【9章】脆弱
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「名前さん!見つけましたわ。これを着てください」
百ちゃんが持っていたのはチアガールの衣装だった。
「なにこれ?スカート短っ」
「かくかくじかじかで・・・」
彼女の説明によると応援合戦で女子生徒はみんな着ないといけないらしい。
正直、情報の伝達元が上鳴くんと峰田くんというのが怪しすぎるけれど、みんな着ているし・・・。
私も深く考えずに袖を通した。
いや、袖無かったわ。
「お腹冷えそう・・・」
ついでに渡された黄色いポンポンを持って会場へと入った。
まぁ・・・結果的にやっぱり騙されてたよね。
誰一人着ていない。
擦れ違った女子生徒を見てたら何となく予想ついたけど、百ちゃんは本気で騙されていたらしい。
「いいじゃん!やったろー!!」
「わっ!」
透ちゃんが私の手を取ってジャンプした。
「どうせだから楽しんだ者勝ちだよ!」
「ふふ、そうだね」
透ちゃんに合わせて私も踊ってみたり、ポンポン振ってみたり。
レクリエーションに出てる人を応援したり。
「頑張れ~!」
只今借り物競争中。
B組の拳藤さんが物間くんのところへ一直線。
「あ、あの人」
紫色の髪色をした男の子がこちらへ向かってきた。
確か彼は騎馬戦で・・・。
「ねぇ、俺と一緒に来てくれない?」
「おい」
私の前に尾白くんが立った。
「別に何もしないよ」
「名字さん、行かなくていいよ」
「・・・やっぱいいや。他探す」
尾白くんのバリケードに諦めたらしい彼は踵を返そうと背を向けた。
私は黒翼を出して紫の彼の脇を抱え上げ、空中へ浮いた。
「えっ、ちょっ」
地面から足が離れた彼は身をよじった。
「動いたら危ないって!洗脳しても落ちるからやめてね。いっくよ~」
私はぐんぐんと走る生徒を追い抜いていった。
そしてゴールテープを切った。
「やった~!」
彼を降ろしてハイタッチを促した。
戸惑いながらも私の手に自身の手を当ててくれた。
「借り物に連れて来られるってなかなかシュールね!」
ミッドナイト先生にお題を渡す彼。
「お題は・・・空を飛べる人!!皆この目で見たからばっちりオッケーよ!」
なるほど。
一回戦の障害物競走で空を飛んでいたところを彼は見ていたのだ。
「ありがとう。でも・・・何で来てくれたの?」
「ん?透ちゃんがね、楽しんだ者勝ちだって言ってたから!楽しかったよ。こちらこそ選んでくれてありがとう」
お礼を言うと目の前の彼は少し目を開いた。
「心操くん・・・だよね?お互い次頑張ろうね!」
私は手を振って皆のところへ戻った。
そういえば心操くんって誰かに似てるような・・・?
********
「なにやってんだ・・・」
「お前のクラスいつもやってくれんな!まぁでも皆チア似合ってるしいいんじゃん?」
これだけ人がいるけれど名前の姿はすぐに見つかる。
彼女もまた例に漏れず、しっかりチアの服を着ていた。
初めは乗り気ではなさそうだったが、葉隠のテンションに引っ張られたのか徐々にその表情は明るくなった。
ポンポンを振りながら楽しそうにレクリエーションに参加している。
そして障害物競走では他クラスの生徒で指名され、黒翼を使って担ぎ上げたままゴールイン。
「あいつは確か・・・」
最終に残ってたな。
内心、少し注目している生徒だった。
名前は笑顔でハイタッチを要求している。
「消太、顔怖い」
「元々だ」
「男の嫉妬は醜いよ?」
「黙れ」
放送席の足元で蹴りを入れた。
手が動かない分最近は足を使う頻度が多い。
「でもさ、やっぱ名前ちゃんが内通者だと思いたくないっていうのが本音だよな」
「・・・スピーカー切ってんだろうな」
電源を見たら入ってなかった。
「俺でさえ、ぶっちゃけ情入ってんもん」
「・・・」
「辛かったらいつでも代わるからな」
「ああ。だが大丈夫だ」
