【11章】覚悟
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「何がどうなってるの?」
ホークスから電話を受け取ると相澤さんに疑問をぶつけた。
『どうやら俺の方が試されていたらしい。名前をきちんとコントロールできているのか』
「なんだ、そういうこと」
『コントロールなんてしなくても名前はちゃんと善悪を判断できるんだがな』
「仕方ないよ。異分子に違いないし」
『だがっ・・・!』
「でも私嬉しかった。相澤さんが私のことを守ってくれようとしたから」
『守れてないだろ、全然』
「守ってくれたよ、私の心」
相澤さんが声を荒げるところを見たのは初めてだった。
それだけで私は十分だった。
「身体検査なんて減るもんじゃないし」
『目に見えないもんが減る気がする』
「何それ」
『・・・・・・俺が嫌だからやめてくれ』
「え?」
『それが理由で何が悪い』
「・・・ううん。相澤さんの言うことなら従う」
『いくらホークスに従えと言っても嫌なことはやらなくていい。自分の意思を持っていいんだ』
「うん」
『身体検査は本当に避けられなれば専門機関を用意する』
「分かった」
『本来なら即刻中止を言い渡したいところだが・・・』
「大丈夫だよ。次何かあったらすぐに逃げるから」
『約束しろ』
私の心はもう平穏だった。
まだ電話口で納得いっていない様子の相澤さんにもう寝ると告げて切り上げた。
本当はもっと話していたいけど。
でもこれ以上話したら帰りたくなっちゃうから。
私は相澤さんの声が聞こえなくなったスマホを充電器に挿した。
********
「ちょっといい?」
電話が終わった頃を見計らって俺はドアをノックした。
自分が所有する事務所ではあるが、本来女性が居る部屋に入る時はこうあるべきだというのは分かっている。
「どうぞ」
ガチャリと開けると、名字さんは布団の上に座っていた。
「・・・先ほどはすみませんでした」
腰を90度に折って改めて謝罪した。
「いいえ。ホークスの考えの方が正しいと思います。相澤さんはああ見えて甘いんです」
もっと取り乱してもいいはずなのに、彼女は冷静で、顔を上げると薄っすら笑っていた。
「本当にいいですよ?身体検査しても。相澤さんには内緒にしておくので」
「いや、もう大丈夫」
俺は首を横に振った。
こちらが職場体験側として受け入れているはずなのに、まるで自分の方が子どもに思えて滑稽だった。
生徒というフィルターを外せば、大人な女性だった。
「大変じゃない?いきなり違う世界に来たかと思えばヒーロー目指せなんて」
「でも、相澤さんが受け入れてくれなかったら、どうなってたか分からないし」
ぽんぽんと彼女が自分の横を叩くので俺も布団の上に腰を下ろした。
「だから、相澤さんのためなら私なんだってできます」
「何でもなんて気軽に言わない方がいいよ。死ねって言われたら死ぬの?」
揚げ足を取っている自覚はあった。
だが、彼女を横目で見ると笑っていた。
「はい、もちろん」
その目に迷いは無かった。
「だって、相澤さんがそんなこと言うってことは生きているより死んだ方が私の為ってことです。いつだって私のことを相澤さんは考えてくれてます。だから私は相澤さんの判断を信じます」
彼女には雄英へのスパイ容疑もかかっている。
正直、圧倒的にそっちの可能性の方が高いと思っていた。
だって異世界から来たよりよっぽど現実的だ。
だが、今の俺はスパイの可能性より異世界から来た可能性を信じている。
「・・・相澤先生のこと好きなんスね」
カマを掛けたつもりだった。
しかし、彼女は顔を赤くすると両手で覆った。
・・・・・・確信した。
これでスパイなんて無理だ。
「な、内緒ですよ」
しーっと口元に指をあてる彼女は恋する乙女そのもので。
俺は思わず笑ってしまった。
「何で笑うんですか」
「いやー、可愛いなって思って」
「かわっ・・・!?」
「でも表向き教師と生徒だからヤバくないですか?」
「いえ、この気持ち伝えるつもりないんで!迷惑になっちゃうし」
