【14章】誘拐
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「さすがだな」
「え?」
爆豪くんがポツリと呟いた。
「さっきの奴、秒殺だったじゃねぇか」
「1日目は皆に迷惑掛けたから張り切っちゃった」
「・・・あん時どこ行ったんだ」
言わなきゃよかった。
蒸し返された1日目の自分の失態。
「あはは・・・。ちょっと個性が暴走して」
「デクみてぇなことやってんな。その個性リスクあんのか」
「まぁ、そんな感じ」
「前からそればっかだな」
「前から?」
「勉強会の時も言ってた。答えてるようで答えてねぇ、"まぁ、そんな感じ"」
「・・・」
しゅんと俯けば、爆豪くんは顔を逸らした。
「・・・どうして、爆豪くんが狙われてるのかな」
「知るか」
何となく不安になって繋がれた手をキュッと握れば、爆豪くんの手がピクリと反応した。
「敵の野郎が何考えてんのか知らねぇが、俺を狙ったこと後悔させてやるよ」
私とは違ってゴツゴツした手。
訓練によって少しかさついているその手が、私のそれを握り返してくれた。
「うん、そうだね。・・・え?」
急に視界が光ったかと思うと、目の前を歩いていた緑谷くん達が遠くなった。
「え?どういうこと!?」
「何だぁ!?」
何も無い真っ白な空間に突如閉じ込められた。
「緑谷くん!轟くん!」
姿は見えるのに、私の声は全く届いていなかった。
「っていうか、サイズ感おかしくない?」
皆がとてつもなく大きく見える。
「敵か・・・」
爆豪くんの言葉に納得した。
「やられたね」
いつの間にか最後尾の私達が狙われていた。
せっかく爆豪くんを守ると決めたのに、このザマだ。
しかし手を繋いでいたおかげで、爆豪くんだけが閉じ込められるという事態は回避できた。
「こっちからは皆が大きく見えるから、私達が小さな空間に閉じ込められたんだろうね」
「離れてろ」
爆豪くんが爆破を繰り出したが、亀裂が入る様子はない。
「外からの衝撃の方が効くのかな」
「くそっ」
私も黒翼を出して攻撃してみるが、全く手ごたえがない。
「しょうがないから、今のうちに作戦を立てよう」
乱発する爆豪くんに体力温存を呼びかけ、座るように促した。
****************
私達が閉じ込められた空間から出て来られた時は、もうどうしようもなかった。
ワープゲートが開いていて、私が状況を把握するよりも先に敵が爆豪くんを捕まえ、中に引きずり込んでいるところだった。
緑谷くんがこちらに向かって手を伸ばしていた。
不幸中の幸いは私が爆豪くんの傍にいることだ。
相手は私に目もくれていないようだけれど。
「緑谷くん!相澤さんに伝えて!まだ負けてないって!!!あと、約束破ったらごめんって!!」
私は身体をワープゲートの中に滑り込ませた。
********
我々の敗北だった。
全員助かることが最低限の勝利条件である中で、プロヒーロー1名と生徒2名の行方不明者を出してしまった。
「相澤先生・・・」
腕が真っ青に腫れ上がっている緑谷が近寄ってきた。
「名字さんからの伝言です。まだ負けてない、約束破ったらごめん・・・そう言ってました」
「そうか・・・」
「あの、約束って・・・?」
「お前は怪我の治療に専念しろ。あとはプロに任せとけ」
「・・・」
こいつ、また何か考えてるな。
だが今は緑谷に構っている余裕はない。
爆豪の傍に名前がいることは頼もしくもあるが、不安でもあった。
爆豪が誘拐された理由は検討がつくが、イレギュラーな存在の名前を敵がどう扱うか分からない。
大規模な戦闘に発展する可能性も少なくない。
それにいくら名前が強いと言っても数の不利がある。
