【20章】過去②
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「女の子・・・?」
「いえ、僕は男です~」
白髪の中性的な顔立ちだったので分からなかった。
だって、格好も・・・。
「何で女装・・・?」
「潜入捜査してたのです」
ほら、このオークションに出品されてるの女の子ばっかりでしょ?と首を傾げた。
「・・・!喰種捜査官」
「ご明察」
そういえば、喰種捜査官の上級に戦闘狂のやばい奴がいると聞いた事がある。
その捜査官の特徴は、中性的な顔立ちに白雪のような髪とそれに似合わない痛々しいボディステッチ。
よく見ると肌の至る所に縫い目があった。
身体的特徴が一致する。
しかし、彼は私に敵意を見せる様子がない。
「・・・怪我?」
「・・・ママと決別しました」
聞けば、彼の育ての親は喰種で、その喰種はこのオークションに観衆として参加していたらしい。
彼がどういった経緯で捜査官に入ったのかは分からないが、ここでかつての親と対峙し先ほどまで戦ったのだという。
そのときに負傷したらしい。
「じゃあこの騒動は喰種捜査官が?」
「そうですね~。一気に喰種を叩く予定です」
「・・・ならまずは目の前の私を殺す?」
簡単にやられる気はないけど。
私は喰種化してバサリと黒翼を出した。
彼は肩を竦めると悲しそうな表情をした。
「僕に貴方は殺せそうにないです」
確かに彼は怪我をしているが、致命的ではない。
話に聞いていた戦闘狂の人物像とはかけ離れていた。
「重ねてしまいました」
「何を?」
「檻の中に入っている貴方と昔の自分を」
「よくわかんないけど、それでいいの?目の前の喰種逃がしたってバレたらやばいんじゃない?」
「かもしれないですね~。でも僕出世とか興味ないんで」
すでに上級の捜査官なのに何を言っているのか。
飄々としていて掴みどころがない。
しかし、わざわざ敵意のない捜査官を相手にするよりはこのまま一人で逃げた方がいい。
「そ、じゃね」
私は部屋を後にしようと外の様子を伺ったとき、ちょうど扉一枚隔てた先に人がいることに気付いた。
外側から勢いよく扉が破壊され、私と彼は後ろに飛びのいた。
「きひひ。やーっと見つけた」
目の前の喰種は舌舐めずりをして私を見ていた。
「え、私喰種なんだけど?」
同じ種族の喰種に狙われる意味がわからない。
「半分・・・だろ?」
男は卑しい目を私に向けた。
「半喰種が絶品だって聞いてな。ずーっと機会を狙ってたんだ。だけどお前ウタといつも一緒にいるからな」
そんな勝手に高級料理的な扱いされても。
大体、半喰種が絶品なんて聞いたことない。
希少価値が高いだけだろう。
「どこぞの富豪になんて売らせるか。俺が喰うんだ」
ここで気付いた。
半喰種が絶品なんていう噂回っていたのであれば、私のことを狙っていた喰種は他にもいたはずだ。
私が今まで喰種に狙われなかったのは、ウタさんが傍にいたからだ。
ウタさんという後ろ盾を失った今、私は喰種からも狙われる身となったのだ。
「ほんと・・・私の人生ハードモードすぎ」
ここから出ても喰種と捜査官両方から追われる人生が続く。
大好きだった恋人にも裏切られて、かろうじて繋がっていた糸がプツンと切れてしまった。
もう、どうでもいいかも。
目の前の男が私に向かって鋭い爪を振り下ろした。
しかし、その爪が私の喉元に届くことはなかった。
ヒュンッとナイフが男に向かって投げられ、それを避けるために男は距離を取った。
「どうして・・・?」
中性的な彼を見ると両手にはいくつものナイフが収まっていた。
器用にくるくると回している。
「貴方・・・気に入らないです」
冷たい目を喰種の男に向けていた。
私が戦意喪失している間、喰種と捜査官が戦っていた。
やはり彼が戦闘狂であるという噂は本当だったらしい。
ナイフを自分の身体の一部のように使いこなしている。
戦う気力も逃げる気力も失っている私はぼんやりと2人の行く末を眺めていた。
ここ以外でも至る所で戦闘が行われている。
地響きがその激しさを物語っていた。
パラパラと天井から砂埃が落ちて来る。
一際大きい揺れが襲った。
「危ないっ!」
恐れていた事態が起きた。
