【5章】喜怒哀楽
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特にこれといった理由はないのだけれど、あれから何となく轟くんと一緒に行動することが増えた。
私自身は特定のグループに所属することなく、話しかけられたら会話に入ったり、昼食をとったりしている。
デクくん、お茶子ちゃん、飯田くんと一緒なことが多いが。
轟くんとは図書室へ一緒に行くことが多い。
一度私が返却しに行こうとしたとき「俺も一緒に行く」とついてきたのがきっかけだ。
「名字はどんな本が好きなんだ?」
「色々手広く読むよ。今日返すのはミステリー小説」
「ああ、それドラマ化したやつだな」
「らしいね」
廊下を横並びになって歩いていると相澤先生が向こう側からやってくるのが見えた。
「相澤先生!」
初めは意識していないとうっかり「相澤さん」と呼んでしまいそうだったが、今はもう慣れた。
「名字、轟か」
「今から図書室に行くんです」
聞かれていないが、私は読み終わった本の表紙を見せた。
本当は昨日の夜部屋で読み終わった後、思いっきり相澤さんに向かってネタバレかましたのだけれど。
「授業遅れるなよ」
「はーい」
轟くんは一言も話すことなく軽く会釈だけしていた。
「・・・名字は相澤先生と仲いいんだな」
「そんなことないよ」
「今なんか尻尾が見えた気がして」
「何それ!変なの。私の個性動物じゃないよ」
「そうだな、変なこと言った」
私はこれ以上突っ込まれるのが怖くて話題を変えた。
「今日のお昼、お茶子ちゃん達に誘われて一緒に食べるけど轟くんもどう?」
「・・・いや、俺は遠慮しとく」
「そっか」
私は色んな人と一緒に広く浅く行動しているが、轟くんは私と一緒に行動していない時は、大体1人だ。
どこか人を寄せ付けないオーラを持っている。
しかし何となく轟くんの隣は心地よかった。
********
夜21時。
リビングでミステリードラマに釘付けの名前の隣で俺はビールを開けた。
「えー!ここで終わり?犯人気になる・・・絶対あいつだよ」
翌週に結果を焦らす展開にぶーぶー文句を垂れている。
「大体ああいうのはミスリードだ」
「えー、そうなの」
むむむと口を尖らせる名前に気になっていることを問いかけた。
「最近轟と一緒に行動してるのか?」
「ずっとってわけじゃないけど、戦闘訓練の後から何となく増えたかな」
名前は戦闘訓練の翌日に起こった出来事を話した。
「・・・爆豪とはウマが合わないみたいだな」
「ほんっとムカつく!」
些細な事でよく揉めるみたいだが、名前にとって喜怒哀楽が出ることは前向きに捉えていい。
だから一概に爆豪を窘めることを俺はしようとは思わなかった。
にしても爆豪が名前に突っかかるのは緑谷とは少し違うものを感じる。
「意外とね!轟くんの隣は居心地いいんだよ」
名前の思わぬ告白に俺は手に持っていたビールを落としそうになった。
まさか・・・。
「お前、轟のこと好きなのか?」
喜怒哀楽が芽生えることはいいことなのだが、まさかそっち方面の感情も豊かになりだしたのか?
名前は俺の質問にケタケタ声を上げて笑った。
「恋ってこと?ないない!それは違うよ~。いくつ下だと思ってるの」
その返答に肩の力が抜けた。
「何で轟くんの隣が心地いいか考えてたんだけどね」
「相澤さんに似てるからかな!」
今度は口に含んだビールを噴き出しそうになった。
「ローテンションな人との方が一緒に居て楽だから」
「そうか」
轟のことを話しているのだが、これは俺と一緒に居るのが居心地いいと言われていると解釈していいんだよな?
