【4章】先生と生徒
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食堂に入ると、いつもの席にご飯は無かった。
「あれ?」
「あ、遅いよ~!待ちくたびれちゃった」
ランチラッシュさんが厨房から出てきた。
「ご飯は?」
「まあ、まあ。そこに座ってて」
席に座るとランチラッシュさんは重箱を持ってきた。
「明日から学校始まるでしょ?昼は友達と食べることになるだろうから。今日は張り切っちゃった!開けてみて」
促されるまま重箱の蓋を開けた。
「うわあ・・・!!」
中にはまるで動物園のようなお弁当が広がっていた。
「可愛い・・・!」
おにぎりはうさぎ、犬、猫、象、茹で卵はひよこ、ウインナーはタコ。
野菜は草原を表現しているようだ。
「食べるの勿体ないね」
「食べてもらわなきゃ困るけどね」
食べなきゃ勿体ないけど、食べるのも勿体ない。
「あ!」
私はポケットから携帯を取り出した。
「確かこれ写真も撮れるんだった」
相澤さんに教えて貰ったやり方でカメラを起動した。
パシャリと1枚。
念のため角度を変えてもう1枚。
撮れた写真をフォルダで確認した。
「よし!」
私はお箸を手にしたがどれから食べるか迷ってしまう。
「料理ってね」
私の前に腰を下ろしたランチラッシュさんが口を開いた。
「味だけが全てじゃないんだ。目で見て楽しんだり、匂いを楽しんだり。誰と食べるかでも楽しみ方が変わる」
ふと4人で鍋を囲った時のことを思い出した。
きっと相澤さんがランチラッシュさんに味が分からないことを伝えてくれたんだ。
「今日、これ作って良かったよ。とってもいい顔してるよ、君」
私は心を決めてタコさんウインナーに箸を伸ばした。
「いただきます」
********
昼食から帰ってきた名前は何やらご機嫌だった。
「相澤先生、見て見て」
携帯を取り出して画像を見せてきた。
華やかな弁当。こういうのキャラ弁っていうのか?
「すっごく可愛いよね!ランチラッシュさんが作ってくれたの」
「さすがクックヒーロー」
「食べるの勿体なかったなぁ」
「良かったな」
「うん!料理は味が全てじゃないんだって。目で見て楽しむのも料理だって言ってたよ」
キラキラした瞳はまるで子どもだ。
余程嬉しかったらしい。
今まで見た笑顔で一番かもしれない。
己と過ごす時間が長いのに、ランチラッシュに先を越された気がして少し悔しい気もする。
いや、俺が人を笑顔にするってそれこそ性に合ってないな。
「今更だが・・・歳の離れた生徒達と一緒に授業を受けることになるが、大丈夫か?」
「何が?」
「いや、やりにくいんじゃないかと思ってな」
「別に馴れ合うために学校いくわけじゃないし。あくまでヒーローになるためでしょ?」
「頼もしい限りだな」
やはりこういう部分は大人だった。
俺は適度に仕事にキリをつけると食堂へ向かった。
「どうも」
ランチラッシュの後ろ姿に向かって声を掛けるとくるりと振り返った。
「やあ!相澤先生。お疲れ様」
「お疲れ様です。名前に聞きました。喜んでましたよ、ありがとうございます」
「そうそう!聞いてよ」
高揚を隠し切れない様子でその時の名前の様子を話してくれた。
「最後、食べ終わった後に"美味しかった"って言ってくれたんだ」
味が分からないはずなのにね、とランチラッシュは嬉しそうに笑った。
そうか。
"また食べたい"って思ったんだな。
ランチラッシュに名前の真意を教えると「これだから料理人は辞められない!」と腕捲りをした。
「彼女に伝えておいてください。今度はもっと美味しいって言わせるよって」
「あれ?」
「あ、遅いよ~!待ちくたびれちゃった」
ランチラッシュさんが厨房から出てきた。
「ご飯は?」
「まあ、まあ。そこに座ってて」
席に座るとランチラッシュさんは重箱を持ってきた。
「明日から学校始まるでしょ?昼は友達と食べることになるだろうから。今日は張り切っちゃった!開けてみて」
促されるまま重箱の蓋を開けた。
「うわあ・・・!!」
中にはまるで動物園のようなお弁当が広がっていた。
「可愛い・・・!」
おにぎりはうさぎ、犬、猫、象、茹で卵はひよこ、ウインナーはタコ。
野菜は草原を表現しているようだ。
「食べるの勿体ないね」
「食べてもらわなきゃ困るけどね」
食べなきゃ勿体ないけど、食べるのも勿体ない。
「あ!」
私はポケットから携帯を取り出した。
「確かこれ写真も撮れるんだった」
相澤さんに教えて貰ったやり方でカメラを起動した。
パシャリと1枚。
念のため角度を変えてもう1枚。
撮れた写真をフォルダで確認した。
「よし!」
私はお箸を手にしたがどれから食べるか迷ってしまう。
「料理ってね」
私の前に腰を下ろしたランチラッシュさんが口を開いた。
「味だけが全てじゃないんだ。目で見て楽しんだり、匂いを楽しんだり。誰と食べるかでも楽しみ方が変わる」
ふと4人で鍋を囲った時のことを思い出した。
きっと相澤さんがランチラッシュさんに味が分からないことを伝えてくれたんだ。
「今日、これ作って良かったよ。とってもいい顔してるよ、君」
私は心を決めてタコさんウインナーに箸を伸ばした。
「いただきます」
********
昼食から帰ってきた名前は何やらご機嫌だった。
「相澤先生、見て見て」
携帯を取り出して画像を見せてきた。
華やかな弁当。こういうのキャラ弁っていうのか?
「すっごく可愛いよね!ランチラッシュさんが作ってくれたの」
「さすがクックヒーロー」
「食べるの勿体なかったなぁ」
「良かったな」
「うん!料理は味が全てじゃないんだって。目で見て楽しむのも料理だって言ってたよ」
キラキラした瞳はまるで子どもだ。
余程嬉しかったらしい。
今まで見た笑顔で一番かもしれない。
己と過ごす時間が長いのに、ランチラッシュに先を越された気がして少し悔しい気もする。
いや、俺が人を笑顔にするってそれこそ性に合ってないな。
「今更だが・・・歳の離れた生徒達と一緒に授業を受けることになるが、大丈夫か?」
「何が?」
「いや、やりにくいんじゃないかと思ってな」
「別に馴れ合うために学校いくわけじゃないし。あくまでヒーローになるためでしょ?」
「頼もしい限りだな」
やはりこういう部分は大人だった。
俺は適度に仕事にキリをつけると食堂へ向かった。
「どうも」
ランチラッシュの後ろ姿に向かって声を掛けるとくるりと振り返った。
「やあ!相澤先生。お疲れ様」
「お疲れ様です。名前に聞きました。喜んでましたよ、ありがとうございます」
「そうそう!聞いてよ」
高揚を隠し切れない様子でその時の名前の様子を話してくれた。
「最後、食べ終わった後に"美味しかった"って言ってくれたんだ」
味が分からないはずなのにね、とランチラッシュは嬉しそうに笑った。
そうか。
"また食べたい"って思ったんだな。
ランチラッシュに名前の真意を教えると「これだから料理人は辞められない!」と腕捲りをした。
「彼女に伝えておいてください。今度はもっと美味しいって言わせるよって」