建物の一部が崩落したのだ。
私は咄嗟に捜査官の彼の頭上を黒翼で守った。
「いえ、僕は男です~」
白髪の中性的な顔立ちだったので分からなかった。
だって、格好も・・・。
「何で女装・・・?」
「潜入捜査してたのです」
ほら、このオークションに出品されてるの女の子ばっかりでしょ?と首を傾げた。
「・・・!喰種捜査官」
「ご明察」
そういえば、喰種捜査官の上級に戦闘狂のやばい奴がいると聞いた事がある。
その捜査官の特徴は、中性的な顔立ちに白雪のような髪とそれに似合わない痛々しいボディステッチ。
よく見ると肌の至る所に縫い目があった。
身体的特徴が一致する。
しかし、彼は私に敵意を見せる様子がない。
「・・・怪我?」
「・・・ママと決別しました」
聞けば、彼の育ての親は喰種で、その喰種はこのオークションに観衆として参加していたらしい。
彼がどういった経緯で捜査官に入ったのかは分からないが、ここでかつての親と対峙し先ほどまで戦ったのだという。
そのときに負傷したらしい。
「じゃあこの騒動は喰種捜査官が?」
「そうですね~。一気に喰種を叩く予定です」
「・・・ならまずは目の前の私を殺す?」
簡単にやられる気はないけど。
私は喰種化してバサリと黒翼を出した。
彼は肩を竦めると悲しそうな表情をした。
「僕に貴方は殺せそうにないです」
確かに彼は怪我をしているが、致命的ではない。
話に聞いていた戦闘狂の人物像とはかけ離れていた。
「重ねてしまいました」
「何を?」
「檻の中に入っている貴方と昔の自分を」
「よくわかんないけど、それでいいの?目の前の喰種逃がしたってバレたらやばいんじゃない?」
「かもしれないですね~。でも僕出世とか興味ないんで」
すでに上級の捜査官なのに何を言っているのか。
飄々としていて掴みどころがない。
しかし、わざわざ敵意のない捜査官を相手にするよりはこのまま一人で逃げた方がいい。
「そ、じゃね」
私は部屋を後にしようと外の様子を伺ったとき、ちょうど扉一枚隔てた先に人がいることに気付いた。
外側から勢いよく扉が破壊され、私と彼は後ろに飛びのいた。
「きひひ。やーっと見つけた」
目の前の喰種は舌舐めずりをして私を見ていた。
「え、私喰種なんだけど?」
同じ種族の喰種に狙われる意味がわからない。
「半分・・・だろ?」
男は卑しい目を私に向けた。
「半喰種が絶品だって聞いてな。ずーっと機会を狙ってたんだ。だけどお前ウタといつも一緒にいるからな」
そんな勝手に高級料理的な扱いされても。
大体、半喰種が絶品なんて聞いたことない。
希少価値が高いだけだろう。
「どこぞの富豪になんて売らせるか。俺が喰うんだ」
ここで気付いた。
半喰種が絶品なんていう噂回っていたのであれば、私のことを狙っていた喰種は他にもいたはずだ。
私が今まで喰種に狙われなかったのは、ウタさんが傍にいたからだ。
ウタさんという後ろ盾を失った今、私は喰種からも狙われる身となったのだ。
「ほんと・・・私の人生ハードモードすぎ」
ここから出ても喰種と捜査官両方から追われる人生が続く。
大好きだった恋人にも裏切られて、かろうじて繋がっていた糸がプツンと切れてしまった。
もう、どうでもいいかも。
目の前の男が私に向かって鋭い爪を振り下ろした。
しかし、その爪が私の喉元に届くことはなかった。
ヒュンッとナイフが男に向かって投げられ、それを避けるために男は距離を取った。
「どうして・・・?」
中性的な彼を見ると両手にはいくつものナイフが収まっていた。
器用にくるくると回している。
「貴方・・・気に入らないです」
冷たい目を喰種の男に向けていた。
私が戦意喪失している間、喰種と捜査官が戦っていた。
やはり彼が戦闘狂であるという噂は本当だったらしい。
ナイフを自分の身体の一部のように使いこなしている。
戦う気力も逃げる気力も失っている私はぼんやりと2人の行く末を眺めていた。
ここ以外でも至る所で戦闘が行われている。
地響きがその激しさを物語っていた。
パラパラと天井から砂埃が落ちて来る。
一際大きい揺れが襲った。
「危ないっ!」
恐れていた事態が起きた。
建物の一部が崩落したのだ。
私は咄嗟に捜査官の彼の頭上を黒翼で守った。
