キスのお味は
空欄の場合は「なまえ」になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いつからこうしていただろうかとぼんやりとした頭で思考する。
……そうだ、確か私は先輩の部屋に呼ばれて部屋に入ったばかりのはずだ。
にもかかわらず何故か今私はキスされている。
やけに他人事なのも突然だったのだから致し方ないのではなかろうか。
見開いた視界に映るのは私とは違うチョコレート色の肌と伏せられて隠れてしまったアイスグレーの瞳。
首や背をかがめてきつい姿勢でいるだろうにも関わらずしっかり腰と後頭部に回った先輩の手により逃げることも出来そうにもない。
諦め半分に目を伏せ、身を任せてみた。
最初は可愛らしく触れるだけだったものが段々と食むものに変わり、後頭部にあった手はするすると居場所を変え頬や耳から顎にかけてを撫でるように行き来する。
途端に下唇を吸われ、体が跳ねた驚きで目を見開いたら彼も熱っぽい瞳で私を見ていた。
出過ぎている"男"としての色気があまりにも目に毒だ。
頬に熱が集まるのを感じ、恥ずかしくなってギュッと目を閉じた。
吸われた所を彼の熱っぽい舌が撫でていく。
恐らく彼は口を開けという意図を持たせているのだろう。
黙って唇を堪能していた彼もついぞ焦れたのだろうか、急かすように彼の犬歯が唇に突き立てられ甘噛みされた。
私に焦らす意図は全くなかったのだが叱るようでいて拗ねたような行動に少し可愛いと思ってしまった。
既に毒されているのだ。
私が頑なに口を開けないことを察した彼が噛むのをやめ、眉間に皺を寄せ不満そうに食む唇の感覚に身を任せている。
あぁ、融けそうだ。
今居るスカラビアの気候のせいだけじゃない。
目の前の男が伝えてくる熱は暴力のようでもあり麻薬のようでもある。段々と力が抜け、息が上がっていく。
刹那、顎を掴まれグッと上に向けさせられた。
ぼーっとしていた為つい反応が遅れた、しまったと思った時にはもう遅い。
さっきまで耳の辺りにあった手がいつの間にか頬の横にまで戻ってきていてグイッと唇を割られる。
親指と一緒に入り込んできた舌に体が大袈裟に跳ねる。
目を開くとこれでもかと、したり顔をしている悪い男が鼻で笑った。
あ、これはヤバいやつだ、と直感した瞬間ゾワッと鳥肌が立った。
ただでさえうるさい心臓の音が更に大きく早鐘のように鳴る。
こうなったときの彼は凄まじくねちっこくて意地が悪いのだ。
逃げなくてはと彼の胸を押すが力が入らない上に抱き締められる腕が更にきつくなるだけ。
ダメだ、みすみす逃がしてくれる訳が無い。
弱々しく押していた手を掴まれ彼の首に回すように移動させられる。
これではまるで私が求めているようじゃないかと心の中で悪態をつくが、しかし気を損ねさせてしまったらあとで自分が泣く羽目になることを理解しているので大人しく首に腕は回しておいた。
そんなことをしている間にすっかり深くまで舌の侵入を許してしまった。
合わさった唇から生々しい水音と吐息が鳴り、逃げていた舌がすくうように絡め取られた。
スパイスのピリッとしたような風味が伝わってきて今日はカレーにしたのかななんて色気の欠片もないことを考えた。
思考を関係ないものに持っていかないとこのままではグズグズになるまで弄ばれた後に食われてしまう気がしたからだ。
舌を吸われながら甘噛みされてつい鼻にかかる声が漏れる。
出ないように堪えているのに。
きっと彼に集中してないことに気づかれてしまったのだろう、何もかもが逆効果でしかない。
伺うようにそろりと片目を開けたらすっかり瞳孔の開いた目と合ってしまった。
さながら獲物を捕食する肉食動物のそれだ。
とっくに抑えきれなくなって漏れ続けていた鼻にかかる声に気を良くしたのかうっそりと目が細められていく。
トロトロに蕩けてしまっているであろう目を逸らすことも隠すことも出来ずただ見つめ合っていた。
