【20章】過去②
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この世界にやってくる前。
私は絶望の淵に立たされていた。
おじいさんと別れ数年が経ち、それなりに自分で生きていく力を身につけていった。
しかし、喰種捜査官を返討ちにする度に自分の格付けがどんどん上がっていき、相手にする捜査官の階級も比例して上がっていった。
このままではやられるのも時間の問題かもしれない。
そんな時のことだった。
経緯は忘れたが、ウタさんと出会った。
当初、彼は4区のリーダーで戦闘狂なところに魅かれた。
彼についていけば自分の生存確率も上げられると思ったからだ。
腰巾着の様に彼の傍ぴったりついて回った。
戦い方を学び、私も強くなった。
彼は途中からマスク職人になり、喰種に戦いの最中顔を隠すための仮面を作るようになった。
私は私で強くなって吸収できるものがなくなったので、去り時としてはいいタイミングだ。
しかし・・・。
「私、ウタさんが好き」
この時私は人生二度目の恋をしていた。
初恋は叶わなかったけど、二度目の恋は叶った。
ウタさんは私を恋人にしてくれたのだ。
しかし、幸せな日々はあっけなく終わりを迎えた。
付き合い出して何年経っただろうか。
あの日は仲間のイトリさんが経営する喰種専門のBARでウタさんと飲んでいた。
しかし途中で猛烈な眠気に襲われたのだ。
眠る・・・というよりは気を失った私が次に目が覚めたときは舞台の上だった。
「何・・・これ?」
目の前には鉄格子。
触るとひんやり冷たかった。
「さあ!お次は本日の目玉商品です。希少価値の高い半喰種。それに加えて彼女はなんと、人間の食事ができます」
ステージ上の鉄格子の中でへたり込んでいる私に、観衆の目が向けられた。
人間と同じ食事ができる半喰種と聞いて、騒めいている。
観客席いっぱいに収容されている人、人、人。
中には喰種もいる。
私は自分がオークションに賭けられていることに気付いた。
「1億からのスタートです」
どんどん吊り上がっていく自分の値段。
「なんで・・・?」
私は司会をしている仮面を付けた男に目を向けた。
仮面をつけていたからといって、私が分からないはずがない。
「なんで!?ウタさん!!」
鉄格子を掴んで必死に問いかけるが、彼はこちらを見向きもしなかった。
取り乱している内に私のオークションは終わっていた。
誰がいくらで買ったのか見ていなかった。
私が入った檻が引きずられて舞台から下げられると同時に次の"売り物"が舞台に上げられた。
「なんで・・・。どうして」
自問自答したところで答えなんてわかるはずがなかった。
分かることは一つだけ。
「私・・・また裏切られたんだ」
涙を流す暇もない。
このオークションが終われば、私はどこぞの趣味の悪い富豪に引き渡される。
それまでの間に逃げ出さなければ。
「・・・・・・見張りがいない?」
私のことを目玉商品といっていた割に警備が薄い。
こんな鉄格子、本気になればあっという間に崩せる。
私は黒翼を出し、鉄格子を切り裂いた。
簡単に音を立てて壊れた。
見つからない様に天井の蓋を開けて天井裏に身体を滑り込ませる。
匍匐前進で少しずつ進んでいった。
どっちが出口か分からないので、なるべく人気のない方向へ進んだ。
すると建物全体が音を立てて揺れ出した。
「何!?」
まるで大きな地震に遭ったようだ。
ガタガタと揺れる。
観客の悲鳴が聞こえた。
ああ、誰かが反撃してるんだ。
そらそうだ。
売りに出された喰種が抵抗することなど容易に予測できる。
でも・・・。
「ウタさんがそんなヘマするかな」
いつでも抜かりないウタさんが喰種の反撃を予測しないはずがない。
わからないが、とにかくここから出ないと、建物が崩壊したら押しつぶされてしまう。
私は天井裏から出て、地面に足を付けた。
「あ・・・」
「はい?」
考え事をしていたので、降り立つ場所がどうなっているか確認するのを忘れていた。
どこか分からないが部屋の一角であることは間違いない。
しかし、降りた場所には先客がいた。
――――――――――――――――――――――