誰にもこのポジションを渡す気は無かった。
だから何としてでも疑いを晴らさないといけない。
百ちゃんが持っていたのはチアガールの衣装だった。
「なにこれ?スカート短っ」
「かくかくじかじかで・・・」
彼女の説明によると応援合戦で女子生徒はみんな着ないといけないらしい。
正直、情報の伝達元が上鳴くんと峰田くんというのが怪しすぎるけれど、みんな着ているし・・・。
私も深く考えずに袖を通した。
いや、袖無かったわ。
「お腹冷えそう・・・」
ついでに渡された黄色いポンポンを持って会場へと入った。
まぁ・・・結果的にやっぱり騙されてたよね。
誰一人着ていない。
擦れ違った女子生徒を見てたら何となく予想ついたけど、百ちゃんは本気で騙されていたらしい。
「いいじゃん!やったろー!!」
「わっ!」
透ちゃんが私の手を取ってジャンプした。
「どうせだから楽しんだ者勝ちだよ!」
「ふふ、そうだね」
透ちゃんに合わせて私も踊ってみたり、ポンポン振ってみたり。
レクリエーションに出てる人を応援したり。
「頑張れ~!」
只今借り物競争中。
B組の拳藤さんが物間くんのところへ一直線。
「あ、あの人」
紫色の髪色をした男の子がこちらへ向かってきた。
確か彼は騎馬戦で・・・。
「ねぇ、俺と一緒に来てくれない?」
「おい」
私の前に尾白くんが立った。
「別に何もしないよ」
「名字さん、行かなくていいよ」
「・・・やっぱいいや。他探す」
尾白くんのバリケードに諦めたらしい彼は踵を返そうと背を向けた。
私は黒翼を出して紫の彼の脇を抱え上げ、空中へ浮いた。
「えっ、ちょっ」
地面から足が離れた彼は身をよじった。
「動いたら危ないって!洗脳しても落ちるからやめてね。いっくよ~」
私はぐんぐんと走る生徒を追い抜いていった。
そしてゴールテープを切った。
「やった~!」
彼を降ろしてハイタッチを促した。
戸惑いながらも私の手に自身の手を当ててくれた。
「借り物に連れて来られるってなかなかシュールね!」
ミッドナイト先生にお題を渡す彼。
「お題は・・・空を飛べる人!!皆この目で見たからばっちりオッケーよ!」
なるほど。
一回戦の障害物競走で空を飛んでいたところを彼は見ていたのだ。
「ありがとう。でも・・・何で来てくれたの?」
「ん?透ちゃんがね、楽しんだ者勝ちだって言ってたから!楽しかったよ。こちらこそ選んでくれてありがとう」
お礼を言うと目の前の彼は少し目を開いた。
「心操くん・・・だよね?お互い次頑張ろうね!」
私は手を振って皆のところへ戻った。
そういえば心操くんって誰かに似てるような・・・?
********
「なにやってんだ・・・」
「お前のクラスいつもやってくれんな!まぁでも皆チア似合ってるしいいんじゃん?」
これだけ人がいるけれど名前の姿はすぐに見つかる。
彼女もまた例に漏れず、しっかりチアの服を着ていた。
初めは乗り気ではなさそうだったが、葉隠のテンションに引っ張られたのか徐々にその表情は明るくなった。
ポンポンを振りながら楽しそうにレクリエーションに参加している。
そして障害物競走では他クラスの生徒で指名され、黒翼を使って担ぎ上げたままゴールイン。
「あいつは確か・・・」
最終に残ってたな。
内心、少し注目している生徒だった。
名前は笑顔でハイタッチを要求している。
「消太、顔怖い」
「元々だ」
「男の嫉妬は醜いよ?」
「黙れ」
放送席の足元で蹴りを入れた。
手が動かない分最近は足を使う頻度が多い。
「でもさ、やっぱ名前ちゃんが内通者だと思いたくないっていうのが本音だよな」
「・・・スピーカー切ってんだろうな」
電源を見たら入ってなかった。
「俺でさえ、ぶっちゃけ情入ってんもん」
「・・・」
「辛かったらいつでも代わるからな」
「ああ。だが大丈夫だ」
誰にもこのポジションを渡す気は無かった。
だから何としてでも疑いを晴らさないといけない。