「迷惑ねぇ・・・」
そんなことないと思うけどな。
俺は相澤先生の顔を思い浮かべた。
ホークスから電話を受け取ると相澤さんに疑問をぶつけた。
『どうやら俺の方が試されていたらしい。名前をきちんとコントロールできているのか』
「なんだ、そういうこと」
『コントロールなんてしなくても名前はちゃんと善悪を判断できるんだがな』
「仕方ないよ。異分子に違いないし」
『だがっ・・・!』
「でも私嬉しかった。相澤さんが私のことを守ってくれようとしたから」
『守れてないだろ、全然』
「守ってくれたよ、私の心」
相澤さんが声を荒げるところを見たのは初めてだった。
それだけで私は十分だった。
「身体検査なんて減るもんじゃないし」
『目に見えないもんが減る気がする』
「何それ」
『・・・・・・俺が嫌だからやめてくれ』
「え?」
『それが理由で何が悪い』
「・・・ううん。相澤さんの言うことなら従う」
『いくらホークスに従えと言っても嫌なことはやらなくていい。自分の意思を持っていいんだ』
「うん」
『身体検査は本当に避けられなれば専門機関を用意する』
「分かった」
『本来なら即刻中止を言い渡したいところだが・・・』
「大丈夫だよ。次何かあったらすぐに逃げるから」
『約束しろ』
私の心はもう平穏だった。
まだ電話口で納得いっていない様子の相澤さんにもう寝ると告げて切り上げた。
本当はもっと話していたいけど。
でもこれ以上話したら帰りたくなっちゃうから。
私は相澤さんの声が聞こえなくなったスマホを充電器に挿した。
********
「ちょっといい?」
電話が終わった頃を見計らって俺はドアをノックした。
自分が所有する事務所ではあるが、本来女性が居る部屋に入る時はこうあるべきだというのは分かっている。
「どうぞ」
ガチャリと開けると、名字さんは布団の上に座っていた。
「・・・先ほどはすみませんでした」
腰を90度に折って改めて謝罪した。
「いいえ。ホークスの考えの方が正しいと思います。相澤さんはああ見えて甘いんです」
もっと取り乱してもいいはずなのに、彼女は冷静で、顔を上げると薄っすら笑っていた。
「本当にいいですよ?身体検査しても。相澤さんには内緒にしておくので」
「いや、もう大丈夫」
俺は首を横に振った。
こちらが職場体験側として受け入れているはずなのに、まるで自分の方が子どもに思えて滑稽だった。
生徒というフィルターを外せば、大人な女性だった。
「大変じゃない?いきなり違う世界に来たかと思えばヒーロー目指せなんて」
「でも、相澤さんが受け入れてくれなかったら、どうなってたか分からないし」
ぽんぽんと彼女が自分の横を叩くので俺も布団の上に腰を下ろした。
「だから、相澤さんのためなら私なんだってできます」
「何でもなんて気軽に言わない方がいいよ。死ねって言われたら死ぬの?」
揚げ足を取っている自覚はあった。
だが、彼女を横目で見ると笑っていた。
「はい、もちろん」
その目に迷いは無かった。
「だって、相澤さんがそんなこと言うってことは生きているより死んだ方が私の為ってことです。いつだって私のことを相澤さんは考えてくれてます。だから私は相澤さんの判断を信じます」
彼女には雄英へのスパイ容疑もかかっている。
正直、圧倒的にそっちの可能性の方が高いと思っていた。
だって異世界から来たよりよっぽど現実的だ。
だが、今の俺はスパイの可能性より異世界から来た可能性を信じている。
「・・・相澤先生のこと好きなんスね」
カマを掛けたつもりだった。
しかし、彼女は顔を赤くすると両手で覆った。
・・・・・・確信した。
これでスパイなんて無理だ。
「な、内緒ですよ」
しーっと口元に指をあてる彼女は恋する乙女そのもので。
俺は思わず笑ってしまった。
「何で笑うんですか」
「いやー、可愛いなって思って」
「かわっ・・・!?」
「でも表向き教師と生徒だからヤバくないですか?」
「いえ、この気持ち伝えるつもりないんで!迷惑になっちゃうし」
「迷惑ねぇ・・・」
そんなことないと思うけどな。
俺は相澤先生の顔を思い浮かべた。
