【25章】君に贈る明るい未来
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「聞いたよー!!!!名前ちゃん、黒翼出なくなったんだって?」
相澤さんに連れていかれ、営業終了後の食堂に顔を出した。
「これで僕はもっと君を勧誘しやすくなったわけだ!」
「え?」
ランチラッシュは洗い物をしていた手を止めて、私の肩を掴んだ。
肩口が少し濡れた。
「僕の元で働いてよ!」
以前も会話の中で言われたそれ。
冗談だと思っていた。
「寮生活になってから、僕ほんと忙しくて。その内倒れちゃいそうなんだよね」
校長も人使いが荒いよと口を尖らせた。
「卒業するまでは、学生やってもらいながら、手が空いてる時にお手伝いに来てもらって、卒業後に本格的にここに就職するっていうのが僕の希望」
こんな、夢のような話があるのだろうか。
私は相澤さんに自由に夢を見ていいと言われて、一番最初に頭に浮かんだのは"料理人"だった。
「もちろん、他に夢があるなら」
「なりたいです!!!」
「名前・・・」
「私、料理人になりたいです!!」
相澤さんが即答した私に目を見開いていた。
「普通科だったらヒーロー科より時間取れると思うから、沢山お手伝い行ってもいいですか?」
「もちろん!!大歓迎だよ」
これでやっと少し休める、とランチラッシュは涙していた。
こうして私は卒業後はランチラッシュの元に就職することが決まった。
********
「ああは言ったが・・・卒業するまでに気が変わることもあるだろう。その時は遠慮せずに言うんだぞ」
改めてわざわざいう事ではないが、俺はこれで良かったと思う。
やっと、本当の意味で名前は自由になった。
ヒーローになることは、彼女が心から望んでいたことではなかった。
口では「ヒーローになりたい」と言っていたが、彼女にはその選択肢しかなかった。
この世界で生きていくための手段にすぎない。
目は口ほどに物を言う。
「料理人になりたい」と言った時の目は爛々と輝いていた。
「変わらないよ!絶対!私、料理人になって皆に美味しいご飯作る。もちろん相澤さんにも」
「上達していく様を楽しみにしてるよ」
「任せて!」
元々勉強熱心な名前は食堂からの帰り道、図書室で料理本を借りたいと言い出したが、もう閉館間際だったので明日にしなさいと宥めた。
「ふっ」
「え?何?」
思わず口から笑いが漏れた。
「いや、元気になったみたいで良かったよ」
「いじけてごめんね」
「名前は不安になってたみたいだが・・・もし本当にここに居られなくなったらその時はまた一緒に逃げるよ」
名前はポリポリと頬を掻いた。
「そしたらまた校長先生に怒られちゃうね」
確かに、と顔を見合わせて笑った。
「でも担任が相澤さんじゃなくなるのかぁ」
「寂しいか?」
「だって一緒に居られる時間がまた減っちゃう」
「卒業したら結婚するか」
「ええっ!?早くない?」
「本来学生の年齢じゃないだろ」
意地悪く笑えば名前はポスポスと叩いた。
「女性に年齢の話するのタブーだからね!」
「でも結婚すればずっと一緒に居られる」
名前は小さな声で「ランチラッシュのところで花嫁修業する」と呟いた。
「俺がずっと一緒に居たいんだよ」
これからずっと明るい未来が訪れるよう、俺が傍で見届けたい。
そして願わくば、その明るい未来を俺が君に贈りたい。
~fin~
相澤さんに連れていかれ、営業終了後の食堂に顔を出した。
「これで僕はもっと君を勧誘しやすくなったわけだ!」
「え?」
ランチラッシュは洗い物をしていた手を止めて、私の肩を掴んだ。
肩口が少し濡れた。
「僕の元で働いてよ!」
以前も会話の中で言われたそれ。
冗談だと思っていた。
「寮生活になってから、僕ほんと忙しくて。その内倒れちゃいそうなんだよね」
校長も人使いが荒いよと口を尖らせた。
「卒業するまでは、学生やってもらいながら、手が空いてる時にお手伝いに来てもらって、卒業後に本格的にここに就職するっていうのが僕の希望」
こんな、夢のような話があるのだろうか。
私は相澤さんに自由に夢を見ていいと言われて、一番最初に頭に浮かんだのは"料理人"だった。
「もちろん、他に夢があるなら」
「なりたいです!!!」
「名前・・・」
「私、料理人になりたいです!!」
相澤さんが即答した私に目を見開いていた。
「普通科だったらヒーロー科より時間取れると思うから、沢山お手伝い行ってもいいですか?」
「もちろん!!大歓迎だよ」
これでやっと少し休める、とランチラッシュは涙していた。
こうして私は卒業後はランチラッシュの元に就職することが決まった。
********
「ああは言ったが・・・卒業するまでに気が変わることもあるだろう。その時は遠慮せずに言うんだぞ」
改めてわざわざいう事ではないが、俺はこれで良かったと思う。
やっと、本当の意味で名前は自由になった。
ヒーローになることは、彼女が心から望んでいたことではなかった。
口では「ヒーローになりたい」と言っていたが、彼女にはその選択肢しかなかった。
この世界で生きていくための手段にすぎない。
目は口ほどに物を言う。
「料理人になりたい」と言った時の目は爛々と輝いていた。
「変わらないよ!絶対!私、料理人になって皆に美味しいご飯作る。もちろん相澤さんにも」
「上達していく様を楽しみにしてるよ」
「任せて!」
元々勉強熱心な名前は食堂からの帰り道、図書室で料理本を借りたいと言い出したが、もう閉館間際だったので明日にしなさいと宥めた。
「ふっ」
「え?何?」
思わず口から笑いが漏れた。
「いや、元気になったみたいで良かったよ」
「いじけてごめんね」
「名前は不安になってたみたいだが・・・もし本当にここに居られなくなったらその時はまた一緒に逃げるよ」
名前はポリポリと頬を掻いた。
「そしたらまた校長先生に怒られちゃうね」
確かに、と顔を見合わせて笑った。
「でも担任が相澤さんじゃなくなるのかぁ」
「寂しいか?」
「だって一緒に居られる時間がまた減っちゃう」
「卒業したら結婚するか」
「ええっ!?早くない?」
「本来学生の年齢じゃないだろ」
意地悪く笑えば名前はポスポスと叩いた。
「女性に年齢の話するのタブーだからね!」
「でも結婚すればずっと一緒に居られる」
名前は小さな声で「ランチラッシュのところで花嫁修業する」と呟いた。
「俺がずっと一緒に居たいんだよ」
これからずっと明るい未来が訪れるよう、俺が傍で見届けたい。
そして願わくば、その明るい未来を俺が君に贈りたい。
~fin~
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