【11章】覚悟
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怒髪天を衝くとはこういうときに使うのだろうか。
普段冷静沈着に物事を対応している自負はあるが、今回に限って俺の心中はかつてないほど乱れていた。
原因はホークスだ。
名前から事情を聞いて自分の耳を疑った。
「何かあったら全力で逃げろ」
いつも傍にいるのに今回に限って・・・。
せめて1日目は向こうに泊まれば良かったか。
まさか職場体験先のヒーローが手を出そうとするなど想像するまい。
すぐに駆けつけられない物理的距離がもどかしかった。
『もしもし?』
電話口に出てきたホークスは悪びれる様子など微塵もない。
「どういうつもりだ。訴えられたいのか」
職場体験でお世話になっている事務所先だということも忘れ、キツイ口調で問い詰めた。
「職場体験で生徒を騙して手籠めにしようなど前代未聞だ」
『いやだな~、相澤先生。彼女"普通の生徒"じゃないじゃないですか』
「理由にならん」
『・・・じゃあ相澤先生は彼女の服の下見たことあります?』
「あるわけないだろう」
『・・・・・・本当に俺達と同じ身体構造してるんですかね?』
「どういう意味だ」
『資料見てる限り、彼女の身体検査行ってないじゃないですか。異世界から来た人間で、個性じゃないのにあんな力持ってるんスよ?そっちで調べる気がないならこっちで調べようかと』
「調べるって言ってもやり方があるだろう」
『表向き彼女の人権を尊重する方向なんでスよね?だったら合意の元であればそれが一番いいかと思って』
「全然合意取れてないだろ」
『やっぱ夜間デートだけじゃ厳しいモンがありましたね~』
飄々としているホークスに頭を抱えた。
とにかくこのまま名前をホークスの先に置いておくわけにはいかない。
俺は職場体験の中止を伝えようとした時、電話口から名前の声が聞こえた。
『いいよ、身体検査しても』
凛とした声。
その声からは恐怖でも羞恥でもなく"覚悟"だった。
『何?脱げばいいの?』
パサリと衣擦れの音が聞こえた。
「・・・おい!やめろ」
『勘違いしないで。これはホークスのためじゃない。相澤さんの立場を守りたいだけだから』
「名前!」
『大丈夫、相澤さん。私はこんなことぐらいじゃ傷つかない』
電話だと向こうの状況が分からない。
くしゃりと髪を掻き上げた。
お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃない。
握るスマホに力が入った。
『・・・・・・ホークス?』
『合格です』
名前とホークスの会話が耳に届く。
『さっきはごめんね。もうあんなことはしないから部屋でお休み。後で電話も返すから』
『・・・へ?あ、はい??』
一つの足音が電話口から遠ざかった。
急な展開についていけず、俺自身も疑問符が浮かぶ。
『さて、先ほどは失礼しました。相澤先生、合格です』
「どういうことだ」
『きちんと飼い慣らしているようなので。このまま彼女の管理をお願いします』
俺は深い溜息を吐いた。
『彼女、服の中に手を入れようとした時、一度喰種化したんですよ。でも急に躊躇って抵抗を止めたんです。さっきの言葉を聞いて分かりました。相澤先生のことを考えたんですね』
そうだ、俺は自分の発言を思い出した。
「確かに、ここに来る前ホークスに従うように言ったな」
『・・・忠実に守ったんですねぇ』
試されていたのは俺の方だった。
『きっと嫌われちゃったんで、残りの職場体験は信頼回復に努めます。戻った後に変態ヒーローなんて吹聴されると困るんで』
「・・・あいつは優しい。きっとすぐに許すだろ」
俺は許さんけどな。
「名前に代わってくれ」
普段冷静沈着に物事を対応している自負はあるが、今回に限って俺の心中はかつてないほど乱れていた。
原因はホークスだ。
名前から事情を聞いて自分の耳を疑った。
「何かあったら全力で逃げろ」
いつも傍にいるのに今回に限って・・・。
せめて1日目は向こうに泊まれば良かったか。
まさか職場体験先のヒーローが手を出そうとするなど想像するまい。
すぐに駆けつけられない物理的距離がもどかしかった。
『もしもし?』
電話口に出てきたホークスは悪びれる様子など微塵もない。
「どういうつもりだ。訴えられたいのか」
職場体験でお世話になっている事務所先だということも忘れ、キツイ口調で問い詰めた。
「職場体験で生徒を騙して手籠めにしようなど前代未聞だ」
『いやだな~、相澤先生。彼女"普通の生徒"じゃないじゃないですか』
「理由にならん」
『・・・じゃあ相澤先生は彼女の服の下見たことあります?』
「あるわけないだろう」
『・・・・・・本当に俺達と同じ身体構造してるんですかね?』
「どういう意味だ」
『資料見てる限り、彼女の身体検査行ってないじゃないですか。異世界から来た人間で、個性じゃないのにあんな力持ってるんスよ?そっちで調べる気がないならこっちで調べようかと』
「調べるって言ってもやり方があるだろう」
『表向き彼女の人権を尊重する方向なんでスよね?だったら合意の元であればそれが一番いいかと思って』
「全然合意取れてないだろ」
『やっぱ夜間デートだけじゃ厳しいモンがありましたね~』
飄々としているホークスに頭を抱えた。
とにかくこのまま名前をホークスの先に置いておくわけにはいかない。
俺は職場体験の中止を伝えようとした時、電話口から名前の声が聞こえた。
『いいよ、身体検査しても』
凛とした声。
その声からは恐怖でも羞恥でもなく"覚悟"だった。
『何?脱げばいいの?』
パサリと衣擦れの音が聞こえた。
「・・・おい!やめろ」
『勘違いしないで。これはホークスのためじゃない。相澤さんの立場を守りたいだけだから』
「名前!」
『大丈夫、相澤さん。私はこんなことぐらいじゃ傷つかない』
電話だと向こうの状況が分からない。
くしゃりと髪を掻き上げた。
お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃない。
握るスマホに力が入った。
『・・・・・・ホークス?』
『合格です』
名前とホークスの会話が耳に届く。
『さっきはごめんね。もうあんなことはしないから部屋でお休み。後で電話も返すから』
『・・・へ?あ、はい??』
一つの足音が電話口から遠ざかった。
急な展開についていけず、俺自身も疑問符が浮かぶ。
『さて、先ほどは失礼しました。相澤先生、合格です』
「どういうことだ」
『きちんと飼い慣らしているようなので。このまま彼女の管理をお願いします』
俺は深い溜息を吐いた。
『彼女、服の中に手を入れようとした時、一度喰種化したんですよ。でも急に躊躇って抵抗を止めたんです。さっきの言葉を聞いて分かりました。相澤先生のことを考えたんですね』
そうだ、俺は自分の発言を思い出した。
「確かに、ここに来る前ホークスに従うように言ったな」
『・・・忠実に守ったんですねぇ』
試されていたのは俺の方だった。
『きっと嫌われちゃったんで、残りの職場体験は信頼回復に努めます。戻った後に変態ヒーローなんて吹聴されると困るんで』
「・・・あいつは優しい。きっとすぐに許すだろ」
俺は許さんけどな。
「名前に代わってくれ」
