【21章】終焉
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相澤さんも初めて聞いたようだ。
私と同じぐらいの驚きよう。
「え?名字さん帰りたかったの?」
「いえ・・・」
茫然として、言葉にならない。
「えっと・・・塞いだということは、それはつまり名字はこちらに残ってもいいということでよろしいでしょうか?」
「"残ってもいい"というより"残ってもらわないと困る"の方が正しいかな」
戸惑いながらも相澤さんは私達が一番聞きたいところを聞いてくれた。
「確かに穴は塞いだ。おそらく十中八九こちらの人間の仕業だ。誰かが異世界と繋げる個性を持っているんだろう。それも今全力で探してる」
根津校長はピッと指を掲げて状況説明を講じた。
「しかし、前例が出た以上、元凶を捕まえても今後同様の事例が起こらないとは言い切れない」
「今回の例でよく分かった。喰種は君みたいにいい人ばかりじゃないと」
「またあの男のように人間を捕食する喰種が現れたら我々は後手を取る」
「そうならないためにも、喰種を良く知っている名字さんには国が秘密裏に新設した"対喰種アドバイザー"になってもらうよ!」
対喰種アドバイザー・・・?
えへん、と腕組をする校長を私はポカンと見つめた。
「職場は君が卒業するまでは雄英高校!今まで通り、ヒーローを目指してもらって万一また喰種がやって来た時には動いてもらう。お給料は成果報酬だからね!」
それってつまり・・・。
「私、雄英にいていいってことですか?」
校長が私のために居場所を用意してくれた。
これはそういうことだ。
校長は私の肩に移動するとぽんぽんと頭をその小さい手で撫でてくれた。
「生徒達を明るい未来に導く!それが校長の務めサ!」
ぽろり、と涙がこぼれたので私は傍にあったティッシュで慌てて拭った。
「あ、でも君達が約束を守らなかったこと怒ってるよ!」
「約束?」
私は首を傾げた。
「言ったでしょ?"もう勝手に抜け出しちゃだめだよ"って」
*******************
「じゃあ、また学校でね!」
校長はひらひらと手を振って病室を後にした。
「「・・・逃げなくて良かった」」
俺と名前は顔を見合わせて肩の力を抜いた。
「ふふ」
「校長にやられたな」
全てバレていたということか。
俺が名前を逃がそうとしていた事。
そして、それに俺もついていこうとしていた事。
雄英高校というマンモス校のトップであることを、まざまざと感じさせられた。
「はーあ。夢みたい」
「現実だ」
頬をつねる代わりに、まだ少し血色の良くない彼女の唇に触れることで、これが現実であるということを確かめた。
********
「うーん」
私は病院を出て伸びをした。
生徒達に勘づかれないよう、休日の間に退院してしまう算段だ。
外傷もしっかり塞がっており、試しに腕を回したりジャンプしてみたりしたが特に問題はなさそうだ。
「そういえば、相澤さんが私に血をくれたんだよね?」
マウストゥマウスで。
様子を見に来てくれたマイク先生から聞いた。
「ああ。やはり喰種にとって人間の血は回復促進に有効みたいだな」
「少し・・・複雑だな」
私と相澤さんが違う種族であるということを、再確認させられた気がした。
「いたっ」
ピンとおでこを弾かれた。
「何言ってるんだ。そのおかげでこうして助かったんだろう」
それもそうだ。
こうして相澤さんと一緒にいられることが何よりもの幸せなのだ。
「助けてくれてありがとう」
「・・・嬉しかったよ」
「え?」
「あの時、助けてって言っただろ」
あまり覚えていないが、薄れゆく意識の中でそんなことを言った気もする。
「初めて、しっかりと頼って貰えた気がした」
そんなことはない。
いつも私は相澤さんを頼っている。
でも相澤さんの表情を見て、あの時言葉に出して良かったと思った。
私と同じぐらいの驚きよう。
「え?名字さん帰りたかったの?」
「いえ・・・」
茫然として、言葉にならない。
「えっと・・・塞いだということは、それはつまり名字はこちらに残ってもいいということでよろしいでしょうか?」
「"残ってもいい"というより"残ってもらわないと困る"の方が正しいかな」
戸惑いながらも相澤さんは私達が一番聞きたいところを聞いてくれた。
「確かに穴は塞いだ。おそらく十中八九こちらの人間の仕業だ。誰かが異世界と繋げる個性を持っているんだろう。それも今全力で探してる」
根津校長はピッと指を掲げて状況説明を講じた。
「しかし、前例が出た以上、元凶を捕まえても今後同様の事例が起こらないとは言い切れない」
「今回の例でよく分かった。喰種は君みたいにいい人ばかりじゃないと」
「またあの男のように人間を捕食する喰種が現れたら我々は後手を取る」
「そうならないためにも、喰種を良く知っている名字さんには国が秘密裏に新設した"対喰種アドバイザー"になってもらうよ!」
対喰種アドバイザー・・・?
えへん、と腕組をする校長を私はポカンと見つめた。
「職場は君が卒業するまでは雄英高校!今まで通り、ヒーローを目指してもらって万一また喰種がやって来た時には動いてもらう。お給料は成果報酬だからね!」
それってつまり・・・。
「私、雄英にいていいってことですか?」
校長が私のために居場所を用意してくれた。
これはそういうことだ。
校長は私の肩に移動するとぽんぽんと頭をその小さい手で撫でてくれた。
「生徒達を明るい未来に導く!それが校長の務めサ!」
ぽろり、と涙がこぼれたので私は傍にあったティッシュで慌てて拭った。
「あ、でも君達が約束を守らなかったこと怒ってるよ!」
「約束?」
私は首を傾げた。
「言ったでしょ?"もう勝手に抜け出しちゃだめだよ"って」
*******************
「じゃあ、また学校でね!」
校長はひらひらと手を振って病室を後にした。
「「・・・逃げなくて良かった」」
俺と名前は顔を見合わせて肩の力を抜いた。
「ふふ」
「校長にやられたな」
全てバレていたということか。
俺が名前を逃がそうとしていた事。
そして、それに俺もついていこうとしていた事。
雄英高校というマンモス校のトップであることを、まざまざと感じさせられた。
「はーあ。夢みたい」
「現実だ」
頬をつねる代わりに、まだ少し血色の良くない彼女の唇に触れることで、これが現実であるということを確かめた。
********
「うーん」
私は病院を出て伸びをした。
生徒達に勘づかれないよう、休日の間に退院してしまう算段だ。
外傷もしっかり塞がっており、試しに腕を回したりジャンプしてみたりしたが特に問題はなさそうだ。
「そういえば、相澤さんが私に血をくれたんだよね?」
マウストゥマウスで。
様子を見に来てくれたマイク先生から聞いた。
「ああ。やはり喰種にとって人間の血は回復促進に有効みたいだな」
「少し・・・複雑だな」
私と相澤さんが違う種族であるということを、再確認させられた気がした。
「いたっ」
ピンとおでこを弾かれた。
「何言ってるんだ。そのおかげでこうして助かったんだろう」
それもそうだ。
こうして相澤さんと一緒にいられることが何よりもの幸せなのだ。
「助けてくれてありがとう」
「・・・嬉しかったよ」
「え?」
「あの時、助けてって言っただろ」
あまり覚えていないが、薄れゆく意識の中でそんなことを言った気もする。
「初めて、しっかりと頼って貰えた気がした」
そんなことはない。
いつも私は相澤さんを頼っている。
でも相澤さんの表情を見て、あの時言葉に出して良かったと思った。
