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「どうした」
はっとして振り向いたら、そこには上司が居た。
「躯」

「何を眺めている」
要塞の一番高いところで佇んでいる飛影に、躯は近づいた。

「お前は強くなった」
飛影の返事を待たずに、切り出した。
「--」

それを無視して、飛影は第三の目を閉じる。
…中には、形をとらない、ただ曖昧なあの妖気だけが 漂っている。
逞しくなった右腕を少し見詰めて、躯は口を開いた。
「だが、まだ焦りが見える」
「貴様…」
殴りそうになった手をあっさり受け止めて止めると、くすくす
笑いながら続けた。


ーーまだ子どもだ
「焦りでは強さを極められん」
瞳に真剣さが宿る。
「冷静な強さを持て」

何に気づいているのか、それだけを言って去っていく。
ちらっとそれを見詰めて、飛影はまた遠くを見た。


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