【9章】脆弱
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トーナメントの組み合わせは抽選で決まる。
尾白くん達が辞退するというハプニングもあったが、滞りなく抽選は行われた。
「私は1回戦最後か・・・」
「ふん、完膚なきまでに叩きのめしてやる」
ふと目の前に影ができたので見上げると爆豪くんだった。
わざわざ宣戦布告してくるなんて彼らしい。
「負け犬の遠吠えにならないように気を付けて」
烈火の如く言い返してくるかと思ったが、私の挑発を彼は躱した。
私は去っていく彼の背中に視線を送った。
********
順当に試合は進み、私達の番。
リングの上に上がると観衆の声が響いた。
「女だからって容赦しねぇからな」
「お互いにね」
年下だからって容赦しない。
私は腕を伸ばした。
「レディ・・・ファイッ!!!」
ミッドナイト先生の合図と当時に、爆豪くんは両手を爆破してこちらへ向かってきた。
想定内だったので私は黒翼を出して空中に飛んだ。
「逃がすかよッ!」
想像通り爆豪くんは私を追いかけてきた。
空中を飛び回り、丁度いい高度と体勢を作った。
「逃げ回ってんじゃねぇ!!」
止まってくるりと爆豪くんと向き合った。
「爆豪くんは空中では両足しか使えないね。私は両手両足使えるよ」
爆豪くんの腰に蹴りを入れた。
私の方が空中には慣れている。
さすがの反射神経で爆豪くんも足で蹴り上げてきたが、腕でガード。
そのまま足を引っ掴んで投げようとした。
すると彼は捕まれた足を起点に上半身を捻って拳を入れようとしたので足を離した。
急に支えを失ったことで彼は空中から地面へと落下した。
爆破で体勢を整えようとしたが、その一瞬は私にとって十分な隙だった。
彼の腹部目がけて蹴りを入れた。
ドォォォォン!!!
砂埃が会場にまった。
「激しい攻防!!どーなったんだ!!??見えねぇ・・・」
視界が開けた。
私は爆豪くんに馬乗りになり黒翼で足を押さえ、両腕で爆豪くんの上半身を押さえた。
「おーっと、爆豪すげぇ羨ましいシチュエーション!!」
マイク先生、また爆豪くんの神経逆撫でするような発言を・・・。
爆豪くんは私の下でもがいているが、体勢の優位もあり抜け出せなさそうだ。
「ギブアップする?」
「しねぇわッ!!」
まるで威嚇のように爆破をしているが、腕が押さえられているため私に届かない。
「でももう格付けは済んだよね」
「・・・ッ!!」
悔しそうに顔を歪める爆豪くん。
このまま場外に投げ出すか。
黒翼を腰に巻き付けようとしたとき、ふと私の耳に観客の声が聞こえた。
「いいぞ~!もっとやれ~!!」
顔を上げて周囲を見渡すと、無数の観客の目が自分に降り注いでいた。
全身の血が逆流したような気がした。
脳裏にはこの世界に来る前に起きた出来事が駆け巡った。
私を裏切ったあの人。
観客の好奇の眼差し。
「やめてっ・・・!」
フラッシュバック。
私を見ている沢山の目から逃れたくて両手で頭を覆った。
「おい・・・おい!」
爆豪くんに肩を揺すられて我に返った。
私が両手を彼から離したことで、自由な身となり下から這い出ていた。
「あ・・・」
爆豪くんの真っ赤な瞳と目が合った。
放送席を見上げると、相澤さんが身を乗り出していた。
「おーっと、どうした?」
試合が止まったことで観客がザワついている。
その声も耳障りだった。
マイク先生が何とか場を持たせようとしてくれているが、私の動悸は収まらなかった。
「・・・棄権します」
「ハアッ!?」
一刻も早くこの場を去りたかった。
黒翼を出すと、爆豪くんに背を向けて会場を後にした。
