【10章】疑惑
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「だー!!白黒ついた!!」
なるほど。
体育祭はこのためにあるのね。
私は黒板に張り出された結果を見て納得した。
体育祭後の職場体験。
そこでは体育祭を見たヒーローから指名を受けるのだ。
指名の無かった生徒は学校側が抽出した先から選ぶことになっている。
「例年はもっとばらけるんだが・・・」
グラフは轟くんと爆豪くんが群を抜いていた。
有り難いことに私にも指名が10ほど入っていた。
「(でも私はどうしたらいいんだろう・・・?)」
皆みたいに好きなところを選べるわけではないはずだ。
「すごいね、指名数ダントツじゃん」
私は振り返って轟くんに喋りかけた。
「親父の影響力だろ」
「そんな捻くれた言い方しないの!素直に喜びなよ」
「名字はどこから指名来たんだ?」
「ここだよ」
私はプリントを轟くんに見せた。
「・・・エンデヴァー事務所」
「うん。指名頂いちゃった」
1回戦で負けたのに何でだろうね?と首を傾げたら轟くんは考え込んでいた。
「どこにするのか決めたのか?」
「ううん。まだ」
「・・・というか、すげぇな」
「何が?」
「指名されてる事務所、ほとんど人気ヒーローじゃねぇか」
え、そうなんだ。
ヒーローに疎い私は、最近やっと知ったかぶりからエンデヴァーを覚えたばかりだったので他のヒーローの情報もあまり整理できていなかった。
覚えなきゃと思いつつ後回しにしてしまっていた。
「名字どこから指名受けてんの?」
上鳴くんがひらりと轟くんに渡したプリントを取った。
「え!?エンデヴァー、ホークス、ベストジーニスト、エッジショット、リューキュウ・・・」
「何それすごーい!!」
「量より質ってやつ!?」
よくわからないがすごいらしい。
私はえへへと笑って誤魔化した。
「おい」
爆豪くんに肩を掴まれたので振り返った。
「あの約束、今日にしろ」
「えらく急だね。別にいいけど・・・」
要件を一方的に伝えるだけ伝えて、自分の席に戻っていった爆豪くん。
「約束?」
「体育祭で棄権した穴埋めで、手合わせしろって言われてるの」
「そうか・・・」
私はたらい回しにされて戻ってきたプリントを眺めた。
********
昼休み。
俺は名前を生徒指導室へ呼び出した。
中へ入ったのを確認し、ドアに掛かっている札を「使用中」へ変えた。
「見たか、職場体験先」
「うん。でも私は自由に選べるわけじゃない・・・よね?」
「ああ。申し訳ないがこちらで行く先は決めさせてもらった」
プリントを受け取ると赤印で丸を付けた。
「ホークス事務所・・・」
「不服か?」
「ううん。自分で決めていいって言われても困るし」
「当日は俺が現地まで付き添うつもりだ。泊まる場所は事務所内になる」
「監視役が相澤さんじゃなくなるってこと?」
「・・・そうだな」
実は国からは名前のことについてせっつかれていた。
一度渡せと。
だから公安委員会と繋がりのあるホークスを職場体験先とすることで、一旦国側のガス抜きを計ったわけだ。
もちろんホークスにはすでに名前の存在を告知している。
つまり職場体験というのは表向きで、ホークスが名前のことをどう判断するかが重要だ。
こちらに不利な報告を上げられると困る。
「大人しく、ホークスに従うんだぞ」
「はーい」
大丈夫だとは思うが、心中穏やかではなかった。
なるほど。
体育祭はこのためにあるのね。
私は黒板に張り出された結果を見て納得した。
体育祭後の職場体験。
そこでは体育祭を見たヒーローから指名を受けるのだ。
指名の無かった生徒は学校側が抽出した先から選ぶことになっている。
「例年はもっとばらけるんだが・・・」
グラフは轟くんと爆豪くんが群を抜いていた。
有り難いことに私にも指名が10ほど入っていた。
「(でも私はどうしたらいいんだろう・・・?)」
皆みたいに好きなところを選べるわけではないはずだ。
「すごいね、指名数ダントツじゃん」
私は振り返って轟くんに喋りかけた。
「親父の影響力だろ」
「そんな捻くれた言い方しないの!素直に喜びなよ」
「名字はどこから指名来たんだ?」
「ここだよ」
私はプリントを轟くんに見せた。
「・・・エンデヴァー事務所」
「うん。指名頂いちゃった」
1回戦で負けたのに何でだろうね?と首を傾げたら轟くんは考え込んでいた。
「どこにするのか決めたのか?」
「ううん。まだ」
「・・・というか、すげぇな」
「何が?」
「指名されてる事務所、ほとんど人気ヒーローじゃねぇか」
え、そうなんだ。
ヒーローに疎い私は、最近やっと知ったかぶりからエンデヴァーを覚えたばかりだったので他のヒーローの情報もあまり整理できていなかった。
覚えなきゃと思いつつ後回しにしてしまっていた。
「名字どこから指名受けてんの?」
上鳴くんがひらりと轟くんに渡したプリントを取った。
「え!?エンデヴァー、ホークス、ベストジーニスト、エッジショット、リューキュウ・・・」
「何それすごーい!!」
「量より質ってやつ!?」
よくわからないがすごいらしい。
私はえへへと笑って誤魔化した。
「おい」
爆豪くんに肩を掴まれたので振り返った。
「あの約束、今日にしろ」
「えらく急だね。別にいいけど・・・」
要件を一方的に伝えるだけ伝えて、自分の席に戻っていった爆豪くん。
「約束?」
「体育祭で棄権した穴埋めで、手合わせしろって言われてるの」
「そうか・・・」
私はたらい回しにされて戻ってきたプリントを眺めた。
********
昼休み。
俺は名前を生徒指導室へ呼び出した。
中へ入ったのを確認し、ドアに掛かっている札を「使用中」へ変えた。
「見たか、職場体験先」
「うん。でも私は自由に選べるわけじゃない・・・よね?」
「ああ。申し訳ないがこちらで行く先は決めさせてもらった」
プリントを受け取ると赤印で丸を付けた。
「ホークス事務所・・・」
「不服か?」
「ううん。自分で決めていいって言われても困るし」
「当日は俺が現地まで付き添うつもりだ。泊まる場所は事務所内になる」
「監視役が相澤さんじゃなくなるってこと?」
「・・・そうだな」
実は国からは名前のことについてせっつかれていた。
一度渡せと。
だから公安委員会と繋がりのあるホークスを職場体験先とすることで、一旦国側のガス抜きを計ったわけだ。
もちろんホークスにはすでに名前の存在を告知している。
つまり職場体験というのは表向きで、ホークスが名前のことをどう判断するかが重要だ。
こちらに不利な報告を上げられると困る。
「大人しく、ホークスに従うんだぞ」
「はーい」
大丈夫だとは思うが、心中穏やかではなかった。