だが、名前の言葉は字面通りで、その裏に甘い感情など無い事は表情から見て取れた。
「じゃ、お風呂入ってきまーす」
自分の発言で俺が動揺したことなど一切自覚のない名前は、そのままリビングから立ち去っていった。
私自身は特定のグループに所属することなく、話しかけられたら会話に入ったり、昼食をとったりしている。
デクくん、お茶子ちゃん、飯田くんと一緒なことが多いが。
轟くんとは図書室へ一緒に行くことが多い。
一度私が返却しに行こうとしたとき「俺も一緒に行く」とついてきたのがきっかけだ。
「名字はどんな本が好きなんだ?」
「色々手広く読むよ。今日返すのはミステリー小説」
「ああ、それドラマ化したやつだな」
「らしいね」
廊下を横並びになって歩いていると相澤先生が向こう側からやってくるのが見えた。
「相澤先生!」
初めは意識していないとうっかり「相澤さん」と呼んでしまいそうだったが、今はもう慣れた。
「名字、轟か」
「今から図書室に行くんです」
聞かれていないが、私は読み終わった本の表紙を見せた。
本当は昨日の夜部屋で読み終わった後、思いっきり相澤さんに向かってネタバレかましたのだけれど。
「授業遅れるなよ」
「はーい」
轟くんは一言も話すことなく軽く会釈だけしていた。
「・・・名字は相澤先生と仲いいんだな」
「そんなことないよ」
「今なんか尻尾が見えた気がして」
「何それ!変なの。私の個性動物じゃないよ」
「そうだな、変なこと言った」
私はこれ以上突っ込まれるのが怖くて話題を変えた。
「今日のお昼、お茶子ちゃん達に誘われて一緒に食べるけど轟くんもどう?」
「・・・いや、俺は遠慮しとく」
「そっか」
私は色んな人と一緒に広く浅く行動しているが、轟くんは私と一緒に行動していない時は、大体1人だ。
どこか人を寄せ付けないオーラを持っている。
しかし何となく轟くんの隣は心地よかった。
********
夜21時。
リビングでミステリードラマに釘付けの名前の隣で俺はビールを開けた。
「えー!ここで終わり?犯人気になる・・・絶対あいつだよ」
翌週に結果を焦らす展開にぶーぶー文句を垂れている。
「大体ああいうのはミスリードだ」
「えー、そうなの」
むむむと口を尖らせる名前に気になっていることを問いかけた。
「最近轟と一緒に行動してるのか?」
「ずっとってわけじゃないけど、戦闘訓練の後から何となく増えたかな」
名前は戦闘訓練の翌日に起こった出来事を話した。
「・・・爆豪とはウマが合わないみたいだな」
「ほんっとムカつく!」
些細な事でよく揉めるみたいだが、名前にとって喜怒哀楽が出ることは前向きに捉えていい。
だから一概に爆豪を窘めることを俺はしようとは思わなかった。
にしても爆豪が名前に突っかかるのは緑谷とは少し違うものを感じる。
「意外とね!轟くんの隣は居心地いいんだよ」
名前の思わぬ告白に俺は手に持っていたビールを落としそうになった。
まさか・・・。
「お前、轟のこと好きなのか?」
喜怒哀楽が芽生えることはいいことなのだが、まさかそっち方面の感情も豊かになりだしたのか?
名前は俺の質問にケタケタ声を上げて笑った。
「恋ってこと?ないない!それは違うよ~。いくつ下だと思ってるの」
その返答に肩の力が抜けた。
「何で轟くんの隣が心地いいか考えてたんだけどね」
「相澤さんに似てるからかな!」
今度は口に含んだビールを噴き出しそうになった。
「ローテンションな人との方が一緒に居て楽だから」
「そうか」
轟のことを話しているのだが、これは俺と一緒に居るのが居心地いいと言われていると解釈していいんだよな?
だが、名前の言葉は字面通りで、その裏に甘い感情など無い事は表情から見て取れた。
「じゃ、お風呂入ってきまーす」
自分の発言で俺が動揺したことなど一切自覚のない名前は、そのままリビングから立ち去っていった。