こうして私の体育祭は一回戦棄権負けという形で幕を下ろした。
尾白くん達が辞退するというハプニングもあったが、滞りなく抽選は行われた。
「私は1回戦最後か・・・」
「ふん、完膚なきまでに叩きのめしてやる」
ふと目の前に影ができたので見上げると爆豪くんだった。
わざわざ宣戦布告してくるなんて彼らしい。
「負け犬の遠吠えにならないように気を付けて」
烈火の如く言い返してくるかと思ったが、私の挑発を彼は躱した。
私は去っていく彼の背中に視線を送った。
********
順当に試合は進み、私達の番。
リングの上に上がると観衆の声が響いた。
「女だからって容赦しねぇからな」
「お互いにね」
年下だからって容赦しない。
私は腕を伸ばした。
「レディ・・・ファイッ!!!」
ミッドナイト先生の合図と当時に、爆豪くんは両手を爆破してこちらへ向かってきた。
想定内だったので私は黒翼を出して空中に飛んだ。
「逃がすかよッ!」
想像通り爆豪くんは私を追いかけてきた。
空中を飛び回り、丁度いい高度と体勢を作った。
「逃げ回ってんじゃねぇ!!」
止まってくるりと爆豪くんと向き合った。
「爆豪くんは空中では両足しか使えないね。私は両手両足使えるよ」
爆豪くんの腰に蹴りを入れた。
私の方が空中には慣れている。
さすがの反射神経で爆豪くんも足で蹴り上げてきたが、腕でガード。
そのまま足を引っ掴んで投げようとした。
すると彼は捕まれた足を起点に上半身を捻って拳を入れようとしたので足を離した。
急に支えを失ったことで彼は空中から地面へと落下した。
爆破で体勢を整えようとしたが、その一瞬は私にとって十分な隙だった。
彼の腹部目がけて蹴りを入れた。
ドォォォォン!!!
砂埃が会場にまった。
「激しい攻防!!どーなったんだ!!??見えねぇ・・・」
視界が開けた。
私は爆豪くんに馬乗りになり黒翼で足を押さえ、両腕で爆豪くんの上半身を押さえた。
「おーっと、爆豪すげぇ羨ましいシチュエーション!!」
マイク先生、また爆豪くんの神経逆撫でするような発言を・・・。
爆豪くんは私の下でもがいているが、体勢の優位もあり抜け出せなさそうだ。
「ギブアップする?」
「しねぇわッ!!」
まるで威嚇のように爆破をしているが、腕が押さえられているため私に届かない。
「でももう格付けは済んだよね」
「・・・ッ!!」
悔しそうに顔を歪める爆豪くん。
このまま場外に投げ出すか。
黒翼を腰に巻き付けようとしたとき、ふと私の耳に観客の声が聞こえた。
「いいぞ~!もっとやれ~!!」
顔を上げて周囲を見渡すと、無数の観客の目が自分に降り注いでいた。
全身の血が逆流したような気がした。
脳裏にはこの世界に来る前に起きた出来事が駆け巡った。
私を裏切ったあの人。
観客の好奇の眼差し。
「やめてっ・・・!」
フラッシュバック。
私を見ている沢山の目から逃れたくて両手で頭を覆った。
「おい・・・おい!」
爆豪くんに肩を揺すられて我に返った。
私が両手を彼から離したことで、自由な身となり下から這い出ていた。
「あ・・・」
爆豪くんの真っ赤な瞳と目が合った。
放送席を見上げると、相澤さんが身を乗り出していた。
「おーっと、どうした?」
試合が止まったことで観客がザワついている。
その声も耳障りだった。
マイク先生が何とか場を持たせようとしてくれているが、私の動悸は収まらなかった。
「・・・棄権します」
「ハアッ!?」
一刻も早くこの場を去りたかった。
黒翼を出すと、爆豪くんに背を向けて会場を後にした。
こうして私の体育祭は一回戦棄権負けという形で幕を下ろした。
