【12章】親交
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「名前、今日は寝かさんぞ」
「ふぁい・・・」
私はテーブルの上に積み上げられた参考書と教科書の山を前に項垂れた。
「テストは間近だ。こればかりは特別扱いするわけにはいかん」
「うん」
「こんなこと教師が言うべきではないが・・・全教科赤点回避をすることを優先しよう」
「高校って難しいんだね」
「特にうちは偏差値が高いからな。他の学校であれば名前は十分平均取れるはずだ」
「それを聞いて安心した。私が壊滅的に脳みそ足りないのかと思ってたから・・・」
「見たところ社会科が一番問題なさそうだな」
「覚えるだけでいいから」
「英語からいくか」
仕事で疲れているはずなのに、私のために時間を割いてくれている。
マイク先生が言っていた。
『消太、名前ちゃんのために自分の担当教科以外の勉強してるんだぜ』
高校にもなると小学校みたいに全教科教えられるはずないのだ。
だから教科ごとに教員がいるのであって。
相澤さんはそんな苦労を微塵も私に見せなかった。
「よし・・・!頑張る」
だから私はこのテストで絶対いい点を取る。
赤点回避なんて低い目標ではなく、目指すは全教科平均点以上!!
クラスで少しでも上位を目指したい。
私は目の前の問題に集中した。
********
名前がいくら優秀といえども偏差値79の雄英ヒーロー科には現状日々の授業についていくのがギリギリだ。
・・・時々思う。
ヒーローを目指せなんて俺のエゴだったんじゃないかって。
あの時はこれしか選択肢がないと思っていた。
そしてこれが最良だと。
国に拘束されて、何もしていないのに犯罪者のような扱いを受けるよりはいいんじゃないかと。
「相澤さん、ここ分からない」
後日、ホークスからこちらの都合の悪いようにはしない報告書を作成したと連絡があった。
だから安心してほしいと名前に伝えてくれと言伝を受けた。
初日はどうなるかと思ったが結果オーライというやつだ。
ホークスか・・・。
いまいち掴みどころのない男だ。
「・・・相澤さん?」
袖を引っ張られる感覚にハッとして名前の方を向いた。
「あ、ああ・・・」
「どうかした?」
「いや」
「ここ、わかんない」
「これは・・・」
参考書のページを捲って説明してやれば、すぐに理解してシャーペンをノートに走らせた。
小一時間経ったところで名前の集中力が切れてきたので休憩を挟むことにした。
眠気覚ましのコーヒーを入れた。
「なあ」
淹れたてのコーヒーを冷ますためにフーフーと息を吹きかける名前。
「何?」
「今、幸せか?」
「え!?」
訊ねた後に後悔した。
こんな行動が制限されている状態なのに幸せなはずがない。
だが、名前はにっこりと微笑んだ。
「超幸せ」
その笑みに偽りなどない。
「毎日ご飯が食べられて、ふかふかのベッドで寝て」
「学校で勉強したり、本読んだり」
「相澤さんとする何気ない会話とか」
「大好き」
なんという愚問だったのだろう。
手を伸ばそうとする前に名前は頭をこちらに差し出してきた。
「俺も好きだよ」
名前のことが。
この気持ちは同情なんかじゃない。
ただ、俺自身が名前と一緒にいたい。
どうしてそう思うようになったかなんて振り返る必要などない。
この何気ない日常を守りたいと、切に願うようになってしまった。
ただその事実だけでいい。
「ふぁい・・・」
私はテーブルの上に積み上げられた参考書と教科書の山を前に項垂れた。
「テストは間近だ。こればかりは特別扱いするわけにはいかん」
「うん」
「こんなこと教師が言うべきではないが・・・全教科赤点回避をすることを優先しよう」
「高校って難しいんだね」
「特にうちは偏差値が高いからな。他の学校であれば名前は十分平均取れるはずだ」
「それを聞いて安心した。私が壊滅的に脳みそ足りないのかと思ってたから・・・」
「見たところ社会科が一番問題なさそうだな」
「覚えるだけでいいから」
「英語からいくか」
仕事で疲れているはずなのに、私のために時間を割いてくれている。
マイク先生が言っていた。
『消太、名前ちゃんのために自分の担当教科以外の勉強してるんだぜ』
高校にもなると小学校みたいに全教科教えられるはずないのだ。
だから教科ごとに教員がいるのであって。
相澤さんはそんな苦労を微塵も私に見せなかった。
「よし・・・!頑張る」
だから私はこのテストで絶対いい点を取る。
赤点回避なんて低い目標ではなく、目指すは全教科平均点以上!!
クラスで少しでも上位を目指したい。
私は目の前の問題に集中した。
********
名前がいくら優秀といえども偏差値79の雄英ヒーロー科には現状日々の授業についていくのがギリギリだ。
・・・時々思う。
ヒーローを目指せなんて俺のエゴだったんじゃないかって。
あの時はこれしか選択肢がないと思っていた。
そしてこれが最良だと。
国に拘束されて、何もしていないのに犯罪者のような扱いを受けるよりはいいんじゃないかと。
「相澤さん、ここ分からない」
後日、ホークスからこちらの都合の悪いようにはしない報告書を作成したと連絡があった。
だから安心してほしいと名前に伝えてくれと言伝を受けた。
初日はどうなるかと思ったが結果オーライというやつだ。
ホークスか・・・。
いまいち掴みどころのない男だ。
「・・・相澤さん?」
袖を引っ張られる感覚にハッとして名前の方を向いた。
「あ、ああ・・・」
「どうかした?」
「いや」
「ここ、わかんない」
「これは・・・」
参考書のページを捲って説明してやれば、すぐに理解してシャーペンをノートに走らせた。
小一時間経ったところで名前の集中力が切れてきたので休憩を挟むことにした。
眠気覚ましのコーヒーを入れた。
「なあ」
淹れたてのコーヒーを冷ますためにフーフーと息を吹きかける名前。
「何?」
「今、幸せか?」
「え!?」
訊ねた後に後悔した。
こんな行動が制限されている状態なのに幸せなはずがない。
だが、名前はにっこりと微笑んだ。
「超幸せ」
その笑みに偽りなどない。
「毎日ご飯が食べられて、ふかふかのベッドで寝て」
「学校で勉強したり、本読んだり」
「相澤さんとする何気ない会話とか」
「大好き」
なんという愚問だったのだろう。
手を伸ばそうとする前に名前は頭をこちらに差し出してきた。
「俺も好きだよ」
名前のことが。
この気持ちは同情なんかじゃない。
ただ、俺自身が名前と一緒にいたい。
どうしてそう思うようになったかなんて振り返る必要などない。
この何気ない日常を守りたいと、切に願うようになってしまった。
ただその事実だけでいい。
