【14章】誘拐
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名前と爆豪の無事が確認でき、学校での対応が終わり次第向かうことにした。
退院するまでの間、病室はプロヒーローと警官が警備することになった。
人数配置を尋ねると明らかに名前の病室の方が手厚い。
名前だけ最上階の角部屋ときたもんだからあからさまだ。
警備は建前で名前の監視が目的だろう、と心の中で舌打ちをした。
睡眠時間を最小限まで削り、業務にあたったが病院を訪ねるまでに少し時間が開いてしまった。
「相澤くん。ちょっといいかな」
「何でしょう」
校長に呼ばれ、校長室に入るとガチャリと鍵がかけられた。
「明日、名字さんの病室に行く予定だよね?」
「はい」
「実は彼女から話が聞きたいと言われているんだ」
「役人ですか・・・」
「そうだね。相澤くんの同席を条件にしたからよろしく頼むよ」
「分かりました」
********
「今日はどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ。遠いところからわざわざどうも」
役人相手に言える精一杯の嫌味だった。
しかしそんな嫌味は伝わっているのかいないのか、にこりと胡散臭い笑みを返された。
「相澤先生の報告書はいつも読ませて頂いております。相澤先生の目から見て現状彼女に問題はないということでよろしいですか?」
「ええ」
「しかし・・・異世界から来た人間をヒーローだなんて。随分攻めた考え方をお持ちなんですね」
「敵活性化のこの時代、優秀な人間は多いに越したことないでしょう。戦闘訓練の動画見てませんか?」
「見てますとも。俊敏な動きですね・・・人間とは思えない」
嫌味だな。
隣を歩く男に視線を送った。
「しかし、今回だって彼女がいなければ爆豪救出が遅れていたかもしれない」
名前が爆豪を背中に乗せて救出している姿は、どこかの野次馬が拡散した動画で俺自身も目にした。
「そうですね」
男が相槌を打ったところで名前の病室に辿り着いた。
俺は部屋をノックした。
********
「君は施設に向かう中、爆豪くんと共に最後尾を歩いていたそうだね?どうして最後尾だったのかな?」
「一番いい陣形は爆豪くんを私達の間に入れることだったけど、彼は守られることを嫌がっていたのでせめて誰かが隣に立つべきだと思いました」
「他の子の話だと爆豪くんと君は同じガラス玉の中に閉じ込められていたそうだけど、どうしてだと思う?」
「直前まで手を繋いでいたので、敵はまとめて処理するしかできなかったんじゃないでしょうか」
「手を繋いでいた?」
「はい。爆豪くん、頭いいけどたまに衝動性に駆られる時があるので。どこかへ行ってしまわないように」
「君たちは付き合っているのかい?」
「いいえ」
「しかし、体育祭の様子を見る限り、大人しく手を繋がれるタイプじゃないと思うけど」
「私が下手に出たからじゃないですか?」
名前は目の前の男の質問に事務的に答えていった。
「爆豪くんが誘拐されるとき、どうして君もワープゲートに飛び込んだのかな?」
「そりゃ、私が行った方が助けられる可能性あるかと思って」
「いや、"普通"は逃げるかなって」
「ヒーロー候補生なら"普通"は逃げないんじゃないですか?学生の立場として正しい行動かは置いといて」
よく言った、名前。
俺は心の中でフンと鼻を鳴らした。
「敵は君を敵連合に勧誘してきたんだね?」
「はい。私の情報を少し知っている様子でした。異世界から来たことまでは掴んでないみたいだったけど」
「ふーん・・・そうか。協力ありがとう。疲れてるのにごめんね」
「いえ・・・」
男が椅子から立ち上がり、扉へと向かった。
「見送ってくる。また戻ってくるから」
名前に声を掛けると嬉しそうに頷いた。
退院するまでの間、病室はプロヒーローと警官が警備することになった。
人数配置を尋ねると明らかに名前の病室の方が手厚い。
名前だけ最上階の角部屋ときたもんだからあからさまだ。
警備は建前で名前の監視が目的だろう、と心の中で舌打ちをした。
睡眠時間を最小限まで削り、業務にあたったが病院を訪ねるまでに少し時間が開いてしまった。
「相澤くん。ちょっといいかな」
「何でしょう」
校長に呼ばれ、校長室に入るとガチャリと鍵がかけられた。
「明日、名字さんの病室に行く予定だよね?」
「はい」
「実は彼女から話が聞きたいと言われているんだ」
「役人ですか・・・」
「そうだね。相澤くんの同席を条件にしたからよろしく頼むよ」
「分かりました」
********
「今日はどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ。遠いところからわざわざどうも」
役人相手に言える精一杯の嫌味だった。
しかしそんな嫌味は伝わっているのかいないのか、にこりと胡散臭い笑みを返された。
「相澤先生の報告書はいつも読ませて頂いております。相澤先生の目から見て現状彼女に問題はないということでよろしいですか?」
「ええ」
「しかし・・・異世界から来た人間をヒーローだなんて。随分攻めた考え方をお持ちなんですね」
「敵活性化のこの時代、優秀な人間は多いに越したことないでしょう。戦闘訓練の動画見てませんか?」
「見てますとも。俊敏な動きですね・・・人間とは思えない」
嫌味だな。
隣を歩く男に視線を送った。
「しかし、今回だって彼女がいなければ爆豪救出が遅れていたかもしれない」
名前が爆豪を背中に乗せて救出している姿は、どこかの野次馬が拡散した動画で俺自身も目にした。
「そうですね」
男が相槌を打ったところで名前の病室に辿り着いた。
俺は部屋をノックした。
********
「君は施設に向かう中、爆豪くんと共に最後尾を歩いていたそうだね?どうして最後尾だったのかな?」
「一番いい陣形は爆豪くんを私達の間に入れることだったけど、彼は守られることを嫌がっていたのでせめて誰かが隣に立つべきだと思いました」
「他の子の話だと爆豪くんと君は同じガラス玉の中に閉じ込められていたそうだけど、どうしてだと思う?」
「直前まで手を繋いでいたので、敵はまとめて処理するしかできなかったんじゃないでしょうか」
「手を繋いでいた?」
「はい。爆豪くん、頭いいけどたまに衝動性に駆られる時があるので。どこかへ行ってしまわないように」
「君たちは付き合っているのかい?」
「いいえ」
「しかし、体育祭の様子を見る限り、大人しく手を繋がれるタイプじゃないと思うけど」
「私が下手に出たからじゃないですか?」
名前は目の前の男の質問に事務的に答えていった。
「爆豪くんが誘拐されるとき、どうして君もワープゲートに飛び込んだのかな?」
「そりゃ、私が行った方が助けられる可能性あるかと思って」
「いや、"普通"は逃げるかなって」
「ヒーロー候補生なら"普通"は逃げないんじゃないですか?学生の立場として正しい行動かは置いといて」
よく言った、名前。
俺は心の中でフンと鼻を鳴らした。
「敵は君を敵連合に勧誘してきたんだね?」
「はい。私の情報を少し知っている様子でした。異世界から来たことまでは掴んでないみたいだったけど」
「ふーん・・・そうか。協力ありがとう。疲れてるのにごめんね」
「いえ・・・」
男が椅子から立ち上がり、扉へと向かった。
「見送ってくる。また戻ってくるから」
名前に声を掛けると嬉しそうに頷いた。
