【5章】喜怒哀楽
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あれから相澤さんに回復能力の高さについて聞かれた。
喰種の特性であることを伝えると個性は原則1つしか皆持っていないことを教えられた。
轟くんみたいに2種類の個性を持つ人は珍しく、"複数個性持ち"と言われているらしい。
だから私も複数個性持ちの設定になった。
初めから言わなかったことをチクリと責められたが、まさかそんな原則あるなんて知らなかった。
「なあ」
席について予習を進めていると後ろから声を掛けられた。
振り向くとオッドアイが特徴の轟くんが無表情でこちらを見ていた。
「足・・・もう大丈夫なのか」
「うん。完全に回復してるよ」
横向きになって足を伸ばした。
ソックスで見えないが、大丈夫アピール。
「複数個性持ちなんだな」
「うん」
どうやら自分と同じである私に興味を持ったらしい。
轟くんが誰かに積極的に話しかけているのは初めて見た。
「・・・あの時、名字が俺の立場だったらどう対処してた?」
やはり戦闘訓練で負けたことが気になっているらしい。
「うーん。轟くんって優しいよね」
私の発言で轟くんは目を丸くした。
あ、そんな表情もできるんだ。
「私だったら足元だけじゃなくて、肩ぐらいまで凍らすかな」
あくまで戦闘訓練なら。
もし本物の敵だったら全身凍らせている。
相手の身の安全なんて考えないだろうから。
「少なくとも、個性把握テストで自分より上位だった私だけでも黒翼使えなくなるまで凍らせないと」
半冷半熱なんだから後で溶かせるでしょ?と聞けば小さく彼は頷いた。
「今度はもっと容赦しなくていいよ」
轟くんは少し躊躇っていた。
クールだけど根は優しい子なんだな。
「ところでさ、その左側は使えないの?使わないの?」
まだ入学して間もないが、彼が炎を使っているところを見たことがない。
火傷があるので、もしかしたらトラウマで使えないのかと思った。
しかし戦闘訓練のときは葉隠さんと尾白くんの足元を溶かしていたので、完全に使えないわけではないはずだ。
「俺は左側は絶対に使わない。そう決めてる」
憎しみの籠った瞳。
使えないのであれば仕方がないが、そうではないなら話は別だ。
「そっか。じゃあ私に勝つのは難しいかな」
自分で可能性を狭めるなんて勿体ない。
拘りを持つのは勝手だが、自分の限界値を下げていることに彼はまだ気づいていない。
私は生きる為に何でもした。
使えるものは何でも使ったし、自分の能力を最大値化することを常に考えていた。
私の言葉に轟くんはムッと表情を歪めた。
「何でっ・・・」
轟くんが言い終わる前に私の後頭部に衝撃が走った。
「いったぁ!!!!」
手で擦りながら振り向くと爆豪くんが立っていた。
「よぉ。イカレ女」
何で私叩かれたの?
理不尽過ぎない?
