【7章】過去
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ああ、私売られたんだ。
状況を把握するのに数秒と掛からなかった。
なぜなら一番最悪の可能性としてこの事態も予想していたからだ。
彼は誰にも言わないと言っていた。
その言葉を信じたかった。
だって、彼が好きだったから。
彼ならきっと内緒にしててくれるはず。
根拠なんて何もないのに。
「通報通りですね」
目の前の男の言葉で疑念は確信に変わった。
「あの時の少女か」
あの時とはきっと両親を殺されたあの日。
当時の捜査官は私が殺したから、資料で引き継がれたのだろう。
もう、迷わない。
逃げたらおじいさんまで危険に晒される。
私の心の中は怒りで満ち溢れていた。
********
「ただいま」
「・・・名前!!」
「通報されてた。ここの場所もバレるかも。逃げよう」
血濡れた私をおじいさんは抱き締めた。
「すまなかった・・・。やはり行かせるべきではなかった」
「行くって決めたのは私。おじいさんは何も悪くないよ。ごめんね、巻き込んで」
「あの少年を信じようとしたわしが馬鹿だった」
私は力なく首を振った。
「お風呂に入ったらすぐに出て行く。おじいさんも行こう?」
「そうじゃな。まずはお風呂に入っておいで」
出来る限り早く、身体についた血を洗い流した。
時間がない。
お風呂を出て荷物をまとめようと部屋に入ると、すでにリュックに纏まっていた。
傍にはメモ書きが添えられていた。
『わしは先に行く。すぐにこの家から離れなさい。お互い、生きてまた会えることを願っている』
どうして一緒に逃げないのだろう。
2人だと見つかりやすいから?
分からなかったけれど、私はリュックを背負い、家を飛び出した。
私の初恋は人間だった。
でもこの日を境に私は人間を嫌いになった。
両親を殺されても心のどこかで人間と喰種が共存する世界を諦めていなかった。
だが、私からおじいさんとの生活さえも奪った人間を許す事などできなかった。
人間なんて大嫌い。
強くならなきゃ。
私は一人で生きていく覚悟を決めた。
********
わしは名前が風呂に入っている間に、荷造りを行った。
通報されているとすればわしの存在も既に掴んでいるはず。
応援がすぐに来るはずだ。
見つかるのも時間の問題だと思った。
近場に張り巡らせていた罠に捜査局の人間が引っかかったようだ。
「ふう・・・」
溜息を1つ吐くと家を出た。
反応があった場所まで急いだ。
「こんなところに何の用じゃ?」
これ以上家に近づけないために、こちらから迎えに出た。
「おや、ご老人。少し探し物をしておりまして」
「それは見つかりそうか?」
「ええ、まあ。片方は見つかりました。もう片方には逃げられてしまいまして」
「そうか・・・」
白いコートを来た男と茶番のような会話をした。
「もう片方は見つけられんよ」
わしは黒翼を出した。
「そんな老体で何ができる」
「時間稼ぎぐらいはできるじゃろう」
名前は希望だ。
彼女の存在はこんな世界にも明るい未来があるのではないかと思わせてくれた。
願わくば、次生まれ変わったら人間と喰種が共に幸せである世界になっていてほしい。
君に出会えてよかった。
状況を把握するのに数秒と掛からなかった。
なぜなら一番最悪の可能性としてこの事態も予想していたからだ。
彼は誰にも言わないと言っていた。
その言葉を信じたかった。
だって、彼が好きだったから。
彼ならきっと内緒にしててくれるはず。
根拠なんて何もないのに。
「通報通りですね」
目の前の男の言葉で疑念は確信に変わった。
「あの時の少女か」
あの時とはきっと両親を殺されたあの日。
当時の捜査官は私が殺したから、資料で引き継がれたのだろう。
もう、迷わない。
逃げたらおじいさんまで危険に晒される。
私の心の中は怒りで満ち溢れていた。
********
「ただいま」
「・・・名前!!」
「通報されてた。ここの場所もバレるかも。逃げよう」
血濡れた私をおじいさんは抱き締めた。
「すまなかった・・・。やはり行かせるべきではなかった」
「行くって決めたのは私。おじいさんは何も悪くないよ。ごめんね、巻き込んで」
「あの少年を信じようとしたわしが馬鹿だった」
私は力なく首を振った。
「お風呂に入ったらすぐに出て行く。おじいさんも行こう?」
「そうじゃな。まずはお風呂に入っておいで」
出来る限り早く、身体についた血を洗い流した。
時間がない。
お風呂を出て荷物をまとめようと部屋に入ると、すでにリュックに纏まっていた。
傍にはメモ書きが添えられていた。
『わしは先に行く。すぐにこの家から離れなさい。お互い、生きてまた会えることを願っている』
どうして一緒に逃げないのだろう。
2人だと見つかりやすいから?
分からなかったけれど、私はリュックを背負い、家を飛び出した。
私の初恋は人間だった。
でもこの日を境に私は人間を嫌いになった。
両親を殺されても心のどこかで人間と喰種が共存する世界を諦めていなかった。
だが、私からおじいさんとの生活さえも奪った人間を許す事などできなかった。
人間なんて大嫌い。
強くならなきゃ。
私は一人で生きていく覚悟を決めた。
********
わしは名前が風呂に入っている間に、荷造りを行った。
通報されているとすればわしの存在も既に掴んでいるはず。
応援がすぐに来るはずだ。
見つかるのも時間の問題だと思った。
近場に張り巡らせていた罠に捜査局の人間が引っかかったようだ。
「ふう・・・」
溜息を1つ吐くと家を出た。
反応があった場所まで急いだ。
「こんなところに何の用じゃ?」
これ以上家に近づけないために、こちらから迎えに出た。
「おや、ご老人。少し探し物をしておりまして」
「それは見つかりそうか?」
「ええ、まあ。片方は見つかりました。もう片方には逃げられてしまいまして」
「そうか・・・」
白いコートを来た男と茶番のような会話をした。
「もう片方は見つけられんよ」
わしは黒翼を出した。
「そんな老体で何ができる」
「時間稼ぎぐらいはできるじゃろう」
名前は希望だ。
彼女の存在はこんな世界にも明るい未来があるのではないかと思わせてくれた。
願わくば、次生まれ変わったら人間と喰種が共に幸せである世界になっていてほしい。
君に出会えてよかった。
