【20章】過去②
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戦線離脱し、とにかく走った。
どこもかしこも喰種対人間の地獄絵図だった。
私が逃げ出したことに気付いた者はいただろうか。
いたとしてもすぐに対応できる状況でもなかったのだろう。
私はあっさり抜け出すことができた。
振り返ると喧騒は随分遠くの方に聞こえた。
「ここまで来たら大丈夫・・・かな」
早くこの場から去ろう、そう思うのだが足が思うように進まない。
数歩進んでは後ろが気になって振り返ってしまう。
これで良かったのだ。
振り返らずにこのまま去らなければ。
そうしなければ什造くんが身を挺してくれた意味がなくなる。
そう思うのだが、一方で本当にこれで良いのか、後悔しないのかと問いかける自分がいる。
「はぁ・・・」
今日何度目か分からない溜息を吐いた。
********
喰種を殺すことが僕の生きがいだった。
ただただ、何も考えずに喰種を殺していた。
でも時々思うんです。
僕が喰種を殺すのは自分が人間だからに過ぎないと。
喰種に育てられて、ある日捜査官に助けられて、そこから時を経て僕自身が捜査官になったわけですが・・・。
別に心の底から喰種が憎い訳ではない。
人間でもムカつく奴はムカつきますし。
そう思うと、なんだか捜査局にいいように扱われているな、と思うわけです。
だから自分の思うままに生きてみることにしました。
別にいいことをしたいわけではないです。
ただ、あの時は檻に入った彼女を出してあげたくなったんです。
あの檻が何だか彼女には似合わなかったから。
ただの気まぐれです。
捜査資料で見た事がありました。
"ゴースト"と呼ばれる彼女は人間の食事ができる稀有な喰種であると。
幾多の捜査官が返討ちにあったことも知っています。
でも、僕は冷徹ですからね。
同僚が殺されていようとも、彼女に対して恨みの感情は湧きませんでした。
お互い様です。
しかし、驚きました。
咄嗟に瓦礫から僕を守ったあの行動。
彼女も僕に思うところがあるのでしょうか。
お互い孤独な身だからか・・・共鳴するところがあったのかもしれません。
「めんどくさいですね~」
「ハッ!大口叩いてたわりには傷口開いてんじゃねぇか!」
格好つけて彼女を逃がしたのはいいものの、先刻の戦いで負った傷が時間を経て重症化してきた。
見た目では分かりにくいが内臓も傷ついているのだろう。
あまり長く持たないかもしれません。
一気に勝負を決めるためにナイフを握り直した。
どこもかしこも喰種対人間の地獄絵図だった。
私が逃げ出したことに気付いた者はいただろうか。
いたとしてもすぐに対応できる状況でもなかったのだろう。
私はあっさり抜け出すことができた。
振り返ると喧騒は随分遠くの方に聞こえた。
「ここまで来たら大丈夫・・・かな」
早くこの場から去ろう、そう思うのだが足が思うように進まない。
数歩進んでは後ろが気になって振り返ってしまう。
これで良かったのだ。
振り返らずにこのまま去らなければ。
そうしなければ什造くんが身を挺してくれた意味がなくなる。
そう思うのだが、一方で本当にこれで良いのか、後悔しないのかと問いかける自分がいる。
「はぁ・・・」
今日何度目か分からない溜息を吐いた。
********
喰種を殺すことが僕の生きがいだった。
ただただ、何も考えずに喰種を殺していた。
でも時々思うんです。
僕が喰種を殺すのは自分が人間だからに過ぎないと。
喰種に育てられて、ある日捜査官に助けられて、そこから時を経て僕自身が捜査官になったわけですが・・・。
別に心の底から喰種が憎い訳ではない。
人間でもムカつく奴はムカつきますし。
そう思うと、なんだか捜査局にいいように扱われているな、と思うわけです。
だから自分の思うままに生きてみることにしました。
別にいいことをしたいわけではないです。
ただ、あの時は檻に入った彼女を出してあげたくなったんです。
あの檻が何だか彼女には似合わなかったから。
ただの気まぐれです。
捜査資料で見た事がありました。
"ゴースト"と呼ばれる彼女は人間の食事ができる稀有な喰種であると。
幾多の捜査官が返討ちにあったことも知っています。
でも、僕は冷徹ですからね。
同僚が殺されていようとも、彼女に対して恨みの感情は湧きませんでした。
お互い様です。
しかし、驚きました。
咄嗟に瓦礫から僕を守ったあの行動。
彼女も僕に思うところがあるのでしょうか。
お互い孤独な身だからか・・・共鳴するところがあったのかもしれません。
「めんどくさいですね~」
「ハッ!大口叩いてたわりには傷口開いてんじゃねぇか!」
格好つけて彼女を逃がしたのはいいものの、先刻の戦いで負った傷が時間を経て重症化してきた。
見た目では分かりにくいが内臓も傷ついているのだろう。
あまり長く持たないかもしれません。
一気に勝負を決めるためにナイフを握り直した。