備考:東京喰種:reのオークション編を参考にしてます。
私は絶望の淵に立たされていた。
おじいさんと別れ数年が経ち、それなりに自分で生きていく力を身につけていった。
しかし、喰種捜査官を返討ちにする度に自分の格付けがどんどん上がっていき、相手にする捜査官の階級も比例して上がっていった。
このままではやられるのも時間の問題かもしれない。
そんな時のことだった。
経緯は忘れたが、ウタさんと出会った。
当初、彼は4区のリーダーで戦闘狂なところに魅かれた。
彼についていけば自分の生存確率も上げられると思ったからだ。
腰巾着の様に彼の傍ぴったりついて回った。
戦い方を学び、私も強くなった。
彼は途中からマスク職人になり、喰種に戦いの最中顔を隠すための仮面を作るようになった。
私は私で強くなって吸収できるものがなくなったので、去り時としてはいいタイミングだ。
しかし・・・。
「私、ウタさんが好き」
この時私は人生二度目の恋をしていた。
初恋は叶わなかったけど、二度目の恋は叶った。
ウタさんは私を恋人にしてくれたのだ。
しかし、幸せな日々はあっけなく終わりを迎えた。
付き合い出して何年経っただろうか。
あの日は仲間のイトリさんが経営する喰種専門のBARでウタさんと飲んでいた。
しかし途中で猛烈な眠気に襲われたのだ。
眠る・・・というよりは気を失った私が次に目が覚めたときは舞台の上だった。
「何・・・これ?」
目の前には鉄格子。
触るとひんやり冷たかった。
「さあ!お次は本日の目玉商品です。希少価値の高い半喰種。それに加えて彼女はなんと、人間の食事ができます」
ステージ上の鉄格子の中でへたり込んでいる私に、観衆の目が向けられた。
人間と同じ食事ができる半喰種と聞いて、騒めいている。
観客席いっぱいに収容されている人、人、人。
中には喰種もいる。
私は自分がオークションに賭けられていることに気付いた。
「1億からのスタートです」
どんどん吊り上がっていく自分の値段。
「なんで・・・?」
私は司会をしている仮面を付けた男に目を向けた。
仮面をつけていたからといって、私が分からないはずがない。
「なんで!?ウタさん!!」
鉄格子を掴んで必死に問いかけるが、彼はこちらを見向きもしなかった。
取り乱している内に私のオークションは終わっていた。
誰がいくらで買ったのか見ていなかった。
私が入った檻が引きずられて舞台から下げられると同時に次の"売り物"が舞台に上げられた。
「なんで・・・。どうして」
自問自答したところで答えなんてわかるはずがなかった。
分かることは一つだけ。
「私・・・また裏切られたんだ」
涙を流す暇もない。
このオークションが終われば、私はどこぞの趣味の悪い富豪に引き渡される。
それまでの間に逃げ出さなければ。
「・・・・・・見張りがいない?」
私のことを目玉商品といっていた割に警備が薄い。
こんな鉄格子、本気になればあっという間に崩せる。
私は黒翼を出し、鉄格子を切り裂いた。
簡単に音を立てて壊れた。
見つからない様に天井の蓋を開けて天井裏に身体を滑り込ませる。
匍匐前進で少しずつ進んでいった。
どっちが出口か分からないので、なるべく人気のない方向へ進んだ。
すると建物全体が音を立てて揺れ出した。
「何!?」
まるで大きな地震に遭ったようだ。
ガタガタと揺れる。
観客の悲鳴が聞こえた。
ああ、誰かが反撃してるんだ。
そらそうだ。
売りに出された喰種が抵抗することなど容易に予測できる。
でも・・・。
「ウタさんがそんなヘマするかな」
いつでも抜かりないウタさんが喰種の反撃を予測しないはずがない。
わからないが、とにかくここから出ないと、建物が崩壊したら押しつぶされてしまう。
私は天井裏から出て、地面に足を付けた。
「あ・・・」
「はい?」
考え事をしていたので、降り立つ場所がどうなっているか確認するのを忘れていた。
どこか分からないが部屋の一角であることは間違いない。
しかし、降りた場所には先客がいた。
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備考:東京喰種:reのオークション編を参考にしてます。
