【24章】彼の想い
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某日。
その日は嫌味かと思うほど晴れていた。
日が沈むころ、僕は仕込んだ睡眠薬で眠らせた名前を抱き上げて、檻の中に入れた。
「本当にこれでいいの?」
イトリさんが心配そうな顔で僕を見上げた。
「上手くいくといいね」
「そうだね」
さあ、人間オークションの開幕だ。
****************
名前は優しくて、僕のことを好きでいてくれている。
だからただ僕の傍を離れるように言っても、首を横に振るのは目に見えていた。
しかし、同じ場所に留まり続ける限り狙われるリスクはどんどん上がっていく。
どれだけ甘く見積もってもあの有馬に名前が敵うとは思えない。
「何・・・これ?」
起き上がった名前は戸惑いを隠せていなかった。
僕はあえて自分の存在を彼女に知らしめるため、先ほどより大きな声を張り上げた。
「さあ!お次は本日の目玉商品です。希少価値の高い半喰種。それに加えて彼女はなんと、人間の食事ができます」
ピエロ主催の人間オークション。
僕達は普段とは違い、ピエロのマスクを付けている。
しかし、名前が僕の声を間違えるはずがない。
「なんで!?ウタさん!!!」
僕は名前の声を無視して司会を進行した。
絶望の谷底まで突き落とす。
そうしなければ名前は僕の元を去らないだろう。
そしてまた僕は彼女の性格をよく知っている。
君が裏切られるのは初めてじゃない。
だからきっと僕に裏切られたことが分かれば、ここから逃げる算段をすぐに取るはずだ。
事前に仲間には逃げやすい環境を整備してもらっている。
鉄の檻も君の分だけ簡単に壊せる特注品だ。
一部不服そうにしている連中がいたが、時間がない。
ここを出たらまっすぐに逃げるんだ。
そして、僕の傍より安全な場所でひっそりと暮らすんだよ。
さようなら。
その日は嫌味かと思うほど晴れていた。
日が沈むころ、僕は仕込んだ睡眠薬で眠らせた名前を抱き上げて、檻の中に入れた。
「本当にこれでいいの?」
イトリさんが心配そうな顔で僕を見上げた。
「上手くいくといいね」
「そうだね」
さあ、人間オークションの開幕だ。
****************
名前は優しくて、僕のことを好きでいてくれている。
だからただ僕の傍を離れるように言っても、首を横に振るのは目に見えていた。
しかし、同じ場所に留まり続ける限り狙われるリスクはどんどん上がっていく。
どれだけ甘く見積もってもあの有馬に名前が敵うとは思えない。
「何・・・これ?」
起き上がった名前は戸惑いを隠せていなかった。
僕はあえて自分の存在を彼女に知らしめるため、先ほどより大きな声を張り上げた。
「さあ!お次は本日の目玉商品です。希少価値の高い半喰種。それに加えて彼女はなんと、人間の食事ができます」
ピエロ主催の人間オークション。
僕達は普段とは違い、ピエロのマスクを付けている。
しかし、名前が僕の声を間違えるはずがない。
「なんで!?ウタさん!!!」
僕は名前の声を無視して司会を進行した。
絶望の谷底まで突き落とす。
そうしなければ名前は僕の元を去らないだろう。
そしてまた僕は彼女の性格をよく知っている。
君が裏切られるのは初めてじゃない。
だからきっと僕に裏切られたことが分かれば、ここから逃げる算段をすぐに取るはずだ。
事前に仲間には逃げやすい環境を整備してもらっている。
鉄の檻も君の分だけ簡単に壊せる特注品だ。
一部不服そうにしている連中がいたが、時間がない。
ここを出たらまっすぐに逃げるんだ。
そして、僕の傍より安全な場所でひっそりと暮らすんだよ。
さようなら。