【1章】出会い
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「名前、ここが部屋だ。悪さするなよ」
「はーい」
まさか俺の家にもう1人住むことになるとは。
部屋は余っているが、こんなことのために余らせていたわけではない。
俺は数時間前の会話を思い返した。
「しかし、ここで面倒みるなら誰かがついておかないといけないでしょう。誰がするんですか?」
ブラドの質問に全員が校長から視線を背けた。
「彼女に選んでもらおう。誰がいい?」
「この人」
彼女は即決で俺を指差した。
「何で俺なんだ」
「弱そう」
「おい」
「多勢に無勢なんだから、少しぐらい私に利のある状況にしてもらわないと」
「一騎当千並みの力持ってるくせによく言うな」
「あら、相澤君強いわよ?」
「でも私にこの人の個性効かなかったみたいだし」
個性の話をしたら驚いてはいたが、理解はしたようだ。
状況の対応力は長けているらしい。
「でも確かに相澤君のおかげでこの場も上手くいっているし、頼めるかい?」
校長に言われてしまえば拒否権は無かった。
それに警察に渡さない案を出した責任もある。
「分かりました」
今日は色々ありすぎて疲れた。
名前の生活費は給与に上乗せして支払われることで話がついた。
「相澤さん~。お腹減った」
「冷蔵庫にあるものは好きに食べていい」
「やった!いただきまーす」
名前は冷蔵庫を開けて飲料ゼリーを取り出した。
さすがに飲料ゼリーが食事だと文句をいうかと思ったが、彼女は何も言わずにそれを啜った。
「食べ物、何が好きなんだ」
まだまだ聞けていないことは沢山ある。
名前の言う喰種についてももっと聞き出さないといけない。
真偽を確かめていくためにも出てきた話に矛盾点がないか、精査していかなければならない。
なのにふと俺から出た質問はそんな他愛もないものだった。
名前も俺も疲れている。
重要なことはもっと頭がはっきりしているときに聞いた方がいい。
そう、他愛もない質問のはずなのに。
「さっきも言ったよ。ご飯を美味しいと思ったことはないって」
名前は悲しげな瞳でそう答えた。
*******************
まさか私がまた誰かと一緒に住む日が来るだなんて。
私はずっと1人だった。
ずーっと、ずーっと・・・。
ここが異世界であることには驚いたが、直前の自分の状況と喰種が存在していない事実を合わせれば合点がいった。
彼らが嘘を吐くメリットはない。
それにあれだけの人数がいれば嘘を誰かがつけば反応がバラつくはずだがそれもなかった。
まあ、彼らは私の話を信じているかは別問題であるが。
おおよそ信じてはいないが、現状の会話として受け入れているといったところだろう。
彼らの第一目的は私を逆上させて暴れさせないこと。
人数の不利こそあるものの、立場的には悪くない。
こちらも異世界に来てしまい勝手が分からないので、慣れるまでは利用させてもらう。
私は与えられた部屋で、飲料ゼリーを啜りながら今後の身の振り方を思案した。
「はーい」
まさか俺の家にもう1人住むことになるとは。
部屋は余っているが、こんなことのために余らせていたわけではない。
俺は数時間前の会話を思い返した。
「しかし、ここで面倒みるなら誰かがついておかないといけないでしょう。誰がするんですか?」
ブラドの質問に全員が校長から視線を背けた。
「彼女に選んでもらおう。誰がいい?」
「この人」
彼女は即決で俺を指差した。
「何で俺なんだ」
「弱そう」
「おい」
「多勢に無勢なんだから、少しぐらい私に利のある状況にしてもらわないと」
「一騎当千並みの力持ってるくせによく言うな」
「あら、相澤君強いわよ?」
「でも私にこの人の個性効かなかったみたいだし」
個性の話をしたら驚いてはいたが、理解はしたようだ。
状況の対応力は長けているらしい。
「でも確かに相澤君のおかげでこの場も上手くいっているし、頼めるかい?」
校長に言われてしまえば拒否権は無かった。
それに警察に渡さない案を出した責任もある。
「分かりました」
今日は色々ありすぎて疲れた。
名前の生活費は給与に上乗せして支払われることで話がついた。
「相澤さん~。お腹減った」
「冷蔵庫にあるものは好きに食べていい」
「やった!いただきまーす」
名前は冷蔵庫を開けて飲料ゼリーを取り出した。
さすがに飲料ゼリーが食事だと文句をいうかと思ったが、彼女は何も言わずにそれを啜った。
「食べ物、何が好きなんだ」
まだまだ聞けていないことは沢山ある。
名前の言う喰種についてももっと聞き出さないといけない。
真偽を確かめていくためにも出てきた話に矛盾点がないか、精査していかなければならない。
なのにふと俺から出た質問はそんな他愛もないものだった。
名前も俺も疲れている。
重要なことはもっと頭がはっきりしているときに聞いた方がいい。
そう、他愛もない質問のはずなのに。
「さっきも言ったよ。ご飯を美味しいと思ったことはないって」
名前は悲しげな瞳でそう答えた。
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まさか私がまた誰かと一緒に住む日が来るだなんて。
私はずっと1人だった。
ずーっと、ずーっと・・・。
ここが異世界であることには驚いたが、直前の自分の状況と喰種が存在していない事実を合わせれば合点がいった。
彼らが嘘を吐くメリットはない。
それにあれだけの人数がいれば嘘を誰かがつけば反応がバラつくはずだがそれもなかった。
まあ、彼らは私の話を信じているかは別問題であるが。
おおよそ信じてはいないが、現状の会話として受け入れているといったところだろう。
彼らの第一目的は私を逆上させて暴れさせないこと。
人数の不利こそあるものの、立場的には悪くない。
こちらも異世界に来てしまい勝手が分からないので、慣れるまでは利用させてもらう。
私は与えられた部屋で、飲料ゼリーを啜りながら今後の身の振り方を思案した。