【2章】知る
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「どうだい、相澤君。彼女の様子は」
翌日、片時も目を離すことができないので、俺は校長室へ行っている間職員室の自席に名前を座らせミッドナイトさんに監視を頼んだ。
眠らされたことを根に持っているのか、警戒心MAXだったが、ミッドナイトさんが鞄からおやつに持ってきていたシュークリームを差し出すとそれを受け取り大人しくなった。
「とりあえず、想像以上に食費がかかりそうだということだけは分かりました」
今日の朝、冷蔵庫を見たら飲料ゼリーが在庫の半分ほど無くなっていたことに気付いた。
ゴミ箱には空になったそれらが入っていた。
「まあ、暴れる様子はないので、逆にそれで大人しくしているのであればこの際いいのかもしれませんが」
「彼女の食事はこれからランチラッシュにお願いして作ってもらおう。飲料ゼリーばかりだと栄養も偏るしね。ついでに相澤君もちゃんとしたご飯を食べた方がいい」
校長の計らいで、俺達の食事はランチラッシュが1日分まとめて作ってくれることになった。
「政府にも現状は報告しておいたよ。まあ、一悶着あったけれど、当面はこちらで様子を見て随時報告を上げることで落ち着いたよ」
もしかしたら公安が動いて名前を連れていくかもしれないと思っていた。
異世界から来た人間をよくここで置いておくように政府を窘められたものだ。
校長の人脈と手腕には相変わらず目を見張るものがある。
「最優先事項は人に危害が及ばないようにすること。そして情報を引っ張り出していってほしい」
「わかりました」
********
私を押し付けられた相澤さんちょっと可哀想だな。
昨日は用意された寝具の上で寝転がりながらそんなことを思った。
まぁ、私が指名したからなんだけど。
あの後もっと根掘り葉掘り聞かれるかと思ったが、そんなことはなく唯一聞かれたことといえば「好きな食べ物」だった。
何だか拍子抜けしてしまった。
しかし私は過去の経験から学んでいる。
人を信用してはいけない。
信用したら裏切られる。
相澤さんは私を置いて出て行った後、30分程で帰ってきた。
ミッドナイトさんに貰ったシュークリームを食べながら周囲を見回していた時に気付いたことがあった。
そのことを尋ねるため、ねぇ、ねぇと相澤さんの袖を引っ張った。
「昨日見てないけど、私のこと警戒してる人ってヒーローってやつ?」
相澤さんは目を見開いた。
「ああ。ヒーロー免許を持っている職員には名前の存在を告知して情報を共有している。一般職員は事情を知らない。だから・・・」
「はーい。分別持って接しろってことでしょ?」
「物分かりがいいな」
「相澤君、これ」
ミッドナイトさんが紙袋を持ってきた。
「名前ちゃんの着替えが入ってるわ。私のお古で悪いけど、サイズが合いそうなやつ持ってきた」
「すみません。ほら」
私はそのまま相澤さんの手から紙袋を受け取った。
中を見ると綺麗に畳まれた服が入っていた。
いそいそと中から取り出して広げた。
「服を買いに行くときはついて行ってあげる。いつでも言って」
「ありがとうございます」
踵を返して立ち去ろうとするミッドナイトさんの手首を私は思わず掴んだ。
ミッドナイトさんは驚いて振り返った。
「・・・ありがとう」
私が小さな声でお礼を言うと、頭をくしゃりと撫でられた。
「どういたしまして」
翌日、片時も目を離すことができないので、俺は校長室へ行っている間職員室の自席に名前を座らせミッドナイトさんに監視を頼んだ。
眠らされたことを根に持っているのか、警戒心MAXだったが、ミッドナイトさんが鞄からおやつに持ってきていたシュークリームを差し出すとそれを受け取り大人しくなった。
「とりあえず、想像以上に食費がかかりそうだということだけは分かりました」
今日の朝、冷蔵庫を見たら飲料ゼリーが在庫の半分ほど無くなっていたことに気付いた。
ゴミ箱には空になったそれらが入っていた。
「まあ、暴れる様子はないので、逆にそれで大人しくしているのであればこの際いいのかもしれませんが」
「彼女の食事はこれからランチラッシュにお願いして作ってもらおう。飲料ゼリーばかりだと栄養も偏るしね。ついでに相澤君もちゃんとしたご飯を食べた方がいい」
校長の計らいで、俺達の食事はランチラッシュが1日分まとめて作ってくれることになった。
「政府にも現状は報告しておいたよ。まあ、一悶着あったけれど、当面はこちらで様子を見て随時報告を上げることで落ち着いたよ」
もしかしたら公安が動いて名前を連れていくかもしれないと思っていた。
異世界から来た人間をよくここで置いておくように政府を窘められたものだ。
校長の人脈と手腕には相変わらず目を見張るものがある。
「最優先事項は人に危害が及ばないようにすること。そして情報を引っ張り出していってほしい」
「わかりました」
********
私を押し付けられた相澤さんちょっと可哀想だな。
昨日は用意された寝具の上で寝転がりながらそんなことを思った。
まぁ、私が指名したからなんだけど。
あの後もっと根掘り葉掘り聞かれるかと思ったが、そんなことはなく唯一聞かれたことといえば「好きな食べ物」だった。
何だか拍子抜けしてしまった。
しかし私は過去の経験から学んでいる。
人を信用してはいけない。
信用したら裏切られる。
相澤さんは私を置いて出て行った後、30分程で帰ってきた。
ミッドナイトさんに貰ったシュークリームを食べながら周囲を見回していた時に気付いたことがあった。
そのことを尋ねるため、ねぇ、ねぇと相澤さんの袖を引っ張った。
「昨日見てないけど、私のこと警戒してる人ってヒーローってやつ?」
相澤さんは目を見開いた。
「ああ。ヒーロー免許を持っている職員には名前の存在を告知して情報を共有している。一般職員は事情を知らない。だから・・・」
「はーい。分別持って接しろってことでしょ?」
「物分かりがいいな」
「相澤君、これ」
ミッドナイトさんが紙袋を持ってきた。
「名前ちゃんの着替えが入ってるわ。私のお古で悪いけど、サイズが合いそうなやつ持ってきた」
「すみません。ほら」
私はそのまま相澤さんの手から紙袋を受け取った。
中を見ると綺麗に畳まれた服が入っていた。
いそいそと中から取り出して広げた。
「服を買いに行くときはついて行ってあげる。いつでも言って」
「ありがとうございます」
踵を返して立ち去ろうとするミッドナイトさんの手首を私は思わず掴んだ。
ミッドナイトさんは驚いて振り返った。
「・・・ありがとう」
私が小さな声でお礼を言うと、頭をくしゃりと撫でられた。
「どういたしまして」