【4章】先生と生徒
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たった1日だけど、ここでやっていけるのか不安になった。
いや、私はヒーローになるんだ。
仲良しこよしするために入ったわけじゃない。
はあ・・・相澤さんに会いたい。
相澤さんのあのローテンションは自分に合っているらしい。
彼の隣は自分にとって居心地が良かったのだと今更ながらに気付いた。
ガラリと教室の扉を開けた。
廊下まで聞こえていた声が私が入ったと同時にピタリと止んだ。
「・・・?」
何かおかしなところがあっただろうか。
私は自分の姿を確認したが、きちんと制服は着ている。
鞄も持ってる。
「名字さん!!待っとたんよ」
彼女は確か・・・麗日さん。
入口で止まる私にパタパタと駆け寄ってきた。
「今ね、皆で名字さんの話してたの。昨日の個性把握テスト凄かったって!!」
「あ、ありがとう」
「あの後もっと話したかったんだけど、放課後すぐに帰っちゃったからさ」
麗日さんに続いて緑谷くんが私に近づいてきた。
「あの!!名字さんって個性の使い方凄く上手だよね。自分の身体の一部として完璧に使いこなしてるっていうか・・・話聞いてもいいかな!?」
「俺も聞きてぇ!身のこなしとか只者じゃないって感じだよな!」
切島くんの発言にドキリとした。
本気出し過ぎたかも。
このまま本当に誰にもバレずにやり過ごせるのだろうか。
2日目にして不安だ。
「邪魔だ」
わらわらと次々私の周りに人だかりができて、入口を塞いでしまっていた。
登校してきた爆豪くんに道を開けた。
「ごめん」
これは私が悪いので素直に謝った。
爆豪くんは私を一瞥すると通り過ぎて自席に鞄を置いた。
一瞥する瞳には軽蔑や侮蔑とは違うものが感じられた。
「・・・?」
「どうしたん?」
「ううん、何でもない」
始業ベルが鳴るまでの間、私の席の周りから人がいなくなることはなかった。
********
今日も名前は存分に疲弊していた。
ランチラッシュに聞くと昼も夜もしっかり食べていたらしい。
昼は麗日達と一緒だったと聞いて、上手くやれているようで安心した。
馴れ合うなら他所へ行けとは初日に言ったものの、名前は人と触れ合うことも大事だ。
「随分、人気者だったじゃないか」
休み時間に名前の周りに人だかりが出来ていたのも目撃している。
「昨日のテストが良かったから、個性の使い方教えてほしいって・・・」
「何て答えたんだ?」
「適当に答えた。引き出しいっぱい作るといいよとか」
「ご苦労さん」
「あ、ねぇねぇ。連絡先って教えてもいいの?」
名前は思い出したかのように携帯とメモを取り出した。
メモにはメッセージアプリのIDが書かれていた。
「ああ、構わない」
「どうやって登録するの?これ」
俺は緑色のアイコンをタップし、アプリが起動するとメモに書かれたIDを打ち込んだ。
「こうすると・・・」
名前は俺の手元を覗き込んでいる。
「出てきた。麗日か?」
「多分そう」
餅がトップ画の麗日のアイコンが出てきた。
なぜ餅?
「やってみろ」
いくつか他にもIDが書かれていたので名前に携帯を渡して操作させた。
「ここをこうして・・・できた!」
次に出てきたのはオールマイトのアイコンだった。
「これは緑谷くん」
「緑谷とも仲良くなったのか」
「仲良くなったのかは分からないけど、お昼は一緒に食べたよ」
どんどん増えていくアイコン。
喜ばしいことではあるが一方で少し感情に靄がかかった。
こちらへ来てからずっと俺と一緒だったからな。
巣立とうとする小鳥を見送る親鳥の気持ちか?
いやいや、親子というには歳が近すぎる。
俺はまだ見ぬ感情に蓋をした。
いや、私はヒーローになるんだ。
仲良しこよしするために入ったわけじゃない。
はあ・・・相澤さんに会いたい。
相澤さんのあのローテンションは自分に合っているらしい。
彼の隣は自分にとって居心地が良かったのだと今更ながらに気付いた。
ガラリと教室の扉を開けた。
廊下まで聞こえていた声が私が入ったと同時にピタリと止んだ。
「・・・?」
何かおかしなところがあっただろうか。
私は自分の姿を確認したが、きちんと制服は着ている。
鞄も持ってる。
「名字さん!!待っとたんよ」
彼女は確か・・・麗日さん。
入口で止まる私にパタパタと駆け寄ってきた。
「今ね、皆で名字さんの話してたの。昨日の個性把握テスト凄かったって!!」
「あ、ありがとう」
「あの後もっと話したかったんだけど、放課後すぐに帰っちゃったからさ」
麗日さんに続いて緑谷くんが私に近づいてきた。
「あの!!名字さんって個性の使い方凄く上手だよね。自分の身体の一部として完璧に使いこなしてるっていうか・・・話聞いてもいいかな!?」
「俺も聞きてぇ!身のこなしとか只者じゃないって感じだよな!」
切島くんの発言にドキリとした。
本気出し過ぎたかも。
このまま本当に誰にもバレずにやり過ごせるのだろうか。
2日目にして不安だ。
「邪魔だ」
わらわらと次々私の周りに人だかりができて、入口を塞いでしまっていた。
登校してきた爆豪くんに道を開けた。
「ごめん」
これは私が悪いので素直に謝った。
爆豪くんは私を一瞥すると通り過ぎて自席に鞄を置いた。
一瞥する瞳には軽蔑や侮蔑とは違うものが感じられた。
「・・・?」
「どうしたん?」
「ううん、何でもない」
始業ベルが鳴るまでの間、私の席の周りから人がいなくなることはなかった。
********
今日も名前は存分に疲弊していた。
ランチラッシュに聞くと昼も夜もしっかり食べていたらしい。
昼は麗日達と一緒だったと聞いて、上手くやれているようで安心した。
馴れ合うなら他所へ行けとは初日に言ったものの、名前は人と触れ合うことも大事だ。
「随分、人気者だったじゃないか」
休み時間に名前の周りに人だかりが出来ていたのも目撃している。
「昨日のテストが良かったから、個性の使い方教えてほしいって・・・」
「何て答えたんだ?」
「適当に答えた。引き出しいっぱい作るといいよとか」
「ご苦労さん」
「あ、ねぇねぇ。連絡先って教えてもいいの?」
名前は思い出したかのように携帯とメモを取り出した。
メモにはメッセージアプリのIDが書かれていた。
「ああ、構わない」
「どうやって登録するの?これ」
俺は緑色のアイコンをタップし、アプリが起動するとメモに書かれたIDを打ち込んだ。
「こうすると・・・」
名前は俺の手元を覗き込んでいる。
「出てきた。麗日か?」
「多分そう」
餅がトップ画の麗日のアイコンが出てきた。
なぜ餅?
「やってみろ」
いくつか他にもIDが書かれていたので名前に携帯を渡して操作させた。
「ここをこうして・・・できた!」
次に出てきたのはオールマイトのアイコンだった。
「これは緑谷くん」
「緑谷とも仲良くなったのか」
「仲良くなったのかは分からないけど、お昼は一緒に食べたよ」
どんどん増えていくアイコン。
喜ばしいことではあるが一方で少し感情に靄がかかった。
こちらへ来てからずっと俺と一緒だったからな。
巣立とうとする小鳥を見送る親鳥の気持ちか?
いやいや、親子というには歳が近すぎる。
俺はまだ見ぬ感情に蓋をした。