【6章】遭遇
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あれが敵ねぇ・・・。
私は高みの見物よろしく、建物の陰に隠れながら上からみんなの戦っている姿を見下ろした。
遡ること15分前。
私達は救出訓練をするためにUSJへと向かった。
皆USJという名前を聞いて突っ込んでいたが、私は何がおかしいのか分からなかった。
13号先生のありがたいお言葉を頂戴した後、さあ、訓練を始めようというときになって場は急変した。
私の鼻も反応した。
急に人の数が増えたのだ。
上鳴くんが「もう試験始まってんぞ的な?」と呑気なことを言っているがあれは違う。
明らかな殺意がある。
相澤先生の言葉であれが敵であることを確信した。
初めて実際に見る敵。
雄英のセキュリティが突破されたということは、その辺のチンピラとは違うということだ。
自分の命を最優先するならここは逃げの一択。
ワープゲートに生徒達が飲みこまれていく混乱に乗じて、戦場のど真ん中から離脱した。
倒壊ゾーンのビルの屋上に降り立ち、姿勢を屈めて姿を隠す。
見ていて明らかにヤバそうなのは入口を押さえているモヤの奴と、セントラル広場にいる手がいっぱいついてる奴。
あの2人は明らかに他の連中と格が違う。
個性社会って面倒だな。
相手の個性が分からない内から無策で突っ込むのは生存戦略として良くない。
しかも相手は事前準備万端ときた。
「大丈夫なんかねぇ、相澤さん」
広場で次々と雑魚敵をなぎ倒す相澤さんを見下ろした。
ミッドナイトさんが言っていた通り相澤さんは強い。
生徒達もバラバラに飛ばされたみたいだがとりあえずはUSJ内にはいるらしい。
そらそうか。
外に出したら電話一本で助け呼べるもんね。
生徒達も敵を制圧している。
大丈夫そうか。
加勢するなら相澤さんのところだけど、あの手がいっぱいついてる奴の個性が気になる。
分からない内にはいけない。
「えっ・・・」
顔が手に覆われて見えないそいつが相澤さんの肘に触れた。
すると相澤さんの皮膚が削れた。
「まじ・・・?」
まさかあれがあいつの個性?
触れたら壊れる・・・?
いやいや、さすがにあそこには飛び込めない。
常に自分の命優先にしてきた私の足は地面にへばりついていた。
初めは優勢に見えた戦況も、脳みそのようなものが露出している化け物が出てきてから逆転した。
弱肉強食の世界。
それはどこへ行っても自然の摂理だ。
パワータイプの化け物に、崩壊させる個性を持っている奴、あんなところに飛び込めば自分だって無事で済むかわからない。
あそこに倒れているのはたった数か月一緒に居ただけの男だ。
わざわざ身の危険を冒すだなんて馬鹿げている。
相澤さんが死んじゃったら誰が私の面倒みてくれるんだろ。
マイク先生かな?
そもそも私はこの世界の住人ではないのだ。
別に、この混乱に乗じて今すぐここを出て行ったって充分生きていける自信はある。
でも・・・。
「何でこんなに胸が痛いんだろ・・・」
化け物に組み敷かれている相澤先生に目をやった。
私はこの感情を知っている。
「あー!もう!」
私は黒翼を出し、飛び立った。
********
「その手、離してよ!」
私は脳無目がけて黒翼を遠距離から放出した。
飛び道具となって襲うそれらを脳無は身体に受けたが、いまいちダメージは与えられなかった。
しかし当初の目的であった相澤さんから離させるという意味では成功した。
「なんだ・・・?お前」
「生徒」
「あっそ。先生思いの生徒だな」
手がいっぱいついていて気持ち悪い。
ぐったりしている相澤さん。
「相澤先生、大丈夫?」
呼びかけに応じない。
とにかく早く傷の手当をしなければならないが、焦って私までやられたら意味がない。
今は攻撃ではなく守備に徹してこの場をやり過ごすしかない。
死柄木と名乗る男は私のことを舐めているのか、傍観していた。
脳無が繰り出してくる攻撃を避けつつ、相澤先生を守った。
隙があればこちらも攻撃を繰り出す。
なるべく距離を取って、相澤さんに近づかせないようにした。
知能指数が低いのか、パワーこそ異常だが動きに大したバリエーションがなくゴリ押しもいいところだ。
私は相澤先生を担ぎあげ、とにかく攻撃を避けた。
できればこのまま隙を見てこの場を離脱したい。
一旦相澤さんを安全な場所に避難させたかった。
目の前の脳無だけなら可能かもしれないが、幽霊のようにそこに立っている死柄木もいる。
こいつがどう動くか読めなかった。
「ふーん。結構やるなぁ・・・でももう1人逃げて時間もないし、終わらせるか」
入口でも皆戦っていた。
誰か抜け出せたんだ!
