【14章】誘拐
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「悪い、何か一緒に来ちまった」
コンプレスと呼ばれた男が死柄木に言った。
「結果オーライだ。先生がこいつに興味あるらしい」
「ちょっと、触らないでよ」
「安心しろ。5本では触らねーよ」
俺の隣で同じく椅子に縛られている名字。
きっと俺がいなければ、縛られる前に抜け出せていただろう。
自分の存在が名字の足を引っ張っていることを否が応でも感じさせられた。
「お前、一体何者だ?」
死柄木の問いに名字は答えようとしなかった。
「お前ら、俺が目的じゃなかったんかよ」
「事情が少し変わってな。お前は後だ」
攫っておいて俺には目もくれない死柄木のヤローに腹が立った。
「先生がお前のことを調べたらしい。それ、本当に個性なのか?」
「どういう意味?」
「お前の戸籍、個性登録・・・随分最近されたようだが」
「知らない」
「知らないはずないだろう。自分の事なのに」
名字はチラリと俺に視線を向けた。
「(んだよ・・・その顔)」
俺は特訓の時に見せた名字の涙を思い出した。
そうだ、俺だってずっと疑っていた。
こいつらも名字の存在を疑っている・・・?
「あの時だって、いくらヒーローの卵といえども、入学したてにしちゃ動きが良すぎた」
USJ襲撃事件のことを言っているのだろう。
「何か雄英と取引でもしてんのか・・・?」
「だったとしても貴方に関係ないでしょ?」
「いーや、大ありだ。今から俺はお前ら2人を敵連合にスカウトする」
何言ってんだ、こいつら。
そう思ったが、名字は何やら考え込んでいた。
死柄木がおもむろにつけたテレビに、相澤先生が映っていた。
記者からのフラッシュを一斉に浴びて、会見で頭を下げている。
テレビを前に持論を展開する死柄木に反吐が出そうになる。
俺のイライラは最骨頂に到達しようとしていた。
そのときコツンと#name1#の足が俺の足を叩いた。
「聞いて。さっき閉じ込められてたときに立てた作戦通り、爆豪くんを優先的に助ける」
「だからあれはっ・・・!」
「揉めている時間はない。もうじきここに助けが来る。あいつらの言う通り、私は本当の生徒じゃない。爆豪くんの言う通り私には"経験"がある」
助けが来る?
何でそんなことが分かるのだ。
「ねぇ、死柄木」
一通り持論を展開し終えた死柄木に名字が話しかけた。
「貴方達の仲間になってもいいよ。私は、生きていけるならヒーローでも敵でもどっちでもいい。貴方は一体私に何を提供してくれるの?」
「衣食住は保障しよう。あとはそうだな・・・"自由"なんかどうだ」
「自由・・・」
「ああ。お前、今教員の家に住んでいるだろう。普通の事情じゃないよなぁ・・・?」
こいつは何を言っているのだろうか。
#name1#は両親が死んで叔父に引き取られたはずでは。
しかし自由がないというのは傍目から見ても事実だった。
名字の表情を見ると、死柄木の発言が正しいことを物語っていた。
「おいっ・・・」
話が見えない。
まさか、本当に敵の仲間になるのでは。
心がざわつき、思わず声を掛けるが、名字は口元に弧を描いた。
「私が欲しいものはそれじゃない」
ボソリと呟いたその声は、近くにいた俺にしか聞こえなかっただろう。
そしてこの場に似つかわしくないピザの宅配がやってきた。
コンプレスと呼ばれた男が死柄木に言った。
「結果オーライだ。先生がこいつに興味あるらしい」
「ちょっと、触らないでよ」
「安心しろ。5本では触らねーよ」
俺の隣で同じく椅子に縛られている名字。
きっと俺がいなければ、縛られる前に抜け出せていただろう。
自分の存在が名字の足を引っ張っていることを否が応でも感じさせられた。
「お前、一体何者だ?」
死柄木の問いに名字は答えようとしなかった。
「お前ら、俺が目的じゃなかったんかよ」
「事情が少し変わってな。お前は後だ」
攫っておいて俺には目もくれない死柄木のヤローに腹が立った。
「先生がお前のことを調べたらしい。それ、本当に個性なのか?」
「どういう意味?」
「お前の戸籍、個性登録・・・随分最近されたようだが」
「知らない」
「知らないはずないだろう。自分の事なのに」
名字はチラリと俺に視線を向けた。
「(んだよ・・・その顔)」
俺は特訓の時に見せた名字の涙を思い出した。
そうだ、俺だってずっと疑っていた。
こいつらも名字の存在を疑っている・・・?
「あの時だって、いくらヒーローの卵といえども、入学したてにしちゃ動きが良すぎた」
USJ襲撃事件のことを言っているのだろう。
「何か雄英と取引でもしてんのか・・・?」
「だったとしても貴方に関係ないでしょ?」
「いーや、大ありだ。今から俺はお前ら2人を敵連合にスカウトする」
何言ってんだ、こいつら。
そう思ったが、名字は何やら考え込んでいた。
死柄木がおもむろにつけたテレビに、相澤先生が映っていた。
記者からのフラッシュを一斉に浴びて、会見で頭を下げている。
テレビを前に持論を展開する死柄木に反吐が出そうになる。
俺のイライラは最骨頂に到達しようとしていた。
そのときコツンと#name1#の足が俺の足を叩いた。
「聞いて。さっき閉じ込められてたときに立てた作戦通り、爆豪くんを優先的に助ける」
「だからあれはっ・・・!」
「揉めている時間はない。もうじきここに助けが来る。あいつらの言う通り、私は本当の生徒じゃない。爆豪くんの言う通り私には"経験"がある」
助けが来る?
何でそんなことが分かるのだ。
「ねぇ、死柄木」
一通り持論を展開し終えた死柄木に名字が話しかけた。
「貴方達の仲間になってもいいよ。私は、生きていけるならヒーローでも敵でもどっちでもいい。貴方は一体私に何を提供してくれるの?」
「衣食住は保障しよう。あとはそうだな・・・"自由"なんかどうだ」
「自由・・・」
「ああ。お前、今教員の家に住んでいるだろう。普通の事情じゃないよなぁ・・・?」
こいつは何を言っているのだろうか。
#name1#は両親が死んで叔父に引き取られたはずでは。
しかし自由がないというのは傍目から見ても事実だった。
名字の表情を見ると、死柄木の発言が正しいことを物語っていた。
「おいっ・・・」
話が見えない。
まさか、本当に敵の仲間になるのでは。
心がざわつき、思わず声を掛けるが、名字は口元に弧を描いた。
「私が欲しいものはそれじゃない」
ボソリと呟いたその声は、近くにいた俺にしか聞こえなかっただろう。
そしてこの場に似つかわしくないピザの宅配がやってきた。
