【14章】誘拐
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「・・・グルッ」
マンダレイさんからテレパスで動かないように言われた。
相澤さんが食料を持ってこちらに向かっていると。
食料を置いた場所だけ知らせて相澤さんには離れていて欲しい、そう思うが伝える術がない。
私は木の根元に腰かけて体力温存に徹した。
私有地で害獣は駆除されているのか、食べられそうな動物は見つからなかった。
かろうじて見つけた木の実を食べたぐらいだ。
気休め程度の食事だったが、何もないよりマシだった。
「相澤さん・・・」
こんな飢餓一歩手前の状態久しぶりだった。
絶対誰も襲わない。
私はかろうじて残っている理性をフル動員して耐えた。
どれぐらい待っただろうか。
実際には10分程度だったかもしれない。
しかし、私には何時間も経ったように感じた。
「名前!!どこだ」
ああ、相澤さんの声が聞こえる。
「相澤さん・・・」
絞り出した声は掠れていた。
土を踏みしめる音が聞こえた。
最後の一搾り。
息を吸って腹部に力を込めた。
「相澤さん!!!」
力の限り上げた声は相澤さんに届いた。
迷わずこちらに向かってくる気配を感じた。
「名前!」
視界に相澤さんが映った。
「良かった。大丈夫か。昼飯持ってきたから」
「はぁ・・・はぁ」
相澤さんの言葉は耳に届かなかった。
ああ、とっても美味しそうな匂い。
********
名前の姿を見つけて安堵の溜息が出た。
リュックからおにぎりと夕食用の惣菜を取り出そうとした時。
ヒュッと目の前に影が映ると一瞬で視界が反転した。
「・・・・ッ!名前!!」
彼女の目は赤く光り、瞳孔が開いていた。
「落ち着け!」
俺の言葉は一切耳に入っていない様子だった。
「グルッ・・・!」
獣のように喉を唸らせると、口を大きく開いた。
「くそっ・・・!」
俺は左手を前に出した。
迷わずその腕にかぶりついた。
物凄い力だ。
離そうとしても離れない。
「そういえば、初めて会った時も噛まれたな」
USJでの出来事を思い出した。
飢餓状態を見るのは初めてだ。
見た事が無かった分、どこか軽んじていた。
視界に黒翼が映った。
鋭利な切先をこちらに向けている。
「悪かった」
名前なら何とかなるだろうと思っていた自分の落ち度だ。
噛まれた腕ごと抱き締めてやれば、頬に冷たい雫がポタリと落ちた。
「相澤さん・・・ごめんなさい」
腕から痛みが引いた。
一瞬自我を取り戻した名前は転がっているリュックを掴み、森の奥へと姿を消した。
マンダレイさんからテレパスで動かないように言われた。
相澤さんが食料を持ってこちらに向かっていると。
食料を置いた場所だけ知らせて相澤さんには離れていて欲しい、そう思うが伝える術がない。
私は木の根元に腰かけて体力温存に徹した。
私有地で害獣は駆除されているのか、食べられそうな動物は見つからなかった。
かろうじて見つけた木の実を食べたぐらいだ。
気休め程度の食事だったが、何もないよりマシだった。
「相澤さん・・・」
こんな飢餓一歩手前の状態久しぶりだった。
絶対誰も襲わない。
私はかろうじて残っている理性をフル動員して耐えた。
どれぐらい待っただろうか。
実際には10分程度だったかもしれない。
しかし、私には何時間も経ったように感じた。
「名前!!どこだ」
ああ、相澤さんの声が聞こえる。
「相澤さん・・・」
絞り出した声は掠れていた。
土を踏みしめる音が聞こえた。
最後の一搾り。
息を吸って腹部に力を込めた。
「相澤さん!!!」
力の限り上げた声は相澤さんに届いた。
迷わずこちらに向かってくる気配を感じた。
「名前!」
視界に相澤さんが映った。
「良かった。大丈夫か。昼飯持ってきたから」
「はぁ・・・はぁ」
相澤さんの言葉は耳に届かなかった。
ああ、とっても美味しそうな匂い。
********
名前の姿を見つけて安堵の溜息が出た。
リュックからおにぎりと夕食用の惣菜を取り出そうとした時。
ヒュッと目の前に影が映ると一瞬で視界が反転した。
「・・・・ッ!名前!!」
彼女の目は赤く光り、瞳孔が開いていた。
「落ち着け!」
俺の言葉は一切耳に入っていない様子だった。
「グルッ・・・!」
獣のように喉を唸らせると、口を大きく開いた。
「くそっ・・・!」
俺は左手を前に出した。
迷わずその腕にかぶりついた。
物凄い力だ。
離そうとしても離れない。
「そういえば、初めて会った時も噛まれたな」
USJでの出来事を思い出した。
飢餓状態を見るのは初めてだ。
見た事が無かった分、どこか軽んじていた。
視界に黒翼が映った。
鋭利な切先をこちらに向けている。
「悪かった」
名前なら何とかなるだろうと思っていた自分の落ち度だ。
噛まれた腕ごと抱き締めてやれば、頬に冷たい雫がポタリと落ちた。
「相澤さん・・・ごめんなさい」
腕から痛みが引いた。
一瞬自我を取り戻した名前は転がっているリュックを掴み、森の奥へと姿を消した。