それならあと少し耐えればいける。
しかし、私の気が緩んだ瞬間を目の前の男は見逃さなかった。
間合いを詰められ、右手が私の顔へと伸びた。
私一人なら避けられたが、肩に担ぎ上げた相澤先生の体重が私の動きを鈍らせた。
避けきれない。
守りながら戦うことの難しさを知った。
私は高みの見物よろしく、建物の陰に隠れながら上からみんなの戦っている姿を見下ろした。
遡ること15分前。
私達は救出訓練をするためにUSJへと向かった。
皆USJという名前を聞いて突っ込んでいたが、私は何がおかしいのか分からなかった。
13号先生のありがたいお言葉を頂戴した後、さあ、訓練を始めようというときになって場は急変した。
私の鼻も反応した。
急に人の数が増えたのだ。
上鳴くんが「もう試験始まってんぞ的な?」と呑気なことを言っているがあれは違う。
明らかな殺意がある。
相澤先生の言葉であれが敵であることを確信した。
初めて実際に見る敵。
雄英のセキュリティが突破されたということは、その辺のチンピラとは違うということだ。
自分の命を最優先するならここは逃げの一択。
ワープゲートに生徒達が飲みこまれていく混乱に乗じて、戦場のど真ん中から離脱した。
倒壊ゾーンのビルの屋上に降り立ち、姿勢を屈めて姿を隠す。
見ていて明らかにヤバそうなのは入口を押さえているモヤの奴と、セントラル広場にいる手がいっぱいついてる奴。
あの2人は明らかに他の連中と格が違う。
個性社会って面倒だな。
相手の個性が分からない内から無策で突っ込むのは生存戦略として良くない。
しかも相手は事前準備万端ときた。
「大丈夫なんかねぇ、相澤さん」
広場で次々と雑魚敵をなぎ倒す相澤さんを見下ろした。
ミッドナイトさんが言っていた通り相澤さんは強い。
生徒達もバラバラに飛ばされたみたいだがとりあえずはUSJ内にはいるらしい。
そらそうか。
外に出したら電話一本で助け呼べるもんね。
生徒達も敵を制圧している。
大丈夫そうか。
加勢するなら相澤さんのところだけど、あの手がいっぱいついてる奴の個性が気になる。
分からない内にはいけない。
「えっ・・・」
顔が手に覆われて見えないそいつが相澤さんの肘に触れた。
すると相澤さんの皮膚が削れた。
「まじ・・・?」
まさかあれがあいつの個性?
触れたら壊れる・・・?
いやいや、さすがにあそこには飛び込めない。
常に自分の命優先にしてきた私の足は地面にへばりついていた。
初めは優勢に見えた戦況も、脳みそのようなものが露出している化け物が出てきてから逆転した。
弱肉強食の世界。
それはどこへ行っても自然の摂理だ。
パワータイプの化け物に、崩壊させる個性を持っている奴、あんなところに飛び込めば自分だって無事で済むかわからない。
あそこに倒れているのはたった数か月一緒に居ただけの男だ。
わざわざ身の危険を冒すだなんて馬鹿げている。
相澤さんが死んじゃったら誰が私の面倒みてくれるんだろ。
マイク先生かな?
そもそも私はこの世界の住人ではないのだ。
別に、この混乱に乗じて今すぐここを出て行ったって充分生きていける自信はある。
でも・・・。
「何でこんなに胸が痛いんだろ・・・」
化け物に組み敷かれている相澤先生に目をやった。
私はこの感情を知っている。
「あー!もう!」
私は黒翼を出し、飛び立った。
********
「その手、離してよ!」
私は脳無目がけて黒翼を遠距離から放出した。
飛び道具となって襲うそれらを脳無は身体に受けたが、いまいちダメージは与えられなかった。
しかし当初の目的であった相澤さんから離させるという意味では成功した。
「なんだ・・・?お前」
「生徒」
「あっそ。先生思いの生徒だな」
手がいっぱいついていて気持ち悪い。
ぐったりしている相澤さん。
「相澤先生、大丈夫?」
呼びかけに応じない。
とにかく早く傷の手当をしなければならないが、焦って私までやられたら意味がない。
今は攻撃ではなく守備に徹してこの場をやり過ごすしかない。
死柄木と名乗る男は私のことを舐めているのか、傍観していた。
脳無が繰り出してくる攻撃を避けつつ、相澤先生を守った。
隙があればこちらも攻撃を繰り出す。
なるべく距離を取って、相澤さんに近づかせないようにした。
知能指数が低いのか、パワーこそ異常だが動きに大したバリエーションがなくゴリ押しもいいところだ。
私は相澤先生を担ぎあげ、とにかく攻撃を避けた。
できればこのまま隙を見てこの場を離脱したい。
一旦相澤さんを安全な場所に避難させたかった。
目の前の脳無だけなら可能かもしれないが、幽霊のようにそこに立っている死柄木もいる。
こいつがどう動くか読めなかった。
「ふーん。結構やるなぁ・・・でももう1人逃げて時間もないし、終わらせるか」
入口でも皆戦っていた。
誰か抜け出せたんだ!
それならあと少し耐えればいける。
しかし、私の気が緩んだ瞬間を目の前の男は見逃さなかった。
間合いを詰められ、右手が私の顔へと伸びた。
私一人なら避けられたが、肩に担ぎ上げた相澤先生の体重が私の動きを鈍らせた。
避けきれない。
守りながら戦うことの難しさを知った。
