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ーーだから、来たくなかった。

分かっている。今は逃げられないことなど。



温室庭園に篭ると、鍵を掛けて座り込む。
このままここにいたら。
…いなくてはいけないのだろうか。
ぼんやりと、頭の片隅でそんな事を思う。

花の甘い香りは少しだけ心を癒してくれる。
手にとってそのまま握り締めると、慰めるかのように、花が揺れた。

薄い紫色は、暖かい色だ。

しゃがみこんでそのまま眠りに入る。



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