【14章】誘拐
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物事は思い通りに進まないものだ。
まさか敵が私の素性に迫っていたとは思っていなかった。
爆豪くんの前でベラベラと話さないで欲しい。
苛立ちを落ち着かせるために一呼吸吐いた。
もう爆豪くんに隠すのは無理だ。
そんなことよりも爆豪くんだけでも助ける。
彼は賢いが理性的に行動できるタイプではないので、ふとした時に状況が変わる可能性がある。
それに私の背景を知った以上、敵の優先順位は変わる。
だって爆豪くんより私の方が敵向きだ。
本命が爆豪くんから私に切り替わる。
思っていた通り、死柄木は爆豪くんには目もくれず、私にばかり話しかけて来る。
記者会見が中継で流れている中、ふと私の耳と鼻が反応した。
かなりの数の人間がこのビルに集まってきている。
隙をみて爆豪くんには一方的に意思を伝えた。
腑に落ちない顔をしているが、きっともう大丈夫。
死柄木はなおも演説を繰り広げ、私達を敵に勧誘しようとしてくる。
「貴方は私に何を提供してくれるの?」
そう訊ねると彼は"自由"をくれると答えた。
きっとこの世界に来たばかりの時に貴方と出会っていたら、私はそちら側に行っていただろう。
しかし私が今欲しいものはそれじゃない。
相澤さんとの時間、愛情・・・
そして人間としての身体。
そんなもの、貴方は私にくれないでしょ?
****************
予測通り、プロヒーローが集結しており、すぐに事態は片付くかと思ったが黒い物体と共に飛ばされてしまった。
「爆豪くん!」
咄嗟に手を繋いだおかげなのか、同じところに着地した。
「いってぇな」
「いたた」
オールフォーワンの仕業らしい。
オールマイトとオールフォーワンの戦闘が始まった。
私達がいるせいでオールマイトの動きが鈍い。
「爆豪くん、背中に乗って」
「んな」
「四の五の言わない!」
この場から離脱するのが最優先だ。
USJでは失敗したけど今度こそ。
私は黒翼を出し、爆豪くんを背負うと空中に浮いた。
「後ろに注意して。背中は任せたからね!」
「ああ」
一気に加速して、とにかく敵がいなくなるまで離れる。
背中に乗っているのが爆豪くんで良かった。
安心して後ろを任せられる。
爆豪くんとも将来チームアップしてみたいな。
そんなことを思った。
********
安全圏内に降り立つと、私達は手近なヒーローを探した。
ある意味有名人な私達はすぐに保護され、病院へと搬送された。
事情が事情なので私も爆豪くんも個室が用意された。
テレビでオールマイトの終焉が報じられているのを見て愕然とした。
平和の象徴の終わり。
しかし私はずっとこのオールマイトをまるで神のように讃えている人々に、薄ら寒さを感じていた。
自分の身は自分で守ってきた境遇だからか、オールマイトに頼りきりのこの世界には違和感があった。
だからほんの少しだけ、死柄木の言うことも理解してしまう自分がいた。
「良かったね」
これで少し休めるのかな。
私はテレビ越しに映る痩せこけたオールマイトに声を掛けた。
まさか敵が私の素性に迫っていたとは思っていなかった。
爆豪くんの前でベラベラと話さないで欲しい。
苛立ちを落ち着かせるために一呼吸吐いた。
もう爆豪くんに隠すのは無理だ。
そんなことよりも爆豪くんだけでも助ける。
彼は賢いが理性的に行動できるタイプではないので、ふとした時に状況が変わる可能性がある。
それに私の背景を知った以上、敵の優先順位は変わる。
だって爆豪くんより私の方が敵向きだ。
本命が爆豪くんから私に切り替わる。
思っていた通り、死柄木は爆豪くんには目もくれず、私にばかり話しかけて来る。
記者会見が中継で流れている中、ふと私の耳と鼻が反応した。
かなりの数の人間がこのビルに集まってきている。
隙をみて爆豪くんには一方的に意思を伝えた。
腑に落ちない顔をしているが、きっともう大丈夫。
死柄木はなおも演説を繰り広げ、私達を敵に勧誘しようとしてくる。
「貴方は私に何を提供してくれるの?」
そう訊ねると彼は"自由"をくれると答えた。
きっとこの世界に来たばかりの時に貴方と出会っていたら、私はそちら側に行っていただろう。
しかし私が今欲しいものはそれじゃない。
相澤さんとの時間、愛情・・・
そして人間としての身体。
そんなもの、貴方は私にくれないでしょ?
****************
予測通り、プロヒーローが集結しており、すぐに事態は片付くかと思ったが黒い物体と共に飛ばされてしまった。
「爆豪くん!」
咄嗟に手を繋いだおかげなのか、同じところに着地した。
「いってぇな」
「いたた」
オールフォーワンの仕業らしい。
オールマイトとオールフォーワンの戦闘が始まった。
私達がいるせいでオールマイトの動きが鈍い。
「爆豪くん、背中に乗って」
「んな」
「四の五の言わない!」
この場から離脱するのが最優先だ。
USJでは失敗したけど今度こそ。
私は黒翼を出し、爆豪くんを背負うと空中に浮いた。
「後ろに注意して。背中は任せたからね!」
「ああ」
一気に加速して、とにかく敵がいなくなるまで離れる。
背中に乗っているのが爆豪くんで良かった。
安心して後ろを任せられる。
爆豪くんとも将来チームアップしてみたいな。
そんなことを思った。
********
安全圏内に降り立つと、私達は手近なヒーローを探した。
ある意味有名人な私達はすぐに保護され、病院へと搬送された。
事情が事情なので私も爆豪くんも個室が用意された。
テレビでオールマイトの終焉が報じられているのを見て愕然とした。
平和の象徴の終わり。
しかし私はずっとこのオールマイトをまるで神のように讃えている人々に、薄ら寒さを感じていた。
自分の身は自分で守ってきた境遇だからか、オールマイトに頼りきりのこの世界には違和感があった。
だからほんの少しだけ、死柄木の言うことも理解してしまう自分がいた。
「良かったね」
これで少し休めるのかな。
私はテレビ越しに映る痩せこけたオールマイトに声を掛けた。