また時が過ぎ、飢餓状態に陥れば大変だ。
一刻も早く救い出さねば。
「え?」
爆豪くんがポツリと呟いた。
「さっきの奴、秒殺だったじゃねぇか」
「1日目は皆に迷惑掛けたから張り切っちゃった」
「・・・あん時どこ行ったんだ」
言わなきゃよかった。
蒸し返された1日目の自分の失態。
「あはは・・・。ちょっと個性が暴走して」
「デクみてぇなことやってんな。その個性リスクあんのか」
「まぁ、そんな感じ」
「前からそればっかだな」
「前から?」
「勉強会の時も言ってた。答えてるようで答えてねぇ、"まぁ、そんな感じ"」
「・・・」
しゅんと俯けば、爆豪くんは顔を逸らした。
「・・・どうして、爆豪くんが狙われてるのかな」
「知るか」
何となく不安になって繋がれた手をキュッと握れば、爆豪くんの手がピクリと反応した。
「敵の野郎が何考えてんのか知らねぇが、俺を狙ったこと後悔させてやるよ」
私とは違ってゴツゴツした手。
訓練によって少しかさついているその手が、私のそれを握り返してくれた。
「うん、そうだね。・・・え?」
急に視界が光ったかと思うと、目の前を歩いていた緑谷くん達が遠くなった。
「え?どういうこと!?」
「何だぁ!?」
何も無い真っ白な空間に突如閉じ込められた。
「緑谷くん!轟くん!」
姿は見えるのに、私の声は全く届いていなかった。
「っていうか、サイズ感おかしくない?」
皆がとてつもなく大きく見える。
「敵か・・・」
爆豪くんの言葉に納得した。
「やられたね」
いつの間にか最後尾の私達が狙われていた。
せっかく爆豪くんを守ると決めたのに、このザマだ。
しかし手を繋いでいたおかげで、爆豪くんだけが閉じ込められるという事態は回避できた。
「こっちからは皆が大きく見えるから、私達が小さな空間に閉じ込められたんだろうね」
「離れてろ」
爆豪くんが爆破を繰り出したが、亀裂が入る様子はない。
「外からの衝撃の方が効くのかな」
「くそっ」
私も黒翼を出して攻撃してみるが、全く手ごたえがない。
「しょうがないから、今のうちに作戦を立てよう」
乱発する爆豪くんに体力温存を呼びかけ、座るように促した。
****************
私達が閉じ込められた空間から出て来られた時は、もうどうしようもなかった。
ワープゲートが開いていて、私が状況を把握するよりも先に敵が爆豪くんを捕まえ、中に引きずり込んでいるところだった。
緑谷くんがこちらに向かって手を伸ばしていた。
不幸中の幸いは私が爆豪くんの傍にいることだ。
相手は私に目もくれていないようだけれど。
「緑谷くん!相澤さんに伝えて!まだ負けてないって!!!あと、約束破ったらごめんって!!」
私は身体をワープゲートの中に滑り込ませた。
********
我々の敗北だった。
全員助かることが最低限の勝利条件である中で、プロヒーロー1名と生徒2名の行方不明者を出してしまった。
「相澤先生・・・」
腕が真っ青に腫れ上がっている緑谷が近寄ってきた。
「名字さんからの伝言です。まだ負けてない、約束破ったらごめん・・・そう言ってました」
「そうか・・・」
「あの、約束って・・・?」
「お前は怪我の治療に専念しろ。あとはプロに任せとけ」
「・・・」
こいつ、また何か考えてるな。
だが今は緑谷に構っている余裕はない。
爆豪の傍に名前がいることは頼もしくもあるが、不安でもあった。
爆豪が誘拐された理由は検討がつくが、イレギュラーな存在の名前を敵がどう扱うか分からない。
大規模な戦闘に発展する可能性も少なくない。
それにいくら名前が強いと言っても数の不利がある。
また時が過ぎ、飢餓状態に陥れば大変だ。
一刻も早く救い出さねば。
