【8章】日常
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USJ襲撃後、初めての名前に関する定例会議。
嫌な予感は当たってしまった。
「正直、俺は今回のUSJ襲撃事件に名前が関わっているのではないかと思ってる」
口火を切ったのはブラドだった。
元々雄英で預かることに反対していた。
ブラドと同じ考えの教員は他にも数名いた。
「今まで雄英のセキュリティが破られたことあったか!?彼女が異世界から来た年にたまたま起こった!?偶然なのか?」
俺は名前と毎日接していることによる積み重ねがあるが、他の教員は違った。
そう思うのも仕方がない。
かろうじてマイクとミッドナイトさんはこちらの味方だが、それはあくまで俺自身の判断を信用しているにすぎなくて、名前自身を本心でどう思っているのか定かではない。
「ちょっと待ってくれ。確たる証拠もないのに先走った結論は・・・」
「違うという証拠も出せないだろう。万一彼女がスパイなら今もずっとここは危険に晒されていることになる」
「そうやって一方的に決めつけるな」
「イレイザー、お前本当に中立な立場なんだよな?」
「当たり前だろう」
「情が湧いてるなら他の教員で見る」
「まあまあ。2人共落ち着いて」
俺とブラドの言い合いに待ったを掛けたのは校長だった。
「彼女が外部と連絡を取っている様子は無かったんだよね?」
「ええ。近くのスーパーでさえ1人では行かせていません。毎日彼女が入浴中に携帯のチェックもしています」
「とりあえず現状維持しよう。彼女を受け入れることは会議で決めた。ただ、これまで以上に彼女の動向には目を光らせてもらえるかい?」
「分かりました」
「体育祭はどうするんですか?もしテレビ中継を通して敵に何かしらの暗号を送ったら」
「体育祭は明日だ。今から彼女だけ出場停止にしたら他の生徒が怪しむだろう。だが、当日はその点も注意しておこう」
こちらに来てから少しずつ培ってきた名前への信頼は簡単に崩れてしまった。
会議が終わり、やるせない気持ちのまま席を立った。
「イレイザー、さっきはちょっと感情的になった。すまない」
ブラドが謝ってきた。
「いや、お前の考えは間違ってないよ」
擦れ違いざまに肩を叩いて会議室を出た。
「あ、相澤さん」
今日は名前の方が先に裏門に着いていた。
日はとっぷり暮れた。
メイン通りではないこちら側は街灯も少ない。
「今日、会議だったよね?・・・どうだった?」
名前に聞かれて、思い出した。
1人で学校から家まで帰宅する許可を会議で得るはずだった。
しかし議題にすら上げる余裕はなかった。
「すまない、無理だった」
「・・・そっか」
名前は残念そうに眉を下げたが、すぐに気を取り直していた。
「何で相澤さんがそんな顔すんの!」
「・・・どんな顔だ」
「悲しそうな顔」
名前に指摘されるまで気付かなかった。
正直、やるべき事はやっているが、ブラドの言う通り感情として中立に立てているとはいえない。
「悪かったな」
「いいって!信用してもらえないのは仕方ないし。別に今のままでも十分だよ」
こんな不便な生活で満足しているというのか。
ふと伸ばした俺の手は名前の頭の上に乗った。
「相澤さん?」
そのまま後頭部に手を這わせると、名前は気持ちよさそうに目を閉じたので数回繰り返した。
嫌な予感は当たってしまった。
「正直、俺は今回のUSJ襲撃事件に名前が関わっているのではないかと思ってる」
口火を切ったのはブラドだった。
元々雄英で預かることに反対していた。
ブラドと同じ考えの教員は他にも数名いた。
「今まで雄英のセキュリティが破られたことあったか!?彼女が異世界から来た年にたまたま起こった!?偶然なのか?」
俺は名前と毎日接していることによる積み重ねがあるが、他の教員は違った。
そう思うのも仕方がない。
かろうじてマイクとミッドナイトさんはこちらの味方だが、それはあくまで俺自身の判断を信用しているにすぎなくて、名前自身を本心でどう思っているのか定かではない。
「ちょっと待ってくれ。確たる証拠もないのに先走った結論は・・・」
「違うという証拠も出せないだろう。万一彼女がスパイなら今もずっとここは危険に晒されていることになる」
「そうやって一方的に決めつけるな」
「イレイザー、お前本当に中立な立場なんだよな?」
「当たり前だろう」
「情が湧いてるなら他の教員で見る」
「まあまあ。2人共落ち着いて」
俺とブラドの言い合いに待ったを掛けたのは校長だった。
「彼女が外部と連絡を取っている様子は無かったんだよね?」
「ええ。近くのスーパーでさえ1人では行かせていません。毎日彼女が入浴中に携帯のチェックもしています」
「とりあえず現状維持しよう。彼女を受け入れることは会議で決めた。ただ、これまで以上に彼女の動向には目を光らせてもらえるかい?」
「分かりました」
「体育祭はどうするんですか?もしテレビ中継を通して敵に何かしらの暗号を送ったら」
「体育祭は明日だ。今から彼女だけ出場停止にしたら他の生徒が怪しむだろう。だが、当日はその点も注意しておこう」
こちらに来てから少しずつ培ってきた名前への信頼は簡単に崩れてしまった。
会議が終わり、やるせない気持ちのまま席を立った。
「イレイザー、さっきはちょっと感情的になった。すまない」
ブラドが謝ってきた。
「いや、お前の考えは間違ってないよ」
擦れ違いざまに肩を叩いて会議室を出た。
「あ、相澤さん」
今日は名前の方が先に裏門に着いていた。
日はとっぷり暮れた。
メイン通りではないこちら側は街灯も少ない。
「今日、会議だったよね?・・・どうだった?」
名前に聞かれて、思い出した。
1人で学校から家まで帰宅する許可を会議で得るはずだった。
しかし議題にすら上げる余裕はなかった。
「すまない、無理だった」
「・・・そっか」
名前は残念そうに眉を下げたが、すぐに気を取り直していた。
「何で相澤さんがそんな顔すんの!」
「・・・どんな顔だ」
「悲しそうな顔」
名前に指摘されるまで気付かなかった。
正直、やるべき事はやっているが、ブラドの言う通り感情として中立に立てているとはいえない。
「悪かったな」
「いいって!信用してもらえないのは仕方ないし。別に今のままでも十分だよ」
こんな不便な生活で満足しているというのか。
ふと伸ばした俺の手は名前の頭の上に乗った。
「相澤さん?」
そのまま後頭部に手を這わせると、名前は気持ちよさそうに目を閉じたので数回繰り返した。
