【12章】親交
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入学して以来最大の山場を迎えております。
その名も"期末テスト"
「はぁ~・・・」
日程プリントを配られ、それを前に肩を落とした。
「大丈夫か」
轟くんが項垂れる私に声を掛けてくれた。
「う~ん・・・あまり大丈夫じゃないかもしれない」
「テストか?」
「うん。この間も小テスト悪かったし・・・」
「何が苦手なんだ?」
「基本全部だけど・・・。特に数学が無理かも」
「一緒にやるか?勉強」
「え、でも迷惑かけちゃうよ」
「訓練付き合ってくれただろ」
「そうだけど・・・」
一緒に勉強して大丈夫なのだろうか。
あまりにも馬鹿すぎて勘づかれるのではないかという不安。
「俺も混ぜろ」
「「え!?」」
私と轟くんの声がハモった。
普段表情があまり変わらない轟くんも心底驚いている。
「爆豪くん・・・本気?」
私と轟くん、私と爆豪くんのツーショットは有り得るかもしれないが、轟くんと爆豪くんという組み合わせになると違和感しかない。
「俺も訓練"付き合ってもらった"からな」
顔!!
全然付き合ってもらったって思ってる顔じゃない!
爆豪くんは私の耳元に顔を近づけた。
「轟に突っ込まれると都合悪いんじゃねぇのか。俺が居た方がいいだろ」
いやいや、君も私の核心は知らないじゃないか。
でもこの言い方だと一応私の味方・・・のつもりなのかな?
轟くんにチラリとアイコンタクトを送った。
「俺はまぁ・・・構わないが。お前こそいいのか」
「俺が混ぜろっつてんだからいいに決まってんだろ」
「えっと、じゃあ・・・お2人ともお願いします」
こうして轟くん、爆豪くん、私という何とも奇妙な組み合わせの勉強会が決定した。
********************
入学して以来、常に敵なしの自分のプライドに傷をつける者たちが現れた。
半分野郎は特に気に食わない。
生まれて初めて敵わないかもしれないという感情が芽生えた。
そんな中でも名字は特異だった。
その強さは俺達が持っている土台とは違う気がして、気付けば目で追っていた。
なぜ誰も気づかないのか。
あいつは全てにおいて年相応ではないことに。
よくよく見ると、外見も女子高生の年齢ではない気がした。
制服というベールで上手く隠れているだけだ。
性格も、大人しいというよりはいつも静観していて、いざという時はクラスの中で一つ抜きんでた判断力を持っている。
USJ襲撃事件では中央広場で一番ヤバイ奴らと戦っていた。
相澤先生を抱えているというハンデを差し引けば互角に戦えるのではないか、そう思わせる動きだった。
根本が違う。
確信したのは体育祭。
実際に戦ってみて、こう表現するのは癪だが"手も足も出なかった"。
しかし急に呻いたかと思うとギブアップ宣言。
納得などいくはずもないが、冷静になってみると悔しさよりもより俺の仮定を後押しする材料にさえなった。
あいつは推薦入学でも一般入学でもない"特別なルート"で入学してきた奴だと。
名字の化けの皮を剥がしてやりたい。
行動力には自信のある俺はすぐに体育祭の再戦を申し込んだ。
そこで核心を突くのだが、名字から返ってきた返事は、いつか聞かれたらこう返そうとあらかじめ用意しておいた面接の答えのようだった。
しかし穴がありすぎる。
矛盾点を指摘すればあっという間に肩を落として、ぐるぐると頭を悩ませていた。
最早その態度が答えだった。
もっと問い詰めれば白状していたかもしれない。
しかし、名字の涙を見て気が変わった。
言いたくないことを言うまで問い詰めるほどの権利はただのクラスメイトである自分には無いと思ったし、こう見えてもヒーローの卵だ。
無理矢理というのは気が引けた。
何よりプライドが許さなかった。
体育祭での一戦は体調不良とのことだったが、間近で見ていた俺はそうではないことに気付いている。
あの後放送席から相澤先生がいなくなったことも、その後閉会式まで帰ってこなかったことも。
何かを抱えている。
何でもソツなくこなす名字が見せた弱さだった。
根本が違うと分かれば、半分野郎相手みたいにイライラする感情も湧かなくなった。
それに周囲に言いふらさないか時折俺の様子を確認している名字を見ると気分が良かった。
一旦身を引いたとはいえ、知りたいという欲求が消えたわけではない。
これからどうやって距離を詰めていくか考えている中で行われた席替え。
隣になった名字の百面相ときたら・・・込み上げる笑いを押し込めた。
「一緒にやるか?勉強」
期末テストに頭を抱える名字に半分野郎が提案した。
一見救いの手のように見えるが、その手を素直に受け取れない理由があいつにはある。
しどろもどろしながら、2つの選択肢で揺れ動いている名字を見ると溜息が出た。
「俺も混ぜろ」
割って入った俺に2人は目をこれでもかというほどに見開いていた。
「爆豪くん・・・本気?」
困ってたんだろうが。
助け船出してんだから素直に乗れや。
名字のことを知るチャンスだと思ったことに違いはない。
ただ柄じゃないことは承知の上で、助けてやりたいとも思った。
「フン」
その名も"期末テスト"
「はぁ~・・・」
日程プリントを配られ、それを前に肩を落とした。
「大丈夫か」
轟くんが項垂れる私に声を掛けてくれた。
「う~ん・・・あまり大丈夫じゃないかもしれない」
「テストか?」
「うん。この間も小テスト悪かったし・・・」
「何が苦手なんだ?」
「基本全部だけど・・・。特に数学が無理かも」
「一緒にやるか?勉強」
「え、でも迷惑かけちゃうよ」
「訓練付き合ってくれただろ」
「そうだけど・・・」
一緒に勉強して大丈夫なのだろうか。
あまりにも馬鹿すぎて勘づかれるのではないかという不安。
「俺も混ぜろ」
「「え!?」」
私と轟くんの声がハモった。
普段表情があまり変わらない轟くんも心底驚いている。
「爆豪くん・・・本気?」
私と轟くん、私と爆豪くんのツーショットは有り得るかもしれないが、轟くんと爆豪くんという組み合わせになると違和感しかない。
「俺も訓練"付き合ってもらった"からな」
顔!!
