【3章】決意
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別に特段やましい気持ちがあるわけでも、何か裏の思惑があるわけでもなく、ただ単純にせっかく出かけたのだから何か買ってやろうと思っただけだ。
こちら側の都合で窮屈な思いをさせているわけだし。
年齢のくだりあたりで少し風向きがおかしくなった気がしたが、それでもここまで来たのだからと店に入った。
試着室から出てきた名前はしきりにスカートの裾や出で立ちを気にしていたが、褒めてやれば恥ずかしそうにはにかんだ。
その表情は年相応で、今まで神経を研ぎ澄ませている顔がほとんどだったので余計に・・・・・・なんというか、可愛く見えた。
過去の環境が彼女にお洒落をさせる機会がなかっただけで、やはり人並みに願望はあったのだろう。
本人は気付いていないようだが、店を出た時の名前は一段も二段も表情が明るかった。
「相澤さん、ありがとう」
「生活費は貰ってるからそこから出しただけだ」
「出世払い、期待しといて」
「これでまたヒーローになる理由ができたな」
一度店に入ってしまえば、興味が出てきたらしく名前は「次、こっち行きたい」と自分の意見を言うようになった。
何軒か店を回り、昼ご飯を適当に食べた後はフロアを移動して端からまた回った。
「あのね」
名前は少し気まずそうに一点を指差した。
「あそこ入りたいんだけど・・・」
指差した先はランジェリーショップ。
「・・・さすがに俺はあそこには入れないな」
「やっぱり今日はいいや!ミッドナイトさんに今度頼んでみる」
そうは言っても考えてみると彼女は下着の数が不足しているはずだ。
配慮が足りなかった。
「外で待ってるから、買って来い」
俺は財布から現金を出すと多目に名前に渡した。
さすがに店の前で待っているのは憚られるので、すこし離れた柱の側に立った。
ちょうどトイレマークが視界に入り、迷ったが未だ下着を手に取って悩んでいる名前を見てすぐに戻ってくれば大丈夫か、とその場を離れた。
********
「うーん・・・」
服にしても下着にしても種類が多くてよく分からない。
「サイズ、測りましょうか?」
スタッフに話しかけられるのも慣れてきた。
「お願いします」
分からないのであればスタッフに任せた方が簡単だ。
あとは候補の中から一番安いやつを選ぼう。
「よし、買えた」
自分でお金を払って買い物が出来た事に達成感を覚えた私は、袋を抱えて店を出た。
「相澤さん?」
店を出てすぐには姿が見えなかった。
キョロキョロと見渡すが、どこにもいない。
私のお目付け役の相澤さんがいなくなるなんて考えられない。
スン・・・と相澤さんの匂いを探すが、いかんせん休日で人が多いため分からなかった。
「とりあえず探さなきゃ」
モールのどこかにいるのだからいつか会えるだろう。
そんな簡単な気持ちで私は歩き出した。
こちら側の都合で窮屈な思いをさせているわけだし。
年齢のくだりあたりで少し風向きがおかしくなった気がしたが、それでもここまで来たのだからと店に入った。
試着室から出てきた名前はしきりにスカートの裾や出で立ちを気にしていたが、褒めてやれば恥ずかしそうにはにかんだ。
その表情は年相応で、今まで神経を研ぎ澄ませている顔がほとんどだったので余計に・・・・・・なんというか、可愛く見えた。
過去の環境が彼女にお洒落をさせる機会がなかっただけで、やはり人並みに願望はあったのだろう。
本人は気付いていないようだが、店を出た時の名前は一段も二段も表情が明るかった。
「相澤さん、ありがとう」
「生活費は貰ってるからそこから出しただけだ」
「出世払い、期待しといて」
「これでまたヒーローになる理由ができたな」
一度店に入ってしまえば、興味が出てきたらしく名前は「次、こっち行きたい」と自分の意見を言うようになった。
何軒か店を回り、昼ご飯を適当に食べた後はフロアを移動して端からまた回った。
「あのね」
名前は少し気まずそうに一点を指差した。
「あそこ入りたいんだけど・・・」
指差した先はランジェリーショップ。
「・・・さすがに俺はあそこには入れないな」
「やっぱり今日はいいや!ミッドナイトさんに今度頼んでみる」
そうは言っても考えてみると彼女は下着の数が不足しているはずだ。
配慮が足りなかった。
「外で待ってるから、買って来い」
俺は財布から現金を出すと多目に名前に渡した。
さすがに店の前で待っているのは憚られるので、すこし離れた柱の側に立った。
ちょうどトイレマークが視界に入り、迷ったが未だ下着を手に取って悩んでいる名前を見てすぐに戻ってくれば大丈夫か、とその場を離れた。
********
「うーん・・・」
服にしても下着にしても種類が多くてよく分からない。
「サイズ、測りましょうか?」
スタッフに話しかけられるのも慣れてきた。
「お願いします」
分からないのであればスタッフに任せた方が簡単だ。
あとは候補の中から一番安いやつを選ぼう。
「よし、買えた」
自分でお金を払って買い物が出来た事に達成感を覚えた私は、袋を抱えて店を出た。
「相澤さん?」
店を出てすぐには姿が見えなかった。
キョロキョロと見渡すが、どこにもいない。
私のお目付け役の相澤さんがいなくなるなんて考えられない。
スン・・・と相澤さんの匂いを探すが、いかんせん休日で人が多いため分からなかった。
「とりあえず探さなきゃ」
モールのどこかにいるのだからいつか会えるだろう。
そんな簡単な気持ちで私は歩き出した。