「じっとしていろ」
「あ…」
見詰められて、逆らえるはずが無かった。
飛影の瞳の奥にある熱が、熱い。
熱い。
射貫かれるようで、激しくて、胸の奥まで貫かれそうだ。
大人しくなった蔵馬を見て、飛影は小さく言った。
「良い、子だ」
そして、一気に、抱き締めるように貫いた。
-俺が、全て消してやる。
-離さないで。
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