【23章】異変
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「いったぁ・・・」
思いっきり喰らってしまった。
私は腕を擦りながらできるだけ細い路地を突き進む。
獰猛な獣のような彼に背を向けることは危険行為だと分かってはいたが、今はこれしかなかった。
建物の間に身体を滑り込ませて、息を潜めた。
私は鼻が利く。
爆豪くんの匂いを感知するまではここで体勢を立て直す。
私は再び黒翼を出す準備をした。
「何で・・・!?」
しかし、身体の一部である私の翼はまるで戦うことを拒否するように、出てこなかった。
立って座って、身体を動かす。
そしてもう一度出そうとするが、うんともすんとも言わなかった。
「どうして!」
今までこんなこと一度もなかった。
背中がどうなってるのか確認したいが、さすがに喰種といえども首は真後ろまで回らない。
建物のガラスか何かの反射で確認できないかと、路地から出た。
「よお」
焦って爆豪くんの存在を失念していた。
「なんで・・・」
いや、違う。
失念したのではなく、彼の匂いに私は気づけなかったのだ。
彼が振りかざした拳を、私は避けることができず、ただぎゅっと目を瞑った。
********
ドゴオォォォン!!
辺りに響く破壊音。
まだ自主練習で一度も勝てていない。
だから開始早々全力だった。
どうやってこいつに勝つか。
そればかり気にしていた。
だから反応が遅れてしまった。
路地から出てきたこいつに、一瞬の隙も与えないよう振りかぶった拳。
対面した名字はまるで俺を敵でも見るかのような瞳で、抵抗することなくぎゅっと目を閉じた。
最後に一瞬だけ合った目は恐怖に揺れていた。
まるで力を何も持っていないただの"女"に映った。
急遽右から左へ軌道を変更したが、わずかに間に合わなかった。
俺の拳は名字の頬を掠めた。
*******************
「おい!!」
いつもだったら軽く避けられている。
しかし、私の身体は鉛のように重くて、覚悟を決めて目を瞑った。
わずかに当たった拳も、なぜか滅茶苦茶痛かった。
地面に落ちていく身体を爆豪くんが支えてくれた。
「勝者、爆豪」
スピーカーから聞こえる爆豪くんの勝利。
あーあ。
何もできずに終わってしまった。
私は眠るようにして意識を手放した。
********
これで何度目だろうか。
目を開けたときに白い天井が視界に入るのは。
「いった・・・」
身体を起こそうとしたとき、腕に痛みが走った。
「無理するな。腕にヒビが入ってる」
「ヒビ!?」
保健室に私は運ばれたらしい。
相澤さんは回る椅子に座っていた。
嘘でしょ。
いつもなら力を逃がして、そんなヘマしないのに。
「あっ、そうだ。背中!背中どうなってる?」
「背中?あ、こら。こんなところで脱ごうとするな」
服を脱ごうとする私に相澤さんが慌てた。
彼氏だから気にしていなかったけど、そうか、ここは学校だ。
「黒翼が・・・出ないの」
真っ青になった私の表情を見て、相澤さんも事の重大さを感じ取ってくれたらしい。
立ち上がって私の背後に回るとシャツをたくし上げて、背中を確認してくれた。
「どうもなっていないが・・・」
「本当に?」
もう一度出そうと試みた。
「やっぱり出ない・・・」
思いっきり喰らってしまった。
私は腕を擦りながらできるだけ細い路地を突き進む。
獰猛な獣のような彼に背を向けることは危険行為だと分かってはいたが、今はこれしかなかった。
建物の間に身体を滑り込ませて、息を潜めた。
私は鼻が利く。
爆豪くんの匂いを感知するまではここで体勢を立て直す。
私は再び黒翼を出す準備をした。
「何で・・・!?」
しかし、身体の一部である私の翼はまるで戦うことを拒否するように、出てこなかった。
立って座って、身体を動かす。
そしてもう一度出そうとするが、うんともすんとも言わなかった。
「どうして!」
今までこんなこと一度もなかった。
背中がどうなってるのか確認したいが、さすがに喰種といえども首は真後ろまで回らない。
建物のガラスか何かの反射で確認できないかと、路地から出た。
「よお」
焦って爆豪くんの存在を失念していた。
「なんで・・・」
いや、違う。
失念したのではなく、彼の匂いに私は気づけなかったのだ。
彼が振りかざした拳を、私は避けることができず、ただぎゅっと目を瞑った。
********
ドゴオォォォン!!
辺りに響く破壊音。
まだ自主練習で一度も勝てていない。
だから開始早々全力だった。
どうやってこいつに勝つか。
そればかり気にしていた。
だから反応が遅れてしまった。
路地から出てきたこいつに、一瞬の隙も与えないよう振りかぶった拳。
対面した名字はまるで俺を敵でも見るかのような瞳で、抵抗することなくぎゅっと目を閉じた。
最後に一瞬だけ合った目は恐怖に揺れていた。
まるで力を何も持っていないただの"女"に映った。
急遽右から左へ軌道を変更したが、わずかに間に合わなかった。
俺の拳は名字の頬を掠めた。
*******************
「おい!!」
いつもだったら軽く避けられている。
しかし、私の身体は鉛のように重くて、覚悟を決めて目を瞑った。
わずかに当たった拳も、なぜか滅茶苦茶痛かった。
地面に落ちていく身体を爆豪くんが支えてくれた。
「勝者、爆豪」
スピーカーから聞こえる爆豪くんの勝利。
あーあ。
何もできずに終わってしまった。
私は眠るようにして意識を手放した。
********
これで何度目だろうか。
目を開けたときに白い天井が視界に入るのは。
「いった・・・」
身体を起こそうとしたとき、腕に痛みが走った。
「無理するな。腕にヒビが入ってる」
「ヒビ!?」
保健室に私は運ばれたらしい。
相澤さんは回る椅子に座っていた。
嘘でしょ。
いつもなら力を逃がして、そんなヘマしないのに。
「あっ、そうだ。背中!背中どうなってる?」
「背中?あ、こら。こんなところで脱ごうとするな」
服を脱ごうとする私に相澤さんが慌てた。
彼氏だから気にしていなかったけど、そうか、ここは学校だ。
「黒翼が・・・出ないの」
真っ青になった私の表情を見て、相澤さんも事の重大さを感じ取ってくれたらしい。
立ち上がって私の背後に回るとシャツをたくし上げて、背中を確認してくれた。
「どうもなっていないが・・・」
「本当に?」
もう一度出そうと試みた。
「やっぱり出ない・・・」
