【14章】誘拐
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名前の病室を出てエレベーターに乗り込んだ。
俺が1階のボタンを押そうとするより先に、男は3階のボタンを押した。
「では、次は爆豪くんの病室に・・・」
「はい?爆豪は関係ないでしょう」
「関係ないかどうかは私が判断しますので」
何を聞くつもりなんだ。
ああ見えて爆豪は名前のことを買っている。
あいつの頭のキレの良さに賭けて、不利な発言をしないよう祈るしかなかった。
********
大した怪我もないのにベッドに寝転がるのは退屈だった。
明日にはここを出られる。
こんなところに缶詰されてる方が病気になりそうだわ。
俺はテレビを見なかった。
何をつけてもオールマイトの最後の姿しか映っていないからだ。
俺が終わらせた男の最後の姿なんて見たくなかった。
「くそっ・・・」
どこでどうすれば良かったのだろうか。
一人でいると考えたくないことまで考えてしまうので、一度名字の元に行こうとしたが、病室の番号を教えてもらえなかった。
なぜなんだと食い下がったが「教えられない」の一点張り。
俺は死柄木と名字の会話を思い出した。
中途半端に情報を得てしまった今、気になって仕方がない。
「何者なんだ・・・」
名字の顔を思い浮かべたその時、病室のドアがノックされた。
「はい」
応答するとガラリと扉が開いた。
入ってきたのは相澤先生と、見知らぬ男だった。
「こんにちは」
挨拶に対して俺は小さく頭を下げた。
「国家安全対策部の方で、今回の件で話が聞きたいそうだ。体調は大丈夫か」
国家安全対策部?
あの敵連合に対してそこまでの脅威を感じているということか。
そう思ったが、相澤先生の目は俺に何かを訴えかけているようだった。
「うす」
「ありがとう。じゃあ、早速・・・」
男はボイスレコーダーを取り出した。
********
相澤先生の表情の意味が分かった。
敵連合の質問かと思いきや、先ほどから名字に関する質問が多かった。
「彼女とは捕まってからずっと一緒だった?」
「ああ」
「君が気を失っていた時間とかない?」
「ねぇよ」
「別室に連れていかれたとか」
首を横に振った。
「じゃあ、例えば君には分からない言葉のやり取りとか・・・」
「あいつ疑ってんのか?」
「あくまでも可能性だよ」
目の前のこいつは名字を敵連合の仲間ではないかと疑っていることを確信した。
「それを言うなら逆の可能性もあるだろ。俺が名字を手引きした」
「それはどうだろう。敵連合の狙いが爆豪くんだと先に露呈したじゃないか。でも彼女はあくまでもおまけで付いてきてしまったという扱いだ。それがそもそも本当なのか」
「死柄木は俺から名字に興味を移して敵連合に勧誘してた」
「それもパフォーマンスかも」
確かに名字が特別な存在であることは俺自身も疑っていた。
それに死柄木の言葉でほぼそれは確信に変わっている。
何者かは分からないが、一つだけはっきりしていることがある。
「俺はあいつに助けられた。それだけは憶測でも何でもねぇ事実だ」
助けられたなんてプライドが邪魔して認められなかった。
しかし一度認めてしまえば楽なもんで。
あいつが・・・
「敵なわけねぇだろッ!」
俺が1階のボタンを押そうとするより先に、男は3階のボタンを押した。
「では、次は爆豪くんの病室に・・・」
「はい?爆豪は関係ないでしょう」
「関係ないかどうかは私が判断しますので」
何を聞くつもりなんだ。
ああ見えて爆豪は名前のことを買っている。
あいつの頭のキレの良さに賭けて、不利な発言をしないよう祈るしかなかった。
********
大した怪我もないのにベッドに寝転がるのは退屈だった。
明日にはここを出られる。
こんなところに缶詰されてる方が病気になりそうだわ。
俺はテレビを見なかった。
何をつけてもオールマイトの最後の姿しか映っていないからだ。
俺が終わらせた男の最後の姿なんて見たくなかった。
「くそっ・・・」
どこでどうすれば良かったのだろうか。
一人でいると考えたくないことまで考えてしまうので、一度名字の元に行こうとしたが、病室の番号を教えてもらえなかった。
なぜなんだと食い下がったが「教えられない」の一点張り。
俺は死柄木と名字の会話を思い出した。
中途半端に情報を得てしまった今、気になって仕方がない。
「何者なんだ・・・」
名字の顔を思い浮かべたその時、病室のドアがノックされた。
「はい」
応答するとガラリと扉が開いた。
入ってきたのは相澤先生と、見知らぬ男だった。
「こんにちは」
挨拶に対して俺は小さく頭を下げた。
「国家安全対策部の方で、今回の件で話が聞きたいそうだ。体調は大丈夫か」
国家安全対策部?
あの敵連合に対してそこまでの脅威を感じているということか。
そう思ったが、相澤先生の目は俺に何かを訴えかけているようだった。
「うす」
「ありがとう。じゃあ、早速・・・」
男はボイスレコーダーを取り出した。
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相澤先生の表情の意味が分かった。
敵連合の質問かと思いきや、先ほどから名字に関する質問が多かった。
「彼女とは捕まってからずっと一緒だった?」
「ああ」
「君が気を失っていた時間とかない?」
「ねぇよ」
「別室に連れていかれたとか」
首を横に振った。
「じゃあ、例えば君には分からない言葉のやり取りとか・・・」
「あいつ疑ってんのか?」
「あくまでも可能性だよ」
目の前のこいつは名字を敵連合の仲間ではないかと疑っていることを確信した。
「それを言うなら逆の可能性もあるだろ。俺が名字を手引きした」
「それはどうだろう。敵連合の狙いが爆豪くんだと先に露呈したじゃないか。でも彼女はあくまでもおまけで付いてきてしまったという扱いだ。それがそもそも本当なのか」
「死柄木は俺から名字に興味を移して敵連合に勧誘してた」
「それもパフォーマンスかも」
確かに名字が特別な存在であることは俺自身も疑っていた。
それに死柄木の言葉でほぼそれは確信に変わっている。
何者かは分からないが、一つだけはっきりしていることがある。
「俺はあいつに助けられた。それだけは憶測でも何でもねぇ事実だ」
助けられたなんてプライドが邪魔して認められなかった。
しかし一度認めてしまえば楽なもんで。
あいつが・・・
「敵なわけねぇだろッ!」
