【5章】喜怒哀楽
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戦闘訓練の様子をVTRで確認して目を見張った。
轟の個性で足を凍らされたかと思うと、迷うことなく名前は黒翼をナイフの様に鋭利に変形させ、足元の氷を削り取り、最後は翼に戻し空中に浮き上がると共に無理矢理引き剥がした。
足からは血が滴り、痛々しい事この上ない。
しかし彼女の表情は何事も無かったかのようで、そのまま勝ちを確信して油断していた轟と障子を制圧した。
オールマイトから彼女の反論を聞くと、確かに正しい。
後出しではあるが、回復能力が高いのであればなおさら。
仮にも核爆弾なのだから。
しかし、問題はそこではない。
「足、見せてみろ」
俺のオーラに気圧された名前はおずおずと足を出した。
左足を手に取り、自分の脚の上に置き表裏確認するが、確かに綺麗に治っていた。
次いで右足。
こちらも傷跡一つない。
俺はどうやって名前を指導するか思案した。
迷う事のない自己犠牲。
それは正しくもあり、間違ってもいる。
ただ、名前の気持ちを考えると頭ごなしに否定するのは違う気がした。
彼女はあくまでも状況設定に応じたつもりだったのだから。
だからといって自分を簡単に傷つけていいわけでもない。
「痛覚はあるのか?」
もしかして味覚がないのであれば痛覚も無いのではないか、そんなことを思ったが名前は首を縦に振った。
「普通に痛みは感じる」
「痛かっただろ」
「うん、まあ。でもこれぐらいすぐ回復するから大丈夫だよ」
俺は一つ息を吐いた。
「こうしよう。名前は他の生徒達とは違うから戦闘訓練では縛りをつける。じゃないと勝負にならない」
「縛り?」
「怪我を負わないこと」
名前はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「さすがになかなか難しいね。でも分かった」
自分を傷つけることに慣れるな、そう言いたかったがきっと今の彼女には伝わらないだろう。
だから今はこれでいい。
「・・・そんなに足見られたらさすがに恥ずかしいかも」
名前の言葉で我に返った。
ただ、生徒として扱っていただけなのだが、こうしてふいな一言で現実に引き戻された。
よく考えれば名前は本物の高校生じゃない。
いくら心配したとはいえ、大人の女性の足をこうもまじまじと見つめる機会などそうない。
というか、してはいけない。
「・・・すまん」
まるで痴漢の冤罪を晴らすかのようにパッと両手を離すと名前は俺の脚の上から自身の足を降ろした。
「心配してくれてありがとう」
俺の気持ちは伝わっているらしい。
名前はソファから降りると勉強道具を出して課題を始めた。
轟の個性で足を凍らされたかと思うと、迷うことなく名前は黒翼をナイフの様に鋭利に変形させ、足元の氷を削り取り、最後は翼に戻し空中に浮き上がると共に無理矢理引き剥がした。
足からは血が滴り、痛々しい事この上ない。
しかし彼女の表情は何事も無かったかのようで、そのまま勝ちを確信して油断していた轟と障子を制圧した。
オールマイトから彼女の反論を聞くと、確かに正しい。
後出しではあるが、回復能力が高いのであればなおさら。
仮にも核爆弾なのだから。
しかし、問題はそこではない。
「足、見せてみろ」
俺のオーラに気圧された名前はおずおずと足を出した。
左足を手に取り、自分の脚の上に置き表裏確認するが、確かに綺麗に治っていた。
次いで右足。
こちらも傷跡一つない。
俺はどうやって名前を指導するか思案した。
迷う事のない自己犠牲。
それは正しくもあり、間違ってもいる。
ただ、名前の気持ちを考えると頭ごなしに否定するのは違う気がした。
彼女はあくまでも状況設定に応じたつもりだったのだから。
だからといって自分を簡単に傷つけていいわけでもない。
「痛覚はあるのか?」
もしかして味覚がないのであれば痛覚も無いのではないか、そんなことを思ったが名前は首を縦に振った。
「普通に痛みは感じる」
「痛かっただろ」
「うん、まあ。でもこれぐらいすぐ回復するから大丈夫だよ」
俺は一つ息を吐いた。
「こうしよう。名前は他の生徒達とは違うから戦闘訓練では縛りをつける。じゃないと勝負にならない」
「縛り?」
「怪我を負わないこと」
名前はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「さすがになかなか難しいね。でも分かった」
自分を傷つけることに慣れるな、そう言いたかったがきっと今の彼女には伝わらないだろう。
だから今はこれでいい。
「・・・そんなに足見られたらさすがに恥ずかしいかも」
名前の言葉で我に返った。
ただ、生徒として扱っていただけなのだが、こうしてふいな一言で現実に引き戻された。
よく考えれば名前は本物の高校生じゃない。
いくら心配したとはいえ、大人の女性の足をこうもまじまじと見つめる機会などそうない。
というか、してはいけない。
「・・・すまん」
まるで痴漢の冤罪を晴らすかのようにパッと両手を離すと名前は俺の脚の上から自身の足を降ろした。
「心配してくれてありがとう」
俺の気持ちは伝わっているらしい。
名前はソファから降りると勉強道具を出して課題を始めた。