【3章】決意
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俺は戻って来ると先ほどと同じ柱の側に立った。
腕組しながら、今年担任となる1-Aについて考えた。
推薦は轟と八百万。
轟はあのエンデヴァーの息子だから期待できる。
一般試験のトップは爆豪だ。
あれは素行に問題がありそうだから要注意だな。
だが、実技試験を見る限り個性の扱い方が上手い。
案外器用なタイプだ。
気になるのはつい最近まで無個性だったという記録が残っている緑谷か。
中学生で発現した例など聞いたことがない。
考え込んでいるとあっという間に15分程経過してしまった。
「遅いな・・・」
一人で買い物に慣れていないにしても、いくらなんでも遅すぎないか?
俺は視線を店にやった。
あまりジロジロみるわけにはいかないが、店内に名前がいる様子がない。
試着室か?
ちょうど、商品を整理しにスタッフが出てきたので近寄って話しかけた。
「すみません」
俺は先ほど買った服と名前の特徴を伝えた。
「ああ、そのお客様でしたら結構前に買い物を終えて出て行かれましたよ」
スタッフの言葉に俺の肝が冷えた。
********
「相澤さん・・・どこ行っちゃったの?」
始めは迷子になった相澤さんを探そうと思っていたのだが、完全に私の方が迷子になってしまった。
もしかしたら入れ違いになったのかも、と思い下着屋さんに戻ろうとしたのだが、同じような店が沢山あって自分がどこの店で買ったのか分からなくなってしまった。
駐車場にも行ってみたが、相澤さんの車のナンバーを覚えていなかった。
簡単に会えると思っていた過去の私を恨みたい。
大人しくあそこで待っておくべきだった。
なぜか私は噴水のある広場に出ていて、一旦落ち着くためにベンチに座った。
「相澤さ~ん・・・」
祈りを捧げてみるが、そんな都合よく本人が出て来るわけもなく。
これからどうしようか。
探すべきか、むしろここで待って相澤さんが探しに来てくれるのを待つか。
後者の方がいい気がしてきた。
ご自慢の鼻もあまり役に立ってないし。
悶々と自分のすべきことを考えていると目の前に影が落ちた。
顔を上げると、そこには見知らぬ男が私を見下ろしていた。
「・・・?」
一瞬相澤さんかと期待したのだが違った。
目の前の男は私の隣に腰を下ろした。
「お姉さん1人?」
私はこくりと頷いた。
「良かったらそこの店でお茶しない?お金は出すから」
「今それどころじゃないから無理」
「つれないなぁ。ね、ちょっとだけ!」
男は距離を詰めてきた。
肩と肩が触れそうな距離に私のこめかみはピクリと動いた。
どうしよう。
相澤さんと早く合流するためにはここを動かない方がいい。
でもこの男から離れたい。
二者択一に悩んでいると、男は了承と捉えたらしく私の腕を引っ張ってベンチから立たせようとした。
「ちょっと・・・!」
思わず喰種化して男を遠ざけようとしたが、相澤さんの言葉を思い出し踏みとどまった。
危ない・・・思い出してよかった。
こんなひょろひょろの男、素手でも捻り上げられるが、それも駄目なのかな?
うーん、どうしよう。
正解が分からないため、下手に反撃できなかった。
男に腕を引かれるまま、店の方へ連れていかれる。
「あ、あの」
困るから離して、と言葉で伝えようとしたとき、男と私の腕以外にもう1本腕が視界に入ってきた。
「そいつは俺のツレだ」
息を切らした相澤さんが男の腕を掴んでおり、やっと会えたという安心感から私は胸を撫で下ろした。
腕組しながら、今年担任となる1-Aについて考えた。
推薦は轟と八百万。
轟はあのエンデヴァーの息子だから期待できる。
一般試験のトップは爆豪だ。
あれは素行に問題がありそうだから要注意だな。
だが、実技試験を見る限り個性の扱い方が上手い。
案外器用なタイプだ。
気になるのはつい最近まで無個性だったという記録が残っている緑谷か。
中学生で発現した例など聞いたことがない。
考え込んでいるとあっという間に15分程経過してしまった。
「遅いな・・・」
一人で買い物に慣れていないにしても、いくらなんでも遅すぎないか?
俺は視線を店にやった。
あまりジロジロみるわけにはいかないが、店内に名前がいる様子がない。
試着室か?
ちょうど、商品を整理しにスタッフが出てきたので近寄って話しかけた。
「すみません」
俺は先ほど買った服と名前の特徴を伝えた。
「ああ、そのお客様でしたら結構前に買い物を終えて出て行かれましたよ」
スタッフの言葉に俺の肝が冷えた。
********
「相澤さん・・・どこ行っちゃったの?」
始めは迷子になった相澤さんを探そうと思っていたのだが、完全に私の方が迷子になってしまった。
もしかしたら入れ違いになったのかも、と思い下着屋さんに戻ろうとしたのだが、同じような店が沢山あって自分がどこの店で買ったのか分からなくなってしまった。
駐車場にも行ってみたが、相澤さんの車のナンバーを覚えていなかった。
簡単に会えると思っていた過去の私を恨みたい。
大人しくあそこで待っておくべきだった。
なぜか私は噴水のある広場に出ていて、一旦落ち着くためにベンチに座った。
「相澤さ~ん・・・」
祈りを捧げてみるが、そんな都合よく本人が出て来るわけもなく。
これからどうしようか。
探すべきか、むしろここで待って相澤さんが探しに来てくれるのを待つか。
後者の方がいい気がしてきた。
ご自慢の鼻もあまり役に立ってないし。
悶々と自分のすべきことを考えていると目の前に影が落ちた。
顔を上げると、そこには見知らぬ男が私を見下ろしていた。
「・・・?」
一瞬相澤さんかと期待したのだが違った。
目の前の男は私の隣に腰を下ろした。
「お姉さん1人?」
私はこくりと頷いた。
「良かったらそこの店でお茶しない?お金は出すから」
「今それどころじゃないから無理」
「つれないなぁ。ね、ちょっとだけ!」
男は距離を詰めてきた。
肩と肩が触れそうな距離に私のこめかみはピクリと動いた。
どうしよう。
相澤さんと早く合流するためにはここを動かない方がいい。
でもこの男から離れたい。
二者択一に悩んでいると、男は了承と捉えたらしく私の腕を引っ張ってベンチから立たせようとした。
「ちょっと・・・!」
思わず喰種化して男を遠ざけようとしたが、相澤さんの言葉を思い出し踏みとどまった。
危ない・・・思い出してよかった。
こんなひょろひょろの男、素手でも捻り上げられるが、それも駄目なのかな?
うーん、どうしよう。
正解が分からないため、下手に反撃できなかった。
男に腕を引かれるまま、店の方へ連れていかれる。
「あ、あの」
困るから離して、と言葉で伝えようとしたとき、男と私の腕以外にもう1本腕が視界に入ってきた。
「そいつは俺のツレだ」
息を切らした相澤さんが男の腕を掴んでおり、やっと会えたという安心感から私は胸を撫で下ろした。