「私のどこがイカれてるって言うの!」
「足引き剥がすなんてイカれてる以外の何もんでもねぇだろ」
「でも勝ったじゃん!」
「ケッ」
爆豪くんとぎゃあぎゃあ言い合っていると、黙って見ていた轟くんが割って入ってきた。
「おい、爆豪・・・」
「何だよ半分野郎」
「さすがにいきなり女の頭叩くのはねぇだろ」
「こいつのどこが女なんだ」
「ちょっと、失礼すぎるからね」
「・・・?名字は女子だろ?」
お前の方がイカれてるぞ、との轟くんの一言で爆豪くんの矛先が轟くんに変わった。
無表情で淡々と少しズレた正論をかます轟くんに爆豪くんは呆れてどこかへ行ってしまった。
「大丈夫か」
「あ、うん。たんこぶなってなかったらいいけど」
「前向け」
轟くんに言われて前を向いたら髪の毛を避けて叩かれた場所を触って確認してくれた。
「こぶにはなってなさそうだな」
「良かったぁ」
うん、轟くんはやっぱり優しい。
意固地なところもあるようだけど、ちょっとズレてて優しいのが轟くんだということがこの日分かった。
喰種の特性であることを伝えると個性は原則1つしか皆持っていないことを教えられた。
轟くんみたいに2種類の個性を持つ人は珍しく、"複数個性持ち"と言われているらしい。
だから私も複数個性持ちの設定になった。
初めから言わなかったことをチクリと責められたが、まさかそんな原則あるなんて知らなかった。
「なあ」
席について予習を進めていると後ろから声を掛けられた。
振り向くとオッドアイが特徴の轟くんが無表情でこちらを見ていた。
「足・・・もう大丈夫なのか」
「うん。完全に回復してるよ」
横向きになって足を伸ばした。
ソックスで見えないが、大丈夫アピール。
「複数個性持ちなんだな」
「うん」
どうやら自分と同じである私に興味を持ったらしい。
轟くんが誰かに積極的に話しかけているのは初めて見た。
「・・・あの時、名字が俺の立場だったらどう対処してた?」
やはり戦闘訓練で負けたことが気になっているらしい。
「うーん。轟くんって優しいよね」
私の発言で轟くんは目を丸くした。
あ、そんな表情もできるんだ。
「私だったら足元だけじゃなくて、肩ぐらいまで凍らすかな」
あくまで戦闘訓練なら。
もし本物の敵だったら全身凍らせている。
相手の身の安全なんて考えないだろうから。
「少なくとも、個性把握テストで自分より上位だった私だけでも黒翼使えなくなるまで凍らせないと」
半冷半熱なんだから後で溶かせるでしょ?と聞けば小さく彼は頷いた。
「今度はもっと容赦しなくていいよ」
轟くんは少し躊躇っていた。
クールだけど根は優しい子なんだな。
「ところでさ、その左側は使えないの?使わないの?」
まだ入学して間もないが、彼が炎を使っているところを見たことがない。
火傷があるので、もしかしたらトラウマで使えないのかと思った。
しかし戦闘訓練のときは葉隠さんと尾白くんの足元を溶かしていたので、完全に使えないわけではないはずだ。
「俺は左側は絶対に使わない。そう決めてる」
憎しみの籠った瞳。
使えないのであれば仕方がないが、そうではないなら話は別だ。
「そっか。じゃあ私に勝つのは難しいかな」
自分で可能性を狭めるなんて勿体ない。
拘りを持つのは勝手だが、自分の限界値を下げていることに彼はまだ気づいていない。
私は生きる為に何でもした。
使えるものは何でも使ったし、自分の能力を最大値化することを常に考えていた。
私の言葉に轟くんはムッと表情を歪めた。
「何でっ・・・」
轟くんが言い終わる前に私の後頭部に衝撃が走った。
「いったぁ!!!!」
手で擦りながら振り向くと爆豪くんが立っていた。
「よぉ。イカレ女」
何で私叩かれたの?
理不尽過ぎない?
「私のどこがイカれてるって言うの!」
「足引き剥がすなんてイカれてる以外の何もんでもねぇだろ」
「でも勝ったじゃん!」
「ケッ」
爆豪くんとぎゃあぎゃあ言い合っていると、黙って見ていた轟くんが割って入ってきた。
「おい、爆豪・・・」
「何だよ半分野郎」
「さすがにいきなり女の頭叩くのはねぇだろ」
「こいつのどこが女なんだ」
「ちょっと、失礼すぎるからね」
「・・・?名字は女子だろ?」
お前の方がイカれてるぞ、との轟くんの一言で爆豪くんの矛先が轟くんに変わった。
無表情で淡々と少しズレた正論をかます轟くんに爆豪くんは呆れてどこかへ行ってしまった。
「大丈夫か」
「あ、うん。たんこぶなってなかったらいいけど」
「前向け」
轟くんに言われて前を向いたら髪の毛を避けて叩かれた場所を触って確認してくれた。
「こぶにはなってなさそうだな」
「良かったぁ」
うん、轟くんはやっぱり優しい。
意固地なところもあるようだけど、ちょっとズレてて優しいのが轟くんだということがこの日分かった。