瞳の表面が潤み、揺れてまともに見えなくなってきて脳が危険信号を送っているのにもういっそのことまるごと食べられてしまいたい、そんな感覚に陥る。
絡めとられてすっかり彼のテリトリーになってしまった自分の舌を舌先でチロチロと擽られたと思えばすぐまた絡められ、甘い声が漏れるのを抑えられる気配すらない。
舌が解放されたと思えば上顎を舌先で擦られ、全く予測がつかない動きに体が容易に跳ねてしまう。
口腔内を余すことなく丹念に舐められ身体中の毛が逆立つかのようなゾワゾワとした感覚が正直たまらなく気持ちがいい。
溢れそうになった2人分の唾液を上から押し込まれるように送られ、考える間もなく嚥下する。
味なんてないのに甘く感じる。
ほんのり光っている彼の目が"いい子だ"と褒めるかのように細められた。
こりゃお手上げだ。かないっこない。
こちらも口内を這い回る舌に応えるように絡めたら待ってましたと言わんばかりに腰をぐっと更に引き寄せられ、顔を更に傾け唇ごと食われてしまうような一切の隙間がない激しいキスに変わった。
お互いの吐息すらも交換して夢中になってお互いの唾液を混ぜるように舌を絡め合うのがたまらなく気持ちがいい。
徐々に震え始める足腰にどうにか力を入れて耐えるがそう長く続くわけもなく、膝と腰が抜けカクンと折れそうになったが、腰に回っていた彼の手が支えてくれて崩れずに済んだ。
ふいに抱き上げられた。
所謂お姫様抱っこというやつだ。
すっかり赤みを増して艶やかになった彼の唇と私をを繋ぐ糸をこちらに見せつけるよう挑発的に舐めとるだけして何も言わず彼はゆっくり部屋の奥に足を進める。
こちらは腰が砕け散ってしまっているので肩の辺りにしがみついて顔を埋め上がった息を整えるので精一杯だ。
静かにくつくつと笑っているのが聞こえるが、力が入らなくて息も絶え絶えで悔しいが仕返しは愚か言い返すことすら出来ない。
あっという間にベッドについてしまった。
横たえられると思っていたのに彼はベッドのヘッドボードに背中を預け開き気味に胡座をかいた足の間に抱き抱えた向きのまま私を下ろした。
背中には彼の手が回されているし足は両方彼の腿の上に乗せられているからおしりだけベッドに付いただけのようなものだ。
ここでようやく彼が口を開いた。
「我慢が効かない男ですまないな。」
全く悪いとは思ってないだろう、と言うのは心に仕舞って答える。
「いや、びっくりはしましたけど」
「けど?」
「言わせるんですか?」
「じゃあ嫌だったのか?」
その答えは知っているだろうに、彼の口角がつり上がってわざわざ答えるよう促される。
「先輩はわかっているでしょ。なので言わないです」
「へぇ、俺の事を愛して止まないくせに随分と冷たいんだな。して欲しいと言うならさっきよりももっととびきりに快いキスをしてやれるのに。残念だ。」
この男、残念だなんて微塵に思っていない上に私が彼のするキスに弱くて好きなのを知っているのだ。
器用だからなのかはわからないがあんな蕩けるキスが出来るのは彼以外に居ないのではないか。
悔しいが火をつけられた以上したくないわけが無い。
もう理性は残り僅か。
彼が舌を這わせるその唇に釘付けだ。
正直今すぐにでも噛みつきたい。
「じゃあこうしよう。君からさっきのキスの続きをしてくれればいい。」
それも恥ずかしいものではあるが仕方あるまい。
ふぅと一息ついてそのままの勢いのまま、ええいままよ!と唇に噛み付いた
だが彼はうっすらと笑いながらこちらを見ているだけ。
まだ足りないの?!これ以上は自分の顔の綺麗さを理解してくれ。
砂になりそう。もう心臓と子宮が疼いて痛い。
とはいえこれ以上譲ってくれそうにない。
覚悟を決めて両手で彼の頬を挟み唇をぴったりとつけたが理性が剥がれた状態ではもう頭が働かずどう進めていいのか分からなくてすっかりパニック。
堪えきれずに笑っている彼を叩いて、半泣きのままねぇ、とだけ抗議したら唇を開けて絡めやすいよう舌も少し出してくれた。
彼の目も溶け、欲しそうにしているのがあまりにも扇情的で時間も忘れるように吸い込まれ、どろどろに溶け合うように貪り合った。
'20/06/06 公開
'20/02/26 加筆修正 再掲
……そうだ、確か私は先輩の部屋に呼ばれて部屋に入ったばかりのはずだ。
にもかかわらず何故か今私はキスされている。
やけに他人事なのも突然だったのだから致し方ないのではなかろうか。
見開いた視界に映るのは私とは違うチョコレート色の肌と伏せられて隠れてしまったアイスグレーの瞳。
首や背をかがめてきつい姿勢でいるだろうにも関わらずしっかり腰と後頭部に回った先輩の手により逃げることも出来そうにもない。
諦め半分に目を伏せ、身を任せてみた。
最初は可愛らしく触れるだけだったものが段々と食むものに変わり、後頭部にあった手はするすると居場所を変え頬や耳から顎にかけてを撫でるように行き来する。
途端に下唇を吸われ、体が跳ねた驚きで目を見開いたら彼も熱っぽい瞳で私を見ていた。
出過ぎている"男"としての色気があまりにも目に毒だ。
頬に熱が集まるのを感じ、恥ずかしくなってギュッと目を閉じた。
吸われた所を彼の熱っぽい舌が撫でていく。
恐らく彼は口を開けという意図を持たせているのだろう。
黙って唇を堪能していた彼もついぞ焦れたのだろうか、急かすように彼の犬歯が唇に突き立てられ甘噛みされた。
私に焦らす意図は全くなかったのだが叱るようでいて拗ねたような行動に少し可愛いと思ってしまった。
既に毒されているのだ。
私が頑なに口を開けないことを察した彼が噛むのをやめ、眉間に皺を寄せ不満そうに食む唇の感覚に身を任せている。
あぁ、融けそうだ。
今居るスカラビアの気候のせいだけじゃない。
目の前の男が伝えてくる熱は暴力のようでもあり麻薬のようでもある。段々と力が抜け、息が上がっていく。
刹那、顎を掴まれグッと上に向けさせられた。
ぼーっとしていた為つい反応が遅れた、しまったと思った時にはもう遅い。
さっきまで耳の辺りにあった手がいつの間にか頬の横にまで戻ってきていてグイッと唇を割られる。
親指と一緒に入り込んできた舌に体が大袈裟に跳ねる。
目を開くとこれでもかと、したり顔をしている悪い男が鼻で笑った。
あ、これはヤバいやつだ、と直感した瞬間ゾワッと鳥肌が立った。
ただでさえうるさい心臓の音が更に大きく早鐘のように鳴る。
こうなったときの彼は凄まじくねちっこくて意地が悪いのだ。
逃げなくてはと彼の胸を押すが力が入らない上に抱き締められる腕が更にきつくなるだけ。
ダメだ、みすみす逃がしてくれる訳が無い。
弱々しく押していた手を掴まれ彼の首に回すように移動させられる。
これではまるで私が求めているようじゃないかと心の中で悪態をつくが、しかし気を損ねさせてしまったらあとで自分が泣く羽目になることを理解しているので大人しく首に腕は回しておいた。
そんなことをしている間にすっかり深くまで舌の侵入を許してしまった。
合わさった唇から生々しい水音と吐息が鳴り、逃げていた舌がすくうように絡め取られた。
スパイスのピリッとしたような風味が伝わってきて今日はカレーにしたのかななんて色気の欠片もないことを考えた。
思考を関係ないものに持っていかないとこのままではグズグズになるまで弄ばれた後に食われてしまう気がしたからだ。
舌を吸われながら甘噛みされてつい鼻にかかる声が漏れる。
出ないように堪えているのに。
きっと彼に集中してないことに気づかれてしまったのだろう、何もかもが逆効果でしかない。
伺うようにそろりと片目を開けたらすっかり瞳孔の開いた目と合ってしまった。
さながら獲物を捕食する肉食動物のそれだ。
とっくに抑えきれなくなって漏れ続けていた鼻にかかる声に気を良くしたのかうっそりと目が細められていく。
トロトロに蕩けてしまっているであろう目を逸らすことも隠すことも出来ずただ見つめ合っていた。
瞳の表面が潤み、揺れてまともに見えなくなってきて脳が危険信号を送っているのにもういっそのことまるごと食べられてしまいたい、そんな感覚に陥る。
