【9章】脆弱
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「・・・決勝、誰が残るかな」
「有力候補は爆豪、轟だろう」
「でも緑谷くんとか結構ダークホースだと思う」
「あいつなぁ・・・」
「ところで戻らなくていいの?」
「元々俺は放送席に入る予定じゃなかった」
「担任として見届ける責務は?」
「それより今はこっちが目を離せんからな」
不謹慎かもしれないけど、私を優先してくれたことが嬉しかった。
本当は聞きたいこと沢山あるだろうけど、私の心情を察してくれているのか、何も聞いてはこなかった。
ただ、傍に寄り添ってくれている。
「戻ってもいいよ?私は行かないけど」
私はずるい。
相澤さんが私を置いて行かないこと分かってるのに確かめたくてそう聞いた。
「戻れるわけないだろ」
ああ、今分かったかもしれない。
相澤さんになら裏切られてもいいって思ったけど、そうじゃない。
相澤さんなら裏切らない。
私は彼と積み重ねていく日々で少しずつ確信していったのだ。
それを言葉で表すなら"信頼"。
「相澤さん、ありがとう」
ふと口から漏れたのは感謝だった。
「何がだ」
「色々・・・」
雑な返しだったが、気持ちは伝わったらしい。
「無理するな」
私はこれ以上近づく距離がないため、相澤さんの胸に頭をぐりぐりめり込ませた。
「おい」
「えへへ」
相澤さんは口とは裏腹に腕を背中に回してくれた。
遠くの方で、爆音と歓声が聞こえた。
********
「結局爆豪くんが優勝したんだ・・・」
さすがに閉会式には相澤さんも出ないといけないので、私は控室に籠った。
モニターでその様子を見守るが、優勝者とは思えない姿に笑ってしまった。
冷静になるとさっきは相澤さんにとんでもないことをしてしまったような。
あんなに泣いたのは久しぶりだ。
ずっと背中を擦ってくれて、相澤さんの胸は温かかった。
急に恥ずかしくなった。
ぶわりと上昇する頬の温度を隠すために両手で包んだ。
ウタさんのこと聞かれなくてホッとしてる。
思い出したくないのと同時に、相澤さんには話したくないと思ってしまった。
何となく自分の気持ちに気付いていた。
だってこの気持ちは初めてじゃないから。
私、相澤さんのこと好きになってしまった。
だからかつて好きだった男性のことを今好きな人に話す事に抵抗があったのだ。
「はぁ~・・・」
頬に当てていた両手をそのまま正面に持ってきて、顔を両手で覆った。
「有力候補は爆豪、轟だろう」
「でも緑谷くんとか結構ダークホースだと思う」
「あいつなぁ・・・」
「ところで戻らなくていいの?」
「元々俺は放送席に入る予定じゃなかった」
「担任として見届ける責務は?」
「それより今はこっちが目を離せんからな」
不謹慎かもしれないけど、私を優先してくれたことが嬉しかった。
本当は聞きたいこと沢山あるだろうけど、私の心情を察してくれているのか、何も聞いてはこなかった。
ただ、傍に寄り添ってくれている。
「戻ってもいいよ?私は行かないけど」
私はずるい。
相澤さんが私を置いて行かないこと分かってるのに確かめたくてそう聞いた。
「戻れるわけないだろ」
ああ、今分かったかもしれない。
相澤さんになら裏切られてもいいって思ったけど、そうじゃない。
相澤さんなら裏切らない。
私は彼と積み重ねていく日々で少しずつ確信していったのだ。
それを言葉で表すなら"信頼"。
「相澤さん、ありがとう」
ふと口から漏れたのは感謝だった。
「何がだ」
「色々・・・」
雑な返しだったが、気持ちは伝わったらしい。
「無理するな」
私はこれ以上近づく距離がないため、相澤さんの胸に頭をぐりぐりめり込ませた。
「おい」
「えへへ」
相澤さんは口とは裏腹に腕を背中に回してくれた。
遠くの方で、爆音と歓声が聞こえた。
********
「結局爆豪くんが優勝したんだ・・・」
さすがに閉会式には相澤さんも出ないといけないので、私は控室に籠った。
モニターでその様子を見守るが、優勝者とは思えない姿に笑ってしまった。
冷静になるとさっきは相澤さんにとんでもないことをしてしまったような。
あんなに泣いたのは久しぶりだ。
ずっと背中を擦ってくれて、相澤さんの胸は温かかった。
急に恥ずかしくなった。
ぶわりと上昇する頬の温度を隠すために両手で包んだ。
ウタさんのこと聞かれなくてホッとしてる。
思い出したくないのと同時に、相澤さんには話したくないと思ってしまった。
何となく自分の気持ちに気付いていた。
だってこの気持ちは初めてじゃないから。
私、相澤さんのこと好きになってしまった。
だからかつて好きだった男性のことを今好きな人に話す事に抵抗があったのだ。
「はぁ~・・・」
頬に当てていた両手をそのまま正面に持ってきて、顔を両手で覆った。
