【20章】過去②
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「何やってんだろ・・・私」
このまま逃げれば良かった。
でも、ほら。
あれだよ。
「ウタさん一発殴らなきゃ気が済まない」
私、あんたの恋人じゃなかったの?
そう思ってたのは私だけ?
悲しみの感情が怒りに変わっていた。
そう、私はウタさんを殴るために戻っている。
決して什造くんを助けに戻るわけじゃない。
ただ・・・。
「途中寄り道してるだけだからね!」
「名前さん!?」
什造くんと喰種の間に空中から割って入った。
戻って来て良かった。
彼は先ほどよりも腹部からの出血がひどくなっていた。
「選手交代ね」
私は什造くんを後ろに下がらせた。
「捜査官助ける意味あるか?」
「なんか、捜査官とか喰種とかどうでも良くなってきた」
みんな自分勝手だ。
わけわかんない。
だから・・・。
「気に入らない奴をぶっ飛ばす」
********
戦況は五分五分だった。
しかし、基礎体力が向こうの方が上で、喰種といえど男女差は大きい。
什造くんも加勢しようとしているが、共闘したことがないため場合によってはお互い足を引っ張りかねない。
ましてや彼は血を流し過ぎている。
それは彼自身感じているようで、ナイフを持って隙を伺うにとどまっていた。
「とりあえずこっちから落とすか」
私が振り下ろした黒翼を避けると視界から男が消えた。
「什造くん!」
男は什造くんに狙いをシフトしたのだ。
本当に咄嗟のことだった。
庇うつもりなんてなかった。
「あ・・・」
男の拳は私の腹部を貫いていた。
「ゴフッ・・・」
口内が血で溢れた。
あーあ、やっちゃった。
案外あっけない最期だったな。
ここまでしぶとく生き残ってきたのに。
走馬灯なんてものが駆け巡る余裕もなく、薄れゆく視界の端に眼下で戦っているウタさんの姿が映った。
「什造くん!」
私は振り返った。
「先に地獄で待ってるよ」
「名前さん!!!」
私も貴方も人と喰種を殺し過ぎた。
天国に行けるはずなんてない。
だから、先に行って貴方が来るのを気長に待つよ。
私は最後の力を振り絞って腹部を貫いている男の腕をしっかり掴み、屋上から身を投げ出した。
ウタさんが戦っている場所目がけて。
このまま逃げれば良かった。
でも、ほら。
あれだよ。
「ウタさん一発殴らなきゃ気が済まない」
私、あんたの恋人じゃなかったの?
そう思ってたのは私だけ?
悲しみの感情が怒りに変わっていた。
そう、私はウタさんを殴るために戻っている。
決して什造くんを助けに戻るわけじゃない。
ただ・・・。
「途中寄り道してるだけだからね!」
「名前さん!?」
什造くんと喰種の間に空中から割って入った。
戻って来て良かった。
彼は先ほどよりも腹部からの出血がひどくなっていた。
「選手交代ね」
私は什造くんを後ろに下がらせた。
「捜査官助ける意味あるか?」
「なんか、捜査官とか喰種とかどうでも良くなってきた」
みんな自分勝手だ。
わけわかんない。
だから・・・。
「気に入らない奴をぶっ飛ばす」
********
戦況は五分五分だった。
しかし、基礎体力が向こうの方が上で、喰種といえど男女差は大きい。
什造くんも加勢しようとしているが、共闘したことがないため場合によってはお互い足を引っ張りかねない。
ましてや彼は血を流し過ぎている。
それは彼自身感じているようで、ナイフを持って隙を伺うにとどまっていた。
「とりあえずこっちから落とすか」
私が振り下ろした黒翼を避けると視界から男が消えた。
「什造くん!」
男は什造くんに狙いをシフトしたのだ。
本当に咄嗟のことだった。
庇うつもりなんてなかった。
「あ・・・」
男の拳は私の腹部を貫いていた。
「ゴフッ・・・」
口内が血で溢れた。
あーあ、やっちゃった。
案外あっけない最期だったな。
ここまでしぶとく生き残ってきたのに。
走馬灯なんてものが駆け巡る余裕もなく、薄れゆく視界の端に眼下で戦っているウタさんの姿が映った。
「什造くん!」
私は振り返った。
「先に地獄で待ってるよ」
「名前さん!!!」
私も貴方も人と喰種を殺し過ぎた。
天国に行けるはずなんてない。
だから、先に行って貴方が来るのを気長に待つよ。
私は最後の力を振り絞って腹部を貫いている男の腕をしっかり掴み、屋上から身を投げ出した。
ウタさんが戦っている場所目がけて。
