【11章】覚悟
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ヒーローネーム考案の授業があることを名前に伝え忘れていた。
案の定、彼女はわたわたしてクリップを前に百面相していた。
幼い頃から決めている生徒も多く、どんどん進んでいくことに焦りもあったのだろう。
名前は何か文字を書き殴っていた。
"ゴースト"なんて少し気味が悪いヒーロー名に何ともいえない空気が教室を包んだ。
気まずそうに席に戻る名前。
どうしてあれだったのか気になっていたので、九州へ向かう道中の話題にした。
「あっちの世界ではさ、喰種ごとにコードネームみたいなのがあったの」
「コードネーム?」
「ラビット、オロチ、ノーフェイス、大喰い、グルメ、ジェイソンとかね・・・」
「もしかして・・・」
「うん、私は"ゴースト"だった」
高速に過ぎていく風景を名前は頬杖をつきながら眺めていた。
トンネルに入ると窓にはっきりと名前の顔が映る。
「おじいさんと別れてから私はある喰種に接触して戦い方を教えてもらった」
懐かしむ目。
それと同時に悲哀の感情も読み取れた。
もしかしてそれが"ウタさん"なのか。
「時々運が悪い日は捜査局の人間に襲われた」
「でも私は彼らを一度も生きて帰したことがない」
「私が本当に存在するのか。接触できた者はもれなく墓場へと引きずり込まれる」
「だから"ゴースト"って言われてた」
そんな過去に捕らわれるような名前になぜしようと思ったのか。
俺ははなはだ疑問だった。
「呼ばれ慣れてるってそういう意味だったのか」
「うん。でも私思ったの」
再度窓ガラスに映る名前に目をやるとその口元は弧を描いていた。
「あれは私の強さの証明でもあった。だから存在が疑われるぐらい強いんだぞーって意味でつけようとしたの。ただ授業の場では上手く説明できなくて・・・」
過去に捕らわれてたわけではなく、意味を変えようとしていたのか。
「私、心も体も強いヒーローになるよ」
ふと手が名前の頭に向かって伸びそうになったが、ここが新幹線の中であることを思い出し引っ込めた。
「だから見ててね、相澤さん」
「ああ」
「あ、でもヒーローネームは考え直すよ。やっぱり説明できないし」
「着くまでに菓子でも食うか」
「わ、なんか私だけ特別」
「元々特別だろ」
「わーい」
俺は売り子の女性を呼び止めてチョコレートを買ってやった。
案の定、彼女はわたわたしてクリップを前に百面相していた。
幼い頃から決めている生徒も多く、どんどん進んでいくことに焦りもあったのだろう。
名前は何か文字を書き殴っていた。
"ゴースト"なんて少し気味が悪いヒーロー名に何ともいえない空気が教室を包んだ。
気まずそうに席に戻る名前。
どうしてあれだったのか気になっていたので、九州へ向かう道中の話題にした。
「あっちの世界ではさ、喰種ごとにコードネームみたいなのがあったの」
「コードネーム?」
「ラビット、オロチ、ノーフェイス、大喰い、グルメ、ジェイソンとかね・・・」
「もしかして・・・」
「うん、私は"ゴースト"だった」
高速に過ぎていく風景を名前は頬杖をつきながら眺めていた。
トンネルに入ると窓にはっきりと名前の顔が映る。
「おじいさんと別れてから私はある喰種に接触して戦い方を教えてもらった」
懐かしむ目。
それと同時に悲哀の感情も読み取れた。
もしかしてそれが"ウタさん"なのか。
「時々運が悪い日は捜査局の人間に襲われた」
「でも私は彼らを一度も生きて帰したことがない」
「私が本当に存在するのか。接触できた者はもれなく墓場へと引きずり込まれる」
「だから"ゴースト"って言われてた」
そんな過去に捕らわれるような名前になぜしようと思ったのか。
俺ははなはだ疑問だった。
「呼ばれ慣れてるってそういう意味だったのか」
「うん。でも私思ったの」
再度窓ガラスに映る名前に目をやるとその口元は弧を描いていた。
「あれは私の強さの証明でもあった。だから存在が疑われるぐらい強いんだぞーって意味でつけようとしたの。ただ授業の場では上手く説明できなくて・・・」
過去に捕らわれてたわけではなく、意味を変えようとしていたのか。
「私、心も体も強いヒーローになるよ」
ふと手が名前の頭に向かって伸びそうになったが、ここが新幹線の中であることを思い出し引っ込めた。
「だから見ててね、相澤さん」
「ああ」
「あ、でもヒーローネームは考え直すよ。やっぱり説明できないし」
「着くまでに菓子でも食うか」
「わ、なんか私だけ特別」
「元々特別だろ」
「わーい」
俺は売り子の女性を呼び止めてチョコレートを買ってやった。
