【14章】誘拐
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いきなり崖から落とされるなんて、想像もしていなかったが雄英らしい合宿の始まりだ。
俺は氷で土魔獣の足元を凍らせた。
早ければ正午とか言っていたがどう考えても無理だろう。
少し前を歩いていた名字の足取りが少し覚束ないことが気になった。
「名字?」
声を掛けて驚いた。
顔色が悪い。
戦闘で疲れたからではなさそうだ。
「乗れ」
背中に彼女を乗せると思っていたより軽かった。
妙なタイミングで男女差を感じ気恥ずかしかった。
しかしそんなことを考えている状況ではない。
俺は名字を背負っているので必然的に後ろに下がることになる。
顔が見えなくて気付かなかったが、緑谷が彼女の異変を指摘した。
首を動かして名字の様子を伺った。
黒翼は出ていないが、目を見ると個性が発動していた。
「大丈夫か?」
声を掛けても反応がなく、目の焦点が合っていない。
「おい!」
身体を揺らして背中に乗った名字を揺さぶった。
「ハァ・・・ハァ・・・」
息が荒い。
「もうダメ・・・」
小さく呟いた声は俺の耳に微かに届いた。
「何が」
何がダメなんだ、そう聞こうとしたが名字は黒翼を出すと俺の背中から飛び上がった。
「名字!?」
見失うのは一瞬だった。
全員その場から動けなかった。
「おい!半分野郎、どうなってやがる!?」
爆豪に胸倉を掴まれた。
「わからない・・・」
名字がいなくなった。
********
もう限界だった。
轟くんの首筋にかぶりつく自分が容易に想像できた。
空腹で自我を失い出している。
このまま1人で施設へ向かう手も考えたが、もし完全に自我を失った状態で施設に飛び込んだら大参事になるかもしれない。
この森で食料を探した方がいい。
私は皆から十分に距離を取ったところで降りた。
できるだけ大きな動物を探そう。
嗅覚と聴覚を研ぎ澄ました。
********
"大変だ、イレイザー!!"
ピクシーボブの慌てた様子が電話越しに伝わってきた。
彼女は崖の上に残ってもらい、生徒達の監視を頼んでいた。
「また緑谷ですか?」
合宿の序章に過ぎないというのに、もう怪我したのか。
「違う!聞いてた異世界から来た子!突然いなくなったの」
「!?」
「途中体調が悪くなったみたいで他の生徒の背中に乗ってたんだけど、突然個性出して飛び出していっちゃって。速すぎてレーダーで追いきれなかった。目視では施設に向かったみたいだったけど途中で降りてしまって」
何が起こったんだ。
体調が悪かった・・・?
最後にバスを降りた時は普通だった。
「途中まで普通に土魔獣とも戦ってたんだけどね」
「分かりました。最後に目撃した落下地点はどこですか?そこに向かいます」
ピクシーボブに推定落下箇所を聞くと、俺は出かける準備をした。
「マンダレイ!名字にテレパスで動かないように伝えて下さい」
「分かった」
俺はマンダレイが送信している間、ふとキッチンが目に入った。
「(そうか・・・!)」
時刻を確認するともう15時を過ぎていた。
最後に食事をしたのは朝だ。
「馬鹿か、俺は・・・」
クシャリと髪を掻き上げた。
俺は氷で土魔獣の足元を凍らせた。
早ければ正午とか言っていたがどう考えても無理だろう。
少し前を歩いていた名字の足取りが少し覚束ないことが気になった。
「名字?」
声を掛けて驚いた。
顔色が悪い。
戦闘で疲れたからではなさそうだ。
「乗れ」
背中に彼女を乗せると思っていたより軽かった。
妙なタイミングで男女差を感じ気恥ずかしかった。
しかしそんなことを考えている状況ではない。
俺は名字を背負っているので必然的に後ろに下がることになる。
顔が見えなくて気付かなかったが、緑谷が彼女の異変を指摘した。
首を動かして名字の様子を伺った。
黒翼は出ていないが、目を見ると個性が発動していた。
「大丈夫か?」
声を掛けても反応がなく、目の焦点が合っていない。
「おい!」
身体を揺らして背中に乗った名字を揺さぶった。
「ハァ・・・ハァ・・・」
息が荒い。
「もうダメ・・・」
小さく呟いた声は俺の耳に微かに届いた。
「何が」
何がダメなんだ、そう聞こうとしたが名字は黒翼を出すと俺の背中から飛び上がった。
「名字!?」
見失うのは一瞬だった。
全員その場から動けなかった。
「おい!半分野郎、どうなってやがる!?」
爆豪に胸倉を掴まれた。
「わからない・・・」
名字がいなくなった。
********
もう限界だった。
轟くんの首筋にかぶりつく自分が容易に想像できた。
空腹で自我を失い出している。
このまま1人で施設へ向かう手も考えたが、もし完全に自我を失った状態で施設に飛び込んだら大参事になるかもしれない。
この森で食料を探した方がいい。
私は皆から十分に距離を取ったところで降りた。
できるだけ大きな動物を探そう。
嗅覚と聴覚を研ぎ澄ました。
********
"大変だ、イレイザー!!"
ピクシーボブの慌てた様子が電話越しに伝わってきた。
彼女は崖の上に残ってもらい、生徒達の監視を頼んでいた。
「また緑谷ですか?」
合宿の序章に過ぎないというのに、もう怪我したのか。
「違う!聞いてた異世界から来た子!突然いなくなったの」
「!?」
「途中体調が悪くなったみたいで他の生徒の背中に乗ってたんだけど、突然個性出して飛び出していっちゃって。速すぎてレーダーで追いきれなかった。目視では施設に向かったみたいだったけど途中で降りてしまって」
何が起こったんだ。
体調が悪かった・・・?
最後にバスを降りた時は普通だった。
「途中まで普通に土魔獣とも戦ってたんだけどね」
「分かりました。最後に目撃した落下地点はどこですか?そこに向かいます」
ピクシーボブに推定落下箇所を聞くと、俺は出かける準備をした。
「マンダレイ!名字にテレパスで動かないように伝えて下さい」
「分かった」
俺はマンダレイが送信している間、ふとキッチンが目に入った。
「(そうか・・・!)」
時刻を確認するともう15時を過ぎていた。
最後に食事をしたのは朝だ。
「馬鹿か、俺は・・・」
クシャリと髪を掻き上げた。