絡めとられてすっかり彼のテリトリーになってしまった自分の舌を舌先でチロチロと擽られたと思えばすぐまた絡められ、甘い声が漏れるのを抑えられる気配すらない。
舌が解放されたと思えば上顎を舌先で擦られ、全く予測がつかない動きに体が容易に跳ねてしまう。
口腔内を余すことなく丹念に舐められ身体中の毛が逆立つかのようなゾワゾワとした感覚が正直たまらなく気持ちがいい。
溢れそうになった2人分の唾液を上から押し込まれるように送られ、考える間もなく嚥下する。
味なんてないのに甘く感じる。
ほんのり光っている彼の目が"いい子だ"と褒めるかのように細められた。
こりゃお手上げだ。かないっこない。
こちらも口内を這い回る舌に応えるように絡めたら待ってましたと言わんばかりに腰をぐっと更に引き寄せられ、顔を更に傾け唇ごと食われてしまうような一切の隙間がない激しいキスに変わった。
お互いの吐息すらも交換して夢中になってお互いの唾液を混ぜるように舌を絡め合うのがたまらなく気持ちがいい。
徐々に震え始める足腰にどうにか力を入れて耐えるがそう長く続くわけもなく、膝と腰が抜けカクンと折れそうになったが、腰に回っていた彼の手が支えてくれて崩れずに済んだ。
ふいに抱き上げられた。
所謂お姫様抱っこというやつだ。
すっかり赤みを増して艶やかになった彼の唇と私をを繋ぐ糸をこちらに見せつけるよう挑発的に舐めとるだけして何も言わず彼はゆっくり部屋の奥に足を進める。
こちらは腰が砕け散ってしまっているので肩の辺りにしがみついて顔を埋め上がった息を整えるので精一杯だ。
静かにくつくつと笑っているのが聞こえるが、力が入らなくて息も絶え絶えで悔しいが仕返しは愚か言い返すことすら出来ない。
あっという間にベッドについてしまった。
横たえられると思っていたのに彼はベッドのヘッドボードに背中を預け開き気味に胡座をかいた足の間に抱き抱えた向きのまま私を下ろした。
背中には彼の手が回されているし足は両方彼の腿の上に乗せられているからおしりだけベッドに付いただけのようなものだ。
ここでようやく彼が口を開いた。
「我慢が効かない男ですまないな。」
全く悪いとは思ってないだろう、と言うのは心に仕舞って答える。
「いや、びっくりはしましたけど」
「けど?」
「言わせるんですか?」
「じゃあ嫌だったのか?」
その答えは知っているだろうに、彼の口角がつり上がってわざわざ答えるよう促される。
「先輩はわかっているでしょ。なので言わないです」
「へぇ、俺の事を愛して止まないくせに随分と冷たいんだな。して欲しいと言うならさっきよりももっととびきりに快いキスをしてやれるのに。残念だ。」
この男、残念だなんて微塵に思っていない上に私が彼のするキスに弱くて好きなのを知っているのだ。
器用だからなのかはわからないがあんな蕩けるキスが出来るのは彼以外に居ないのではないか。
悔しいが火をつけられた以上したくないわけが無い。
もう理性は残り僅か。
彼が舌を這わせるその唇に釘付けだ。
正直今すぐにでも噛みつきたい。
「じゃあこうしよう。君からさっきのキスの続きをしてくれればいい。」
それも恥ずかしいものではあるが仕方あるまい。
ふぅと一息ついてそのままの勢いのまま、ええいままよ!と唇に噛み付いた
だが彼はうっすらと笑いながらこちらを見ているだけ。
まだ足りないの?!これ以上は自分の顔の綺麗さを理解してくれ。
砂になりそう。もう心臓と子宮が疼いて痛い。
とはいえこれ以上譲ってくれそうにない。
覚悟を決めて両手で彼の頬を挟み唇をぴったりとつけたが理性が剥がれた状態ではもう頭が働かずどう進めていいのか分からなくてすっかりパニック。
堪えきれずに笑っている彼を叩いて、半泣きのままねぇ、とだけ抗議したら唇を開けて絡めやすいよう舌も少し出してくれた。
彼の目も溶け、欲しそうにしているのがあまりにも扇情的で時間も忘れるように吸い込まれ、どろどろに溶け合うように貪り合った。
'20/06/06 公開
'20/02/26 加筆修正 再掲
1/1ページ