【10章】疑惑
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建物の外で別れを告げると、爆豪くんはあっさり一人で帰って行った。
「どうしよう・・・」
心臓がバクバクしている。
爆豪くん、誰かに言いふらしたり本当にしないかな。
あまり噂話が好きなタイプには見えないけど、それでもまだ高校生だ。
何の拍子に漏れるか分からない。
それに彼は轟くんと違って、私に対して疑念よりも確信に近いものを持っている。
ぎゅっと制服の胸元を掴んだ。
「どうした?」
相澤さんが怪訝そうな顔で私を覗き込んできた。
「・・・・・・ううん。何でもない」
相談したい。
でもできない。
呆れられちゃうかも。
そう思ったら言えなかった。
自分でなんとかしなきゃ。
少しでも長く相澤さんと一緒にいられる方法を考えなくちゃ。
とにかく今は爆豪くんが回りに言いふらさないことを信じ、彼の言動に注意するしかない。
********
名前の様子がおかしい。
何だか思いつめた表情をしている。
何度か「どうしたんだ」と尋ねてみるが、首を横に振るばかりだ。
「職場体験かぁ・・・」
「どうした、寂しいのか」
「うん」
からかったつもりだったのだが、思いの外ストレートな返答にカウンターを喰らった気分だ。
「相澤さんと離れるのちょっと不安・・・」
「大丈夫だ。若手だが実力は申し分ない。それに彼の個性は剛翼だ。似通ってるところがあるから勉強にもなる」
「そう言えばみんな騒いでたなぁ」
「チャンスだと思って存分に吸収してこい」
「うん、頑張る」
薄っすら笑う彼女がなぜか儚げに映って、思わず手を伸ばした。
「相澤さん?」
最近はこれがお決まりだ。
つむじから髪が流れる方向へ手を動かすと、気持ちよさそうに口元が弧を描いた。
いそいそと俺の座る横まで移動すると、脚を三角にたたんですり寄ってきた。
まるでその姿は猫のようだ。
もっともっととせがむので俺はその要望に応えた。
安心したように表情を綻ばせるものだから、俺もつられて頬が緩んだ。
「どうしよう・・・」
心臓がバクバクしている。
爆豪くん、誰かに言いふらしたり本当にしないかな。
あまり噂話が好きなタイプには見えないけど、それでもまだ高校生だ。
何の拍子に漏れるか分からない。
それに彼は轟くんと違って、私に対して疑念よりも確信に近いものを持っている。
ぎゅっと制服の胸元を掴んだ。
「どうした?」
相澤さんが怪訝そうな顔で私を覗き込んできた。
「・・・・・・ううん。何でもない」
相談したい。
でもできない。
呆れられちゃうかも。
そう思ったら言えなかった。
自分でなんとかしなきゃ。
少しでも長く相澤さんと一緒にいられる方法を考えなくちゃ。
とにかく今は爆豪くんが回りに言いふらさないことを信じ、彼の言動に注意するしかない。
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名前の様子がおかしい。
何だか思いつめた表情をしている。
何度か「どうしたんだ」と尋ねてみるが、首を横に振るばかりだ。
「職場体験かぁ・・・」
「どうした、寂しいのか」
「うん」
からかったつもりだったのだが、思いの外ストレートな返答にカウンターを喰らった気分だ。
「相澤さんと離れるのちょっと不安・・・」
「大丈夫だ。若手だが実力は申し分ない。それに彼の個性は剛翼だ。似通ってるところがあるから勉強にもなる」
「そう言えばみんな騒いでたなぁ」
「チャンスだと思って存分に吸収してこい」
「うん、頑張る」
薄っすら笑う彼女がなぜか儚げに映って、思わず手を伸ばした。
「相澤さん?」
最近はこれがお決まりだ。
つむじから髪が流れる方向へ手を動かすと、気持ちよさそうに口元が弧を描いた。
いそいそと俺の座る横まで移動すると、脚を三角にたたんですり寄ってきた。
まるでその姿は猫のようだ。
もっともっととせがむので俺はその要望に応えた。
安心したように表情を綻ばせるものだから、俺もつられて頬が緩んだ。