全然付き合ってもらったって思ってる顔じゃない!
爆豪くんは私の耳元に顔を近づけた。
「轟に突っ込まれると都合悪いんじゃねぇのか。俺が居た方がいいだろ」
いやいや、君も私の核心は知らないじゃないか。
でもこの言い方だと一応私の味方・・・のつもりなのかな?
轟くんにチラリとアイコンタクトを送った。
「俺はまぁ・・・構わないが。お前こそいいのか」
「俺が混ぜろっつてんだからいいに決まってんだろ」
「えっと、じゃあ・・・お2人ともお願いします」
こうして轟くん、爆豪くん、私という何とも奇妙な組み合わせの勉強会が決定した。
********************
入学して以来、常に敵なしの自分のプライドに傷をつける者たちが現れた。
半分野郎は特に気に食わない。
生まれて初めて敵わないかもしれないという感情が芽生えた。
そんな中でも名字は特異だった。
その強さは俺達が持っている土台とは違う気がして、気付けば目で追っていた。
なぜ誰も気づかないのか。
あいつは全てにおいて年相応ではないことに。
よくよく見ると、外見も女子高生の年齢ではない気がした。
制服というベールで上手く隠れているだけだ。
性格も、大人しいというよりはいつも静観していて、いざという時はクラスの中で一つ抜きんでた判断力を持っている。
USJ襲撃事件では中央広場で一番ヤバイ奴らと戦っていた。
相澤先生を抱えているというハンデを差し引けば互角に戦えるのではないか、そう思わせる動きだった。
根本が違う。
確信したのは体育祭。
実際に戦ってみて、こう表現するのは癪だが"手も足も出なかった"。
しかし急に呻いたかと思うとギブアップ宣言。
納得などいくはずもないが、冷静になってみると悔しさよりもより俺の仮定を後押しする材料にさえなった。
あいつは推薦入学でも一般入学でもない"特別なルート"で入学してきた奴だと。
名字の化けの皮を剥がしてやりたい。
行動力には自信のある俺はすぐに体育祭の再戦を申し込んだ。
そこで核心を突くのだが、名字から返ってきた返事は、いつか聞かれたらこう返そうとあらかじめ用意しておいた面接の答えのようだった。
しかし穴がありすぎる。
矛盾点を指摘すればあっという間に肩を落として、ぐるぐると頭を悩ませていた。
最早その態度が答えだった。
もっと問い詰めれば白状していたかもしれない。
しかし、名字の涙を見て気が変わった。
言いたくないことを言うまで問い詰めるほどの権利はただのクラスメイトである自分には無いと思ったし、こう見えてもヒーローの卵だ。
無理矢理というのは気が引けた。
何よりプライドが許さなかった。
体育祭での一戦は体調不良とのことだったが、間近で見ていた俺はそうではないことに気付いている。
あの後放送席から相澤先生がいなくなったことも、その後閉会式まで帰ってこなかったことも。
何かを抱えている。
何でもソツなくこなす名字が見せた弱さだった。
根本が違うと分かれば、半分野郎相手みたいにイライラする感情も湧かなくなった。
それに周囲に言いふらさないか時折俺の様子を確認している名字を見ると気分が良かった。
一旦身を引いたとはいえ、知りたいという欲求が消えたわけではない。
これからどうやって距離を詰めていくか考えている中で行われた席替え。
隣になった名字の百面相ときたら・・・込み上げる笑いを押し込めた。
「一緒にやるか?勉強」
期末テストに頭を抱える名字に半分野郎が提案した。
一見救いの手のように見えるが、その手を素直に受け取れない理由があいつにはある。
しどろもどろしながら、2つの選択肢で揺れ動いている名字を見ると溜息が出た。
「俺も混ぜろ」
割って入った俺に2人は目をこれでもかというほどに見開いていた。
「爆豪くん・・・本気?」
困ってたんだろうが。
助け船出してんだから素直に乗れや。
名字のことを知るチャンスだと思ったことに違いはない。
ただ柄じゃないことは承知の上で、助けてやりたいとも思った。
「